閑話 その三
ある程度のことは書いてしまったので、ここからは不定期とさせていただきます。
すいませんが、のんびりお待ちください。
私は小学校の頃から書道をやっております。
社会人になってからしばらく辞めていたのですが、結婚する直前まで入っていた草サッカーチームを辞めたのを機に、再度始めました。
またゼロからのスタートだったのですが、なんとか数年かけて高等師範の免状をもらうほどになりました。
ここまで書くと何だ自慢かと思われるでしょうが、私が話したいのは書道のことではなく「墨」の話なのです。
しかも買うほうの話ではなく、作るほうの話です。
実は私が書道をしている一番の目的は字を書くことではなく、墨を磨ることなのです。
静かな部屋で、ただゆったりと墨を磨っていると凄く落ち着くのです。
なので作って見ようと思いました。
それまでも墨の職人さんの出ているテレビや本はたいがい見てましたし、作り方も分量もネットにのってたりするので何とかなると思ってました。
甘かったです。
まず材料の煤が売ってないのです。
日本画に使う粒子の粗いものなら画材屋さんに売ってたりするのですが、私が欲しいのは微粉末の煤なのです。
しょうがないのでアルコールランプ的なものを作り、アルコールの変わりに菜種油を入れ、火の上に逆さにした皿を固定してそのまま放置します。
しばらくすると皿の下に煤が付いてくるので、それを集めます。
この作業を延々と繰り返すことでようやく煤が出来ました。
これでやっとスタート出来ますね。
早速、調べた分量通りに煤と鍋でドロドロに溶かしたニカワと香料を入れて混ぜ混ぜ… あっつぅ!
。
とても手で触れる温度ではないし、何より煤が飛び散りまくる。
ヤバイ、嫁に怒られる。
しばし考えて、ジップロックに放り込んで閉じてから袋ごとモミモミ… よし、これなら熱くてもなんとか混ぜることが出来るし、煤が飛んだりもしない。
ナイスアイデア!。
そしてしばらく混ぜていると段々まとまって来たので、袋から取り出して全力でコネコネ。
艶が出てきたら自作の木型に入れて、重しを乗せて1日放置します。
翌日取り出してみると、テレビで見たような少し固めの羊羹のようになっていたので多分成功なんだと思います。
後はこれを乾燥させるのですが、暖かいと乾燥する前にニカワが腐ってしまうらしいので、外の木陰に置いて見ました。
ちなみに墨はこの理由で寒い時期しか作れないのだそうだ。
次の日、作った墨を見てみるとヒビだらけでした。
え~ なんで? 確かにテレビでは灰に埋めて乾燥させるとか言っていたけど、もしかしてあれってゆっくり乾燥させるためなの?。
灰に入れたら水分を吸って早く乾燥すると思ってましたよ。
でも、そうすると灰の水分量が大事になってくるんだろうけど、そんなの絶対分からないし実験するにしても、そんなに大量の煤は作れません。
しょうがない、なるべく1人で作りたかったのですが職人さんに聞くことにします。
前にも話しましたが私は職人さんを訪ねて話をするのが好きなので、墨の職人さんにも知っている人がいるのです。
ただ、職人さんにものを聞くときは教えてもらえなくても当たり前と言う気持ちで聞かなければいけないし、「一生懸命自分なりに作ってみたけどここがうまくいかないんです」くらいのスタンスでないと失礼だと思います。
一から教えて欲しいなんてもってのほかです。
職人さんに失敗作を見せたところ、「あ~ なるほどねぇ」と言われアドバイスをもらうことが出来ました。
後日アドバイス通りしてみるとうまく乾燥させることが出来ました。
1ヵ月毎日あることをして、そこから半年乾燥させて、さらに2年寝かせてようやくです。
長かった~ これで思う存分スリスリ出来ます。
ちなみに、受けたアドバイスは他言しない約束なので、申し訳ないですがここでは書けません。




