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Fragment of Memories  作者: 詩空
第一章 リーザリア・エルフェルド
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一章 エピローグ


「ふぃぃぃ……」


 やっと二人から解放されて、食堂にやって来た。


 時間帯が時間帯だから人いないし、気楽に休めそう。……というよりいつも来る時間帯が悪いのか、席が埋まるほど人が居た記憶がない。


 そんな今の時刻は、大体午後四時前といったところ。おやつの時間も過ぎてるし、仕事とかを終えて一息つく時間よりも早いし、晩御飯よりも早い時間。そりゃあ人は居ないよね。


「流石に疲れた……休もう」


 こっちの方がある意味で精神的に来るしね。

 そんなことを考えつつ座って机に突っ伏していると次第に眠気に襲われ、私は眠りに落ちていった。



(……私、食堂に居たはずじゃなかったっけ)


 ふと気がつくと、いつの間にか小さな部屋の中で椅子に座っていた。


 目の前には小型の机があって、どうやら何かを書き込んでいるらしい。何故かその文字はモザイクの様な何かがかっていて、読み取ることは出来なかったけれど。


(そういえば寝ちゃったんだっけ。だとするならこれは夢なんだろうけど、いつもの森の中じゃない。何かが変わったのか……それとも――)


 今回の夢について、今までとの違いを考えていると夢の景色が次々と変化していく。


 体の持ち主が書き込んでいた物をもって立ち上がって部屋から出て行き、そのまま外へ出て行った。

 外はこの世界に入り込んでから初めて見る素朴な農村といった雰囲気で、ゆっくりとした時間が流れているように感じられる。


(――あれ? なんか変な事を考えたような……)


 ふと感じた違和感に内心首を傾げていると、景色がどんどんと移り変わって行っているため、一度考えを打ち切ることに。


 体の持ち主はいつしか村の敷地から外れた小高い丘の上に足を進めていて、一本の木の根元で立ち止まった。

 周りには特に何かがある訳でも無いのだけれど、それでも何かを探すかのように視線は動いて行く。


「――」


 声は……やっぱり聞こえないか。扉を開けた音も聞こえなかったから、あんまり期待してなかったけど。


 何度か声を上げたらしき後、急に視界が上を向いた。

 すると頭上の枝が揺れたかと思うと、一人の男性が飛び降りてきて、この人の隣へと苦も無く降り立つ。


 男性は大体三十歳くらいで、短めの黒髪に程よく引き締まった体を持っている。


 ……どこかで見たことあるような気がするのは、気のせいかな。


「――――!」

「――――――」

「――――――?」

「――」


 数回言葉を交わしたらしいところで、相手の男性が腰に下げていた袋から一冊の本を取り出してこちらに渡してきた。

 表紙に何かが書いてあるようだけど、これもまたモザイクの様な何かが覆っていて読むことは出来ない。


 この体の持ち主がそれを受け取って、抱えていた本と共に相手が引いた布の上に揃えて置いて、手をかざして何かを唱える。


「――――」


 次の瞬間に鎖の様な何かが二冊の本に巻き付き、何かしらの魔法が発動したらしく、その結果を見て満足したかのように頷いている。

 すると、次は近くに置いてあった宝箱のようなものに、敷いていた布で包んだ二冊の本を納めて、更に近くに作られていた穴の中に男性と二人で埋めた。


 タイムカプセルのようなものなんだろうか。それにしては二冊の本しか入れないのは疑問が残るけど。


「――――」

「――」


 最後に何かを呟いて来た道を戻り始めた。これを埋めに来るのが目的だったんだろうけど、いまいち腑に落ちないことが多い。

 特に何でそれぞれ本を用意して、埋めるのか。それの理由がまるでわからない。


 その後は特に何か変わった事がある訳でも無く、村に帰り着く。


 そして村の中に戻った瞬間、視界が暗転して意識が浮上するような感覚がした。


(あれ、今回の夢はもう終わりなんだ。いつもより短い気がするけど)


 この感覚に逆らったところで意味は無いから、大人しく流れに身を任せる。そうすれば勝手に夢から覚めるしね。

 どうせ今回の夢も覚えているだろうから、気になることは後で考えてみれば良いし。なおの事逆らう理由はない。


 考えを完全に打ち切って、大人しくその流れのままに意識を浮上させていった。



「ん……あれ、寝ちゃってたか」


 目が覚めて辺りを見回すが、眠る前と景色は何も変わりはなかった。違った点といえば精々、人が数人増えてることだろうか。

 どうやら強制ログアウトはされてないみたいだね。


 とりあえず今の時間を確認するためにメニュー画面を開く。

 今は……四時半か。一時間も寝て無かったんだ。


「くぁぁ……」


 んー、まだちょっと眠い。


 欠伸を堪えつつ、試しに今回見た夢の内容を思い返してみる。


 えっと確か、姿の見れない誰かと男性がどこかの村の丘の上にある木の根元に本をしまった宝箱を埋めた、だよね。――うん、大丈夫。

 やっぱり今朝の夢が何かおかしかっただけだ。もしくは普通の夢を見たか。


 きっとそうに違いない。


 まぁそれは良いとして、とりあえず次の目的地はこれで決まったかな。


 あの森が実際にあったっていう事は、あの村もきっとこの世界のどこかにあるだろうから、それを探す。

 そして目標は宝箱の中の二冊の本。


 夢に出て来るって事は何か手掛かりがあるんだろうし、もしかするとあの双剣についても何か書かれているかもしれない。


 これらがどうやって繋がるのかわからないけど、これも私の中の知らない何かを知るための道しるべだから、今更諦めるわけにはいかないしね。


「まだまだ、先は見えないなぁ……」

「何が見えないというんだ、トア?」

「へ?」


 背筋を伸ばしながら呟いたら後ろから思わぬ声が聞こえてきて、思わず変な声を出しながら振り向くとそこには、濃い緑色の長い髪を一本の三つ編みに纏めた一人の女性が立っていた。

 髪色と結び方は記憶の中の姿と違うけれど、その顔には見覚えしかなくて、何も言えずに呆けていたら向こうから話しかけられる。


「君は相変わらず予想外の事が起きると思考が止まるんだな。私がわからない訳はないだろう?」

「いや、え? 何でここに居るの?」


 言われて正気に戻ったけれど、本当に何でここに居るんだろう。

 確かにゲームは好きだと聞いていたし、もしかするとやっているかもしれないとも思ってたけど……まさかここで会うなんて思っても無かった。


 その女性は私の親友――



「ううん。それよりも、もしかしなくても霧華(きりか)なの?」

「ああ。数日ぶりだな、綾」



 ――羽刃桐(はばきり)霧華その人だった。



これにてようやく一章が終わりです。

予想以上に終わるまで時間がかかってしまいましたが、無事に一章を終えられてよかったです。


それで次回から二章に移るのですが、もしかすると一週間ほど休みを混ぜると思います。

理由としては前に言っていた通り、一章全部ではないのですが見直しをちょっと入れようと思いまして、その関係上少し時間がかかるかもしれないので最低でも一週間ほど休むことになると思われます。


出来る限り見直しは早く終わらせるつもりなので、長くても二週間以上は間が明くことは無いと思いますので少し待っていただければ幸いです。



次に、明日に一章の登場人物のまとめをこちらのみで投稿します。

そちらは恐らく十九時ごろに投稿されると思います。


では今回はここまでです。


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