第3色 神話
前回のあらすじby 桐谷木葉
えっと、こんにちは。木葉です。
前回は、まさかの幼馴染みと再会したり、
冒険者データが残っていたり、ますますこの世界はイノセントアーマー・オンラインと関係があるように思えてきました。
さて、今回はどうなるでしょうか
「コノハ殿とユッカ殿とは、貴殿らの事か?」
目の前の上官らしき男性が、私たちに話しかけてきます。
「そうだったら、どうなの?」
「我らの王が御呼びだ。ついて来てほしい」
「...どうする?コノッチ?」
「まあ、行くしかないと思うけど...」
コノッチが上官の男に向き直ります。
「なんのようですか?」
「済まないが、我らは何も詳細を聞かされていない。」
「分かった。ゆか...ユッカもいい?」
「いいけど...」
「よし、決まりだな。えっと...失礼ですが、お名前は?」
「済まない、名乗り遅れたな。我は、浮遊国タイタニア近衛師団長のハイドレッド・ボルガと申す。ハイドと呼んでくれ」
「このえ、しだん?」
私の疑問に応えたのは、やっぱりコノッチでした。
「王さまとか、皇帝とかに直接仕えている騎士の精鋭達のことだよ」
「へえ...じゃあ、強いの?」
「うん。僕たち二人じゃ、二、三人倒していい方だよ」
...要するに、話にならないということでしょうか?
「まさか、ご謙遜を。むしろ私達の方が10分持つかどうかです」
うん。結局よくわかんない。これからこの二人を謙遜コンビとでも呼ぼう。
「で...ハイドさん。本題は...」
私がおずおずと言うと、ハイドさんは少しキョトンとすると、申し訳なさそうに頭を掻いた。
「おお、そうだった。済まない。では、今から向かってもよろしいか?」
というわけで、王様に謁見することになった。はっきりいって面倒くさかった。
・・・・・・
・・・・
・・
「ついた。ここがこの浮遊国の王宮だ」
うわぁ、デカイ。それ以外に表現の仕様がなかった。
パッと見、よくあるお城なんだけど、よく見たら少し宙に浮いている。なんという無駄な演出。
それから、迷路のようなお城のなかをあっちいってこっちいっておっこち...
げふんげふん、
目的の部屋についたのは、どうやら応接間のようだった。
「この中で王がお待ちしている。入りたまえ」
促されて、扉に手をかけると、ゆっくりと開けた。
そこにいたのは、一人の、意外に若い人物。
「よく来た。俺の城へ。俺の名は、ロイゼ・タイタニア・シアンだ。君たちが、噂のコノハとユッカか?」
「はい。私がユッカで、彼が...」
「コノハです」
「成る程、確かに神話の通りだ」
「あの...」
王様が相手ということで、もじもじしていると、
「なんだ?貴殿らは王政などない別世界から来た転生者なのだろう。多少の無礼は目をつぶろう。そもそも、この話も、お忍びの様なものだしな」
「あ、はい。ありがとうございます。えっと...神話、とは?」
「ああ、そんなことか。貴殿どのは字が読めるかな?」
「え、ええ。恐らく」
「なら、これを読むといい」
といって、王様は私達に一冊の本を渡してくれました。
タイトルは、『精霊大陸・イノセンスの歴史と神話』
早速読み進めていきます。
どうやら、歴史と神話が織り混ぜられた本のようです。
その中に、気になるひとつの記述を見つけました。
『精霊歴1529年 新たな7人の勇者の誕生と共に、悪が活性化し始める』
「そういえば、今年は何年ですか?」
「...」
王様は、一瞬顔を陰らせると、やがて言いました。
「1529年...つまり、今年の予言だ。」
「「...ッ?!」」
二人同時に息を詰まらせます。
「続き、読んでみろ」
言われた通りに続きを読み始める私たち。
!??
またしても驚いてしまいました。
何故なら、勇者の名前が載っていたのですが、その中に...
『風の守護者 コノハ』
『氷の守護者 ユッカ』
私たち二人の名前が。
そして、最後に書いていたのは、
『この7人は、それぞれ七属性の色を持つ守護者である。そのため、この勇者達のことを
七彩 武装とする』
え、俺もやるのか?
まあいい。
皆のもの。俺はロイゼだ。つまり王様だ。
まさか俺まであとがきを行うとは...
作者も人使いが荒い。
まあ、今回でタイトルである『プリズムアーマーズ』がどういうものか解ったと思うが、この先は、二人の戦いがようやく始まるだろう。恐らく、次の次で、戦闘が始まるのではないかと思う。
これからも刮目してほしい。二人の事に。
何?残り五人は、だと?
それぐらい待てないのか?
では、今回はこれで締め括ろう。
次回も会おう。