第一話・いつもの生活
「おい、今日は、前にやった小テストを返すぞ。席につけ・・・みんな席に着いたな?それじゃあ、テストを返してくぞ。平均点は72,5で、学年四位だ。まぁまぁだな。今回も、クラスの最高点と最低点の人は名前も呼ぶぞ。」
そこまで言うと、クラス人達は、いつものように文句を言い始めた。
「俺、今回勉強するの忘れてたから、最低点かも。ヤバいな」
「私も・・・」
などと声が飛び交うなか、先生は無視して、名前を呼び始めた。
「まず、男子からな。杉森、青田、黒白・・・男子には、最低点も最高点もいなかったな。次、女子いくぞ。青沼、野口・・・」
(そろそろ自分の番かな?)と、顔は普通だが、頭脳明晰で体型は比較的すらりとしている彼女・・・如月優美が思っていると、その予想は当たり、
「次、如月」
と呼ばれた。優美は、いそいで立ち上がり、早足で先生の元に行くと、先生はニコッと笑いながら
「今回も、最高点は如月の97点だ。この点数は、学年でもぶっちぎりの一位だ。二位は、84点だからな。」
その言葉に、クラス中に、【おぉ〜】というどよめきが湧き起こった。そして、優美が席に着いた後、美咲が呼ばれた。
「次、赤嶺。」
急に名前が呼ばれ、優美は凄いなぁ〜等と考えていた美咲はビックリして変なロボット歩きで先生の元へ行ってしまった。そんな美咲を先生はニコッと笑いながら、
「みさきぃ〜お前はどーしていつもクラスでも学年でも最低点なんだよ!35点?赤点ギリギリの点数だぞ?授業に出ていれば、50点は取れるぞ?不思議だなぁ。どうしてだろうなぁ?美咲さん。」
先生は、見ている人達は冷や汗をかくような微笑み方で、意地悪く聞いた。
「こ・今回は、弟や妹達の世話に明け暮れていて・・・」
美咲はしどろもどろに答えた。だが、先生は、もうすでに興味が失せたような顔になっており、
「お前、姉弟はいないよなぁ。どうせまた、デートにでも明け暮れてたんだろ?もぅいい。席に戻れ。次行くぞ、早川、新田・・・」
美咲が席に着くと、すぐに後ろの席の白田恵が話しかけてきた。
「テスト、残念だったね。でもさ、テスト返すのあまり時間かからなかったから、後の40分暇だね。6時間目だから、眠いしね。」
「本当にね。せめて後10分はテスト返すの伸ばしてほしかったな。」
「おい、そこ。俺の授業でしゃべるとはいい度胸の持ち主だな。さてと、お二人さんには、86ページから90ページまで声を合わせて呼んでもらいましょうか。」
目ざとくしゃべっている2人を見つけ、教科書を読むようにいったので、しゃべっていた二人は、同時に
「え〜」
といった。が、
「そうそう、その調子だ。」
と先生が言ったので、クラス中、爆笑の渦になった。そしてその中を美咲と恵が真っ赤になりながら立ったのはゆうまでもない。
「今日は、英語と・・・数学・・・くらいなら勉強できるかな?」
と呟いて、優美は立ち上がり、ロッカーに向かって歩き出した。その時、
「優美〜待って・っとうわぁ!」
優美に向かって走ってきた美咲は、見事に机につまずいて・・転んだ。こんな場面をよく見ている優美は、一つ大きなため息をつくと、美咲の所に行き、助け起こしながら訊いた。
「大丈夫なの?美咲。ったく、どーして机の足に脚を引っ掛けるだけで、こんなに無様に転べるのか知りたいもんだね。」しかし、そんな皮肉が通じる相手ではなく・・
「転んだのは、仕方ないでしょ?それよりも、今の駄洒落?ほら、机の足に脚を引っ掛けてっていうやつ。」
優美は、無言で握っていた手を開いた。




