第二十一話「きっと、望むなら」
総集編みたいなもの
『私はあなたのことが好きです』
そう言えたら、どんだけ楽だったのだろう
かけがえの無いこの気持ちを
言葉にできるのなら、どこまで良かったのだろう
でも、俺にはそんな勇気はなかった
誰かに気持ちを伝え、叶うか叶わないなんて
俺は見たし、感じた
でも…
俺は意気地なしだった、いや、今もそうだ
何かを決めることはいつもいつも苦手だった
給食を何から食べるか、ババ抜きでどれを取るか
些細なことでも。俺は迷っていた
でも、それまでは良かった
どれも選択してもどうにかなったからだ
…だけど、そうも行かない場合があった
想い人
俺はこれに答える『勇気』がなかった
この選択にはいろいろな物が連なっている
この後も、この『先』も…
俺にはそんな選択は出来なかった
俺は…その思いから逃げていた
それから数年…
俺の勇気はほんの少しマシにはなった
迷うことも少なくなってきてはいた
『一人暮らし』
選択が多いかもしれない、それでも
自分が選んだから、そこまで後悔はない
きっと大変だろうけど、生きていける
そう思った
俺が引っ越してきた時
とある女性と出会った
その女性は…何というか懐かしい事をしていた
どうも、姉さんと呼ばれているらしい
っていうか…何やってんだ?
その女性は【神崎華蓮】と言うらしい
どうにも、ヤンキーのアジトを潰したかどうかで『姉さん』と
呼ばれているんだそう
何だそれ…
弁当屋をやっているらしく、住み込みで働かないかと言われた
働くことにしたが…一人暮らしとは
神崎さんに【朝ごはんを作って】言われた
いや、自分で作れよ…
…ふと、母が一番最初に教えてくれた料理を思い出した
それを作ってみよう
【美味しい!!】
そりゃ、よかったです
神埼さんから急に【デートがしたい】と言われた
…『町』の人たちからみたらいつもデートしてるようだって
最近言われたばっかりなんだけどなぁ…
そういえば、『町』の人たちからいいところがあるって
言われたなー
誘ってみるか
…のってくれた
デート当日
ぼーっと、神崎さんはしていた
多分、初めてなんだろうなぁ…
どうにも、神崎さんが知らない所らしい
ついた
『河星原』と言うんだそう
ここから見える星が河のように流れて見えるから、と
【天の川でいいんじゃない】
「それを言っちゃあおしまいでしょう」
思わず笑ってしまった
…神崎さんと出会ってから色々変わったことがあった
少なくはないが…一番変わったのは自分自身だと思う
環境も、人も、何もかもが違う
それに影響されてなのかはわからないけど…
ふと、唐突に
【君の事、好きになった もっと知りたい、君の事】
「…ちょっとずるくないですか?」
【そーかな?順当だと思うよ?】
「…私も好きですよ、華蓮さん」
【ん゛ーーー!!!!君もずるい!】
…本当に変わったと思う
あっ、そういえば同窓会あるんだった
神崎さんに伝え、同窓会へ…
「久しぶりー」
『おっす!久しぶり〜
オメェ変わってねえな〜!』
「まぁ実際そんな久しぶりってわけでもないんだがな」
『まぁな、ま細けぇことはなしだ
パーっとやろうぜ!』
「イエァ!!!」
「あー!うまい、オレンジジュース!」
『未成年だからね僕たち』
「…雰囲気に合わないように感じるんだがな…」
『それ、言っちゃダメなやつ』
「ハッ、確かに」
『そういえば引っ越したんだって?』
「ん?おう」
『どう?一人暮らしは』
「あー…それなんだけどさ
実は一人暮らしじゃねえんだ」
『ホ?』
「住み込みで働いててさー
色々としたいことが崩れたよ」
『んー…何が起こるかわかんないねー
ちなみにさ、どこで働いてんの?』
「弁当屋」
『へー!いいじゃん
でどんな人が働いてんの?』
「女性」
『うん』
「と俺」
『うん?』
「…」
『えっ、女性?
従業員二人?』
「そうだけど?」
『…一つ屋根の下で?』
「言い方ァ…まぁ間違ってはないけど」
『…そんな積極的だったっけ?』
「んなわけねーだろ、あっちの条件だよ」
『…大丈夫なの?』
「現状何もないからセーフ」
『雑だねぇ…』
「あー疲れた…
ちょっと腹減ったなー、帰ったらなんか作るか
神崎さんは…まぁ大丈夫だろ」
大丈夫じゃなかった
ん…あぁ朝か
神崎さん朝弱いからなぁ…
今日も神崎さんは美味しそうにご飯を食べている
この笑顔も見慣れてきたなぁ
…少しくらい正直になってもいいのかな
と言うことで、お互いに名前で呼ぶようになりました
とある朝…
インターホンがなったので見にいってみると
ん?誰かいる…?
朝妃名 烈化と言うらしい…
何と言うか…明るい人だな
どうにも、朝妃名さんは華蓮さんが潰した
ヤンキーの総大将だったんだそう
だから、華蓮さんがあんな反応を…
朝妃名さんがうちにやって来た
華蓮さんが美味しいと言っていたため
食べてみたくなったんだそう
華蓮さんとのんびりしている時…
華蓮さんは異性を好きになるどころか恋すらしなかったという
まぁ、でしょうね、としか…
華蓮さんに手をあけてもらうように頼んでみた
…なかなか、開けない
ならば強引に、やさしく
華蓮さんの手は少し熱かった
それ以上に手が真っ赤になっていた
やっぱ、かわいい
どうも紅です
やはり純愛…!純愛は心が救われる!
久しぶりに長くなりましたね
…流石に疲れた




