鏡像迷宮 17
迷った末の投稿です。安易な表現かもしれませんので、のちに大きく手を入れさせていただくやも。推敲不足で申し訳ありません。
「鏡」、と。
それから続いて、
「症候群」、そう、
赤い唇は、結ぶ。
…聞き覚えのある用語。学術的な手触り。現場志向の知識ではありませんが、たしかにそのように呼称される状態はあります。鏡症候群、または。
「えっと、それ。カサンドラ症候群、ですよね。別名」
「…そうね、カサンドラの悲劇とか言うヤツね。芝居がかったコトバ。いまだにあんまり好きになれないな、私は」
いまだに。どういうことでしょうか。イワクありげなニュアンス。
「…しかし、何のハナシですか。突然で何がナニやら」
「ごめん、ごめん、驚くよね」
と。警戒をとかせるように口元を綻ばせるのです。その口調はやや上擦り、熱に浮かされた女のそれなのでしたが。
…とにかく。悲劇があった。こういうことでした。
夢野さんには御令息がありました。名は、なんと、建さん。読みだけであれば、僕と同名なのでした。ほかにもまるで呪縛のごとき事々の結合が浮かび上がるのですが、まずはこれが一つ目のクサビというコトになります。
…それにしても、休憩時間は一時間ばかりしか有りません。停電してからは三十分ばかり。間に、全ての仔細を聞き出せたワケではなく、ここにあらわす言の葉は、実はその後に拾い聞いたことを繋ぎ合わせた格好となります。ただし、ここでは縷々と記すことと致しましょう。
…続きますね。




