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国王に報告

 レオンとサール、モルフは呼び出されて国王の執務室に向かった。

 そこにはキンバーンとローブ姿の部下が既に到着していた。


「キンバーン先生。おはようございます」


「おはようございます。レオン殿下」 


 二人が軽く挨拶を交わすと、国王が面白そうに目を眇める。


「どうやら思っていた以上に仲良くなっているようだな」


「ええ。レオン殿下はとても教え甲斐のある生徒ですから」


「キンバーン先生は博識で、とても頼りがいのある先生なので」


 二人が口を揃えてお互いを褒めると、国王は苦笑した。


「その辺りの事情を改めて聞こう。書面での報告は受けているが、本人の口から話を聞きたい」


「ええ。特殊な出来事でしたからね」


 キンバーン主導で、レオンが『星の力』を授かった経緯を説明した。

 国王と宰相、キンバーンの部下は大きく目を見開いたり、唸ったりしている。


「現地で直接見ていたわしでも『星の力』の詳細は分かりませんでした」


「『星の力』……とな」


「とても強力な力を授かったのは確かです。レオン殿下はわし以上の魔法使いになれるでしょう」


「なんと、筆頭魔法使いを越えると言うのか」


「ええ。今はまだ何ができるか検証中ですが、鍛錬次第では確実に。魔力量からして物凄いですよ」


「魔力量……」


「それは病床にいた頃からの訓練の賜物ではありますが。とりあえず急ぎ陛下に許可を頂きたい事項がございます」


「なんだ?」


「昨日、帰るなり部下にせっつかれている結界魔法道具への魔力充填を、レオン殿下にもお願いしたいのです」


「結界魔法道具か……」


「わしもこの年齢ですので、後継者を育てなければなりません。結界魔法道具への魔力充填の重大さは、説明しなくてもお分かりですね?」


「もちろんだ」


 国王と宰相が頷くが、レオンは首を傾げている。

 レオンはまだ政治に関わっていないので、国防について詳しく知らない。情報を制限されている状態なのだ。


「レオン殿下には是非とも魔法省に籍を置いて頂き、その業務に従事して頂きたいと思います。常駐が無理なのは承知の上ですが、これは伏してお願い申し上げます」


「ふむ。レオンどう思う?」


「私の魔力が役に立つのなら喜んでお受けします。魔法省に在籍させて頂けるのは光栄です」


「そうか」


「私もある程度魔法を使った方が身体の調子がいいので、こちらからお願いしたいくらいです」


「ふむ。では許可しよう」


 国王が宰相に視線を向けると、宰相が口を開いた。


「レオン殿下、魔法使いの存在は国防に関わるので、秘匿する事になります」


「はい。心得えております。自分から言い触らしたりしませんよ」


 胸を張って誓ったレオンだったが、キンバーンが笑顔で告げた。


「でもあれだけ隣国で派手に使ったので、マナミリュ殿下やアッグレ国王にはバレていますよ」


「そうだね」


「ふむ、確かに。最初の手紙を読んだ時は肝が冷えたぞ。随分と派手に暴れたようだな、レオン」


「成り行きで仕方なかったのです。それにアッグレ国にはバレても構わないと思います。有効国ですし、今の友好関係を維持する為にも、私の力を知っておいて貰った方がいいでしょう」


「そうか?」


「はい。先ほどの説明通り、アッグレの南側の国ヒレンツでは、たくさんの魔獣を使役する魔法道具を実用化していました。あの国には優れた魔法使いがいます」


「魔法道具か……」


「こういった言い方はマナミリュ殿下には失礼ですが、アッグレ国が我が国とヒレンツ国との間にある事によって、我が国の脅威は一段下がります」


「当然だ。我が国の王子なら正当な判断だが、レオンがそういう言い方をするとは驚いた」


「もちろん個人的な感情としてはマナミリュ殿下との友情を優先したいです。でも父上にはこう言った方が響くでしょう?」


「ふ、それを言わなければいいものを」


「私はまだ学生の身。半人前なので腹芸は大人になってからにします」


「まあいいだろう」


 堂々としたレオンの物言いに、国王は苦笑している。


「あえて政治的な言い方をすれば、情に流されては国防を語れない。友情は大事ですが、我が国の国民も同じように大事です」


「ふむ」


「留学期間はまだあります。アッグレ国はまた敵国から攻め込まれるかもしれません。今度は別の国かもしれません。その時、私は同じように撃退します。一時的にアッグレ国に力添えする事が、結果的に我が国を守る事に繋がると思います」


「うむ。確かにアッグレ国は重要だ。友好的な関係でいなければならない」


「アッグレ国との外交はお任せ下さい。外交官とも相談しながら友好関係を維持してみせます」


「うむ。任せたぞ、レオン」


「承知しました」


 国王から言質を得て、レオンは満足そうに笑った。


「それでは場所を移して、レオン殿下に魔法省を案内してよろしいでしょうか」


「うむ。レオンが魔法省に在籍する手続きは迅速にさせよう。レオン、頼んだぞ」


「承りました」

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