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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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世のため人のため

A子 「ねぇねぇ。世のため人のためになる仕事がしたい!」

B男 「例えばなんだ?」

A子 「ちり紙交換!」

B男 「んん!? 確かに世のため人のためになる仕事だよね、リサイクルだし! でもちょっとイメージと違ったかな!?」

A子 「ちり紙交換は人類の希望じゃない!」

B男 「そんな大層なもんじゃないだろう!?」

A子 「ちり紙交換を利用した方から、こんなメッセージが届いています」

B男 「どこ当てにだ!?」

A子 「17歳高校生。『ちり紙交換に出会うまでは、私の人生は最悪でした』」

B男 「深夜の通販番組にありそうな匂いがするんだけど!?」

A子 「『でも、ちり紙交換に出会って人生が変わったの!』」

B男 「そんな劇的な変化はないよ、たぶん!?」

A子 「26歳主婦。『ちり紙交換は、命の恩人なんです』」

B男 「言い過ぎだろ、それはさすがに!?」

A子 「『鼻が詰まって詰まって仕方なかったんです』」

B男 「ティッシュ買えばいいのに!」

A子 「『亭主の稼ぎが少なくて……とてもティッシュは買えませんでした』」

B男 「手取りいくらその人!? ティッシュなんて数百円だよ!?」

A子 「『諸々引かれて、手取り40万』」

B男 「十分じゃねぇか!?」

A子 「『食費、41万』」

B男 「何食って生活してんの、毎日!?」

A子 「『借金地獄で……』」

B男 「毎月手取り以上に食っちゃってるしね!」

A子 「『自炊をすればするほど嵩む食費』」

B男 「なんでだよ!?」

A子 「『これは本物のお米じゃない!』」

B男 「そんなとこにこだわるから食費がバカにならないんだよ! 本物じゃない米ってなんだ!?」

A子 「『そんな切迫した生活を強いられて早5年』」

B男 「切迫してるのはお前らの金銭感覚のせいだけどな!?」

A子 「『一番困っていたのが、鼻づまり』」

B男 「もっといろいろ困るとこあるだろう!?」

A子 「『鼻をかみたいけれど紙が無い。そんな絶望から私を救ってくれたのが、ちり紙交換でした!』」

B男 「なんだか感動的なまでに持ち上げられてるな!?」

A子 「『今では、鼻が真っ赤になるほどかみまくってます!』」

B男 「かみ過ぎだな!? 真っ赤にならない程度にとどめておけよ!」

A子 「70歳男性。『ちり紙交換に出会って、膝の痛みが和らぎました』」

B男 「関係ないよね!? 偶然よくなっただけなんじゃないの!?」

A子 「年齢不詳、妖精『地球に優しいちり紙交換は素敵だね』」

B男 「誰にコメントもらってんだよ!? どこで出会ったの!? ぜひ教えて!」

A子 「このように! 全世帯、多種多様な人々に支持されている職業、それがちり紙交換なの!」

B男 「そこまで幅広く支持されてたとは知らなかったけどな!」

A子 「だから、あなたもちり紙交換を利用してね」

B男 「そう言われてみれば、一回も利用したことないなぁ、ちり紙交換」

A子 「え、砂漠にでも住んでるの?」

B男 「なんでだ!?」

A子 「車では行けないような環境でもない限り、利用するでしょう、普通!?」

B男 「しない人はしないもんだよ!」

A子 「ちり紙くれるんだよ!?」

B男 「必要なら買うし!」

A子 「リッチマンか!? 年収一千万か!?」

B男 「そこまで年収なくても買えるからね、ティッシュ!?」

A子 「まさか、こんな日本人がいたなんて……」

B男 「結構いるぞ、利用したことない人」

A子 「もしかして、ちり紙に何か恨みでもあるの?」

B男 「ねぇよ! どういうことがあればちり紙に恨みなんか持てるんだよ!?」

A子 「ははぁん、分かったぞ」

B男 「分かり方が古いな、お前は!?」

A子 「リサイクルを妨害して森林を伐採、地球を温暖化させようとしている悪の秘密結社だな!」

B男 「なんでちり紙交換利用してないだけで悪の秘密結社呼ばわりされんだよ!?」

A子 「お前には、この声が聞こえないのか!?」

B男 「何だよ、地球の悲鳴とかいうのか?」

A子 「31歳会社員。『ちり紙交換を始めてから空気がおいしくなったような気がします』」

B男 「だからその深夜の通販的なコメントやめんか! もういいよ」


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