あさっしん
A子 「ねぇねぇ。暗殺者を養成したい」
B男 「やめて、物騒だから!」
A子 「暗殺者が主役のマンガを読んで感化されちゃったんだよ」
B男 「あぁ、あるよな、そういうの」
A子 「暗殺者が寝坊してパンを咥えながら走っていると、曲がり角で転校生とぶつかって」
B男 「ラブストーリーなの!?」
A子 「『顔を見られた以上、生かしてはおけない』」
B男 「急に物騒だな!?」
A子 「学校へ行くと、その日来るはずだった転校生が来ず」
B男 「消されちゃったもんね!?」
A子 「一体、誰がこんなことを!?」
B男 「お前だ!」
A子 「けれどその転校生は、転校生四天王の中でも最弱の存在でしかなかった!」
B男 「転校生四天王ってなんだ!?」
A子 「倒しても、またすぐに第二第三の転校生が!」
B男 「受け入れ過ぎだろう、その学校!?」
A子 「そんなわけで、第二第三の転校生はあなたに始末してもらいます」
B男 「無茶言うなよ!」
A子 「大丈夫。私が暗殺者の『にほへと』を教えてあげるから」
B男 「『いろは』を教えてくれるかな!? そんな中途半端なところからじゃなくて!」
A子 「まずは、使用する武器を決めないとね」
B男 「俺に使える武器なんかあるのか?」
A子 「自作のポエムとか、どう?」
B男 「武器になるか!」
A子 「聞く方の心がズタボロになるような自作のポエムを朗読するの!」
B男 「精神攻撃的なこと!?」
A子 「もっとも、思い出した時のあなたは、敵の比じゃないほどダメージを受けるけどね」
B男 「朗読の段階で燃え尽きるわ!」
A子 「お気に召さない感じ?」
B男 「お気に召す前に、武器として成立してないだろう!?」
A子 「初心者には難しい?」
B男 「初心者でなくても難しいと思うけどな!」
A子 「じゃあ、初心者にも使える武器を渡してあげよう」
B男 「初心者でも使えるとなると、やっぱりナイフとかか?」
A子 「いいえ、サンマです!」
B男 「武器じゃねぇ!」
A子 「凍らせれば、こん棒のように使えるよ」
B男 「じゃあこん棒を用意してくれよ!」
A子 「先が尖ってるから突き刺すことも出来るし」
B男 「それは無理だろう!?」
A子 「相手の鼻の下にピッタリとくっつければ、嫌な思いをさせられる」
B男 「生臭いもんね!」
A子 「そして、適度に焼いて大根おろしを添えるととても美味しい」
B男 「最後の暗殺関係ないじゃん!?」
A子 「食べることも出来る武器なんだよ!?」
B男 「食べることがメインで、武器じゃねぇよ!」
A子 「サンマもろくに使いこなせないとは……」
B男 「サンマを器用に使いこなせるヤツの方が少ないわ!」
A子 「ほら、そんなことを言ってる間に、第二第三第四第五の転校生が来たよ!」
B男 「五人いない、四天王なのに!?」
A子 「ほら、サンマで闘ってきて!」
B男 「無理に決まってんだろ!?」
A子 「どうして? 秋の味覚だよ?」
B男 「秋の味覚だから無理なんだよ!」
A子 「仕方ない、お手本を見せてあげよう」
B男 「出来るもんならやってみろよ!」
A子 「『うわ~、殴られた~』『うわ~、刺された~』『うわ~、生臭い~』『うわ~、美味しい~』」
B男 「後ろ二人倒せてないだろう!? 特に一番最後のヤツ!」
A子 「ちゃんと見てた?」
B男 「いや、見てたけどね」
A子 「『見られた以上、生かしてはおけない』」
B男 「だから急に物騒になるなってのに! もういいよ」




