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鏡像迷宮 18

ひたすらボチボチです。読んでくださり、まことに有り難う御座います。

 中学校に上がると、(たける)の言動に奇妙なところが現れだした。それは生まれ持って備えた精神の器に、徐々に亀裂が入っていった、ゆっくり表面化した、という感じじゃなく、なにか青天の霹靂の感じだった。そう、建さんの母である夢野美穂さん、…僕のマドンナは語りました。


 室内には懐中電灯のひかりが光量も乏しく、まあ、さながら百物語のロウソクといったところ。一種、陰の叙情が満ちています。


「まずね、鏡。鏡片というのかしら。砕けた鏡に異様な関心を見せだしたのね、あの世と繋がっているんだ、といって」

 

 はじめは姿見や洗面台のそれに裸身を映し、淡々と注視しているだけだった。

 少し奇異に感じはしたが、年頃の男の子は分からない。きっとハシカのようなナルシシズムや、急速に変化しゆく肉体の神秘を見つめているのだろうと解釈した。


 …が。そのうち鏡を買ってきては砕き、そこに見入る。それだけならばまだ良いが、皮膚に接触させて流血することも増えてきたそうです。

 考えてみてください。ギラつく鋭利な破片。そんなものを口に含むこともしたといいます。


「ナゼ、鏡症候群なんて、クラシックな、ナースの現場とちょっと乖離した言葉を覚えているかって言うとね、このことが印象にあったからなのよ」




 …続きますね。

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