第5色 初ダンジョン
ごめんなさい!また遅れました!
松岡透です。
投稿ペースが遅すぎですが、許してください!
というわけで、改めて...
前回のあらすじby 松岡透
前回、取り敢えず王様の薦めで館を手にいれて、更に、冒険者組合でクエストを受けようという話になりました。
今回が初バトル!乞うご期待!
と言うわけで、やって来ました冒険者組合。
前にはたぶん話してなかったと思うけど、この組合には3つの受付があります。
主に冒険者が依頼を受ける「クエスト受付」
とれた素材を売却したり、冒険必需品を購入する「購買受付」
依頼を持ち込んだり、冒険者登録をする「一般受付」
の3つです。
今回私たちは、この内の「クエスト受付」に向かいます。
もちろん、討伐クエストを受けるためです。
因みに、クエストの受け方ですが、
まず、武器や防具には「装備ランク」というものがあります。
いわゆる、装備の性能をランク化したやつです。
私の瑠璃氷花・絶は、ランク45です。
最高ランクが50と考えれば、とても高いですが、コノッチの弓は、ランク49です。凄い。
でも、今までランク50の武器を見たことがありませんが...
閑話休題
で、その「装備ランク」の高さで受けるべきクエストの難易度が変わります。
ここで注意なのが、「装備ランク」が低くても、そのランクより高いクエストを受けても、問題ないということです。
つまり、技 術が高ければ、いくらでも難しいクエストに挑戦してもいいということです。
で、実際にランクが30ぐらい低い武器で、ソロでクリアした猛者もいます。
...因みに、その人のユーザーネームは、「コノッチ」と言うそうです。
「こんにちは、このクエストを受けたいのですが...」
説明している間に、いつの間にか受付にいて、さらにコノッチがクエストを選んでいました。
早いです。
受付のお姉さんは、選ばれたクエストを見て、目を丸くしていました。
「...あの、ランク45のクエストですが、本当によろしいのですか?」
どうやら、このお姉さんはここまでの高難易度クエストを選ぶ人を初めて見たらしいです。
「大丈夫ですよ。慣れてますから。」
「それならいいですが、命の保証はしませんよ?」
そういうお姉さんを見て、私はコノッチにどんなクエストを選んだのか聞いてみました。
「ああ、ここから10Kmぐらいのとこにある洞窟の、ダンジョンボスの討伐証明部位の提出をするクエだよ。確か、ボスの名前は...そうそう、焔竜ヴォルケイノだったはず」
「あ、なら余裕だ」
ヴォルケイノは、地底洞窟種の最難関ダンジョンにすむボスだけど、私たちはよく経験値と、ギルメンの武器強化のために、よくキャンプ狩りをしていました。とにかく堅いのが特徴なんですが、弱点の氷属性にはとことん弱い上に、とても遅くて、攻撃タイミングが読みやすかったので、私一人でも倒せていました。
要するに、強かった思い出はありません。
気付けば、受付のお姉さんが絶句していました。なむ。
・・・・・・
・・・・
・・
で、取り敢えず受付を終えて、国から出ました。
目的地は、「火山洞窟ヴォルケイノ」です。
主に、ダンジョンの名前はダンジョンボスの名前が付いています。
「あ、そうだ、友夏里、《韋駄天》ある?」
「え?確か、あったと思うけど...」
韋駄天とは、正しくは《韋駄天の瞬薬》といい、その名の通り、AGIを1時間大幅に上昇させる、まさに韋駄天になれる薬です。
当然レア度も高く、最高ランクが☆10なのですが、このアイテムは、☆8です。
「使う?」
「うん。 I A O には、スタミナなんてステータスはなかったから、それに関してはたぶん現実の僕たちのスタミナが適用されてると思うから。念のため。2時間も歩き続けるのはさすがに嫌だと思うよ。」
なるほど。因みに、現実の私たちのスタミナは、コノッチはまだしも、私はゼロに等しいです。コノッチは弓道部だけど、私は帰宅部なのです。
「なら、使おうか」
そう言い、冒険者カードを取りだし、起動します。
冒険者カードは、その使い方はスマートフォンよろしくタッチ操作で、RPGによくあるメニュー(アイテムとか、装備とか)を操作して使うのが本来の使い方のようです。この前武器を取り出したときのボイスコールは、いわゆるショートカットというやつで、戦闘のときに使いやすくするためのもののようです。
そして、目的の《韋駄天の瞬薬》を取り出して(正確には、アイテム欄から「使用」のコマンドを入力しようとしたらコマンドが無く、代わりに「実体化」というコマンドがあったのでそれを選択して)、多少戸惑いながらも、一気に飲み干しました。お、これは爽やかなミントのの香りがします。美味しい。
さて、コノッチも自分で取り出して飲んだのを見て、お互い顔を見合わせ、一気に走り出しました。とてつもない爽快感と解放感に身を委ねて、多少の恐怖と風圧とGに驚きつつ、とてつもないスピードで、ふたりは風のように走りました。少しずつ上っていく太陽の、10倍も早く。友は待ってはいませんが。まる。
・・・・・・
・・・・
・・
え、と。20秒で着きました。まだまだ薬の効果があります。
...速すぎ?
(天の声:太陽の十倍も速く走ったらそらそうなるわ。マッハ1.4で走ったのと同じやねんからby 松岡透)
どうやら、本当に太陽の十倍も速く走ったみたいです。
・・・でも、コノッチは?
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・・・・
・・
3分後。
「ゆ、友夏里、は、速すぎる...」
さすがに、遠距離支援が近距離のスピードアタッカーに勝てることはありませんでした。因みに、私とコノッチのAGIには、大きな差があります。ちょうど10倍くらい。
「大丈夫?少し休む?」
「いや、いいよ。...さて、今からこのダンジョンを攻略するわけだけど...無理はするなよ?」
「分かってる」
「じゃあ行こう」
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此処は、「この世界」とは切り離された、だけど、この世界に存在する世界。正確には、「この世界」に入り口がある世界というべきか。
そこに今、1体の異形の魔物らしき影がいた。否、その影は、時間が経つにつれてどんどん増えていく。最終的には8体となった。
(忌まわしき者共がこの地に降り立ったか)
(そのようであります。陛下)
陛下と呼ばれた魔物らしき影は、鼻息を荒くして答えた。
(にして、奴等は今何処にいる?)
(現在確認できたのは4人。その内、2人が行動を共にしている模様。更に、自分達が忌まわしき者共と理解しています)
(成る程。なら、その二人から始末せよ。念のため、コード《破局》を刺客とせよ。)
(了解)
その声と共に、影はひとつ残らず消えていた。
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「とりゃ!」
という気合いと共に、敵の 龍 人...『ロードオブドラゴンナイト』を一閃しました。その攻撃は、確かに体を捉えた。しかし血は出ません。。なぜなら、この世界...というより、IAOの設定で、「この世界の魔物は呪魔で出来ている」
という項目があり、つまり、血液が必要ない体ということです。これのお陰で、よくある「転生先のモンスターと戦うとグロテスクな光景になる」危険を回避しています。
(天の声:本当は、投稿するときにグロ設定があるか聞かれて、無いと答えたあとにこの法則を思い出したので設定変えるのめんどくさいと思ったからということですby 松岡透)
...何か聴いてはいけないことを聞いてしまった気がする。
それは置いといて...
さっきの私の一撃で《ロードオブドラゴンナイト》...日本語に直訳すると龍騎士卿でしょうか?...をノックバックさせて、コノッチ!と叫びました。すぐさま、三連の矢が飛んできます。1つは敵の心臓辺りに、もう2つは、龍種の弱点の二本角に命中しました。角に当たると、一時的にスタンするという特性を生かして、時間稼ぎをしてくれたのです。その隙に、この世界の華...
『アームスキル』のうちの『カタナ専用スキル・十文字』を発動しようとします。
どうやるかというと...恐らくこうだと思った方法で試します。
「『十文字』っ!」
そう、技名発声です。その声と共に、私の太太刀が銀に光輝きます。
成功した、という確信と共に、神速の居合いで敵を十字に切り裂きます。
「グギャアアアア!!?」
敵の断末魔と共に爆散。ゲームと同じようにポリゴンのようなものを撒き散らしながら敵は消滅しました。
「ふう、ってわ!?」
ため息をついたら、いきなり目の前に謎のウィンドウが。どうやら、経験値とお金の獲得を示すリザルト画面のようです。この世界にもあるんだ。レベルとか。...といっても、私の太太刀はすでに最大レベルなので、いくら経験値が積まれようと、もう変化は起きません。
というわけで、『アームスキル』の説明です。
アームスキルとは、武器に個別に設定された、様々な効果を持つスキルのことです。さっきの『十文字』なら、瑠璃氷花・絶の初期スキルで、攻撃用のスキルです。このほかにも、HPの回復をするスキルや、付与効果や阻害効果を与えるスキルもあります。
「お疲れ。というか、この世界でもちゃんと『アームスキル』使えるんだね?」
「うん。これなら、楽勝かな?」
「でも、油断は禁物だよ。友夏里」
「はーい、コノッチ先生!」
「それやめろって...」
というわけで、しばらく特筆すべきことは何も起こらず、ボス部屋に直行しました。そして...
「いたよ!焔龍ヴォルケイノだ!」
「うん!いくよ!」
いつのまにか、私のテンションも上がってる!
しばらくタメでいくから!
Let's fight!
(天の声:次回に続く。by松岡透)
っておい!
何でこんな良いところで次回へ続くなの?!
ちょっと、松岡さん!速く続きかいてください!
友夏里です。
今回、何故か天の声が多かったり、バトルといったわりにはショボかったり、なんかごめんなさい。因みに、途中にあった太陽の十倍も速く走ったやつの計算は、本当にあっているかどうかはわかりませんのでご了承ください...とのことです。
さて、次回こそは焔龍ヴォルケイノが出てくると思います。私達の華麗な活躍をしっかりと目に焼き付けてください!
それでは!
P.S. 途中の戦闘シーンで、某ゲームであっても遊びではないMMORPGを意識したのは秘密です。