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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ
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少女の漫画

A子 「ねぇねぇ。少女漫画って読んだりする?」

B男 「いや、読まないなぁ」

A子 「じゃあ、描く方か」

B男 「違うよ!? 描いたことは一回もない!」

A子 「え、連載したことも!?」

B男 「ねぇよ! 連載持てるって、相当のレベルだろうが! なに、『それすらも?』みたいな聞き方してくれてんだ!?」

A子 「まさか、そんな人がまだいたとは……」

B男 「少女漫画の連載持ってる人の方が少数派だからな!?」

A子 「じゃあちょっと、連載持ってみようか」

B男 「無理だよ! まず絵が描けないし!」

A子 「じゃあ、絵はなくてもいいよ」

B男 「マンガじゃないじゃん、それじゃあ!」

A子 「分かった。私が絵を担当するから、あなたはお話を考えて」

B男 「お前、絵描けんのかよ?」

A子 「こう見えて、美術の成績は5段階評価で7だったからね」

B男 「超えちゃってんじゃん!?」

A子 「成績つけられないレベルだったのよ」

B男 「それは期待してもいいのかな!?」

A子 「アボカドの絵なら、誰にも負けないよ!」

B男 「少女漫画で登場する機会少ないよね、アボカド!?」

A子 「アボカドメインの少女漫画にすればいい」

B男 「どんなマンガだよ!?」

A子 「まず、ヒロインが寝坊して、アボカドを咥えながら走ってるのね」

B男 「朝ご飯アボカドなの!?」

A子 「で、曲がり角でアボカドとぶつかって」

B男 「アボカドと!?」

A子 「角、だけに!」

B男 「うるせぇよ! いいから、そういうの!」

A子 「で、遅刻ギリギリアウトで学校に着いて」

B男 「アウトなんだね!? 間に合わなかったんだ!?」

A子 「そしたら、その日やってきた転校生がアボカド」

B男 「アボカド転校してきたの!?」

A子 「残念ながら、さっきぶつかったアボカドとは別のアボカドだったけど」

B男 「別なの!? そんな特殊な登場人物なのに別だったの!?」

A子 「で、『あ、あなたはあの時の』ってなって」

B男 「どの時だよ!? 朝ぶつかったのとは別のアボカドだったんだよね!?」

A子 「昨日ぶつかったの」

B男 「毎日通学路でアボカドにぶつかってんじゃねぇよ!」

A子 「『アボカド注意』の看板が見えにくい位置に設置してあるんだよ」

B男 「アボカド注意ってなんだよ!? どんな状況に陥るんだよ、そこ!?」

A子 「野生のアボカドが飛び出してきたり」

B男 「野生のアボカドは飛び出してこねぇよ!」

A子 「まぁ、なんやかんやあって、アボカドと仲良くなって」

B男 「仲良くなっちゃうんだ!? 俺なら間違いなく近付かないようにするけどな!」

A子 「一緒にクラス委員とかやって」

B男 「アボカドに任せて大丈夫なのかな、クラス委員!?」

A子 「メガネかけてるから大丈夫!」

B男 「どんな基準だ!? あと、メガネかけてんじゃねぇよ、アボカド!」

A子 「アボカドがね、公園でお腹をすかせた捨て猫を見つけるの」

B男 「あぁ、そこで優しさとか見せちゃうわけか」

A子 「いや、捨て猫がおなかをすかせ過ぎて、アボカドにガブー!」

B男 「食われちゃってんじゃん!?」

A子 「そこへヒロインが登場」

B男 「助けに来たんだな」

A子 「『そいつを倒すのは私よ! 手を出さないで!』」

B男 「少年漫画のライバルみたいになってるよ! 元々敵だったのに仲間になるタイプのヤツ!」

A子 「で、ヒロインと猫が壮絶なバトルを繰り広げて」

B男 「いるかな、そのバトル!?」

A子 「ヒロインと猫の間に友情が芽生えて」

B男 「芽生えちゃうの!?」

A子 「で、傷んだアボカドはもったいないけど捨てられちゃう」

B男 「捨てんなよ!?」

A子 「そんな少女漫画を描こう」

B男 「全然少女漫画じゃねぇよ、それ! もういいよ」


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