第545話.彩芽さんと彼女さん
玄関まで後ろから蒼が着いてくる。
「駅近いから別にいいのに」
「そうはいきませんよ。せめて駅までは送りますんで」
「んー……蒼ちゃん、鏡坂くんのこと少し借りるよ?」
「はい。いざとなったら刻が守ってくれますんで!どんどん頼ってあげてください」
蒼からの後押しもあり、俺と彩芽さんは2人して外に出ることにした。蒼はお留守番。
外は家に帰ってきた時と同じく肌寒い。コートがあってちょうどいいくらいの感覚だ。彩芽さんもパーカーに身を包んでぬくぬくとしている。
「いやぁ、蒼ちゃん可愛かったなぁ。また会いに行ってもいいかい?」
「別にいいですけど、特別何かがあるわけじゃないですよ?毎回もてなせるかと聞かれたらそういう訳でもないし」
「もてなしなんていいよ。蒼ちゃんと会えたらそれで満足だから。それに……」
彩芽さんはスマホを空に掲げながら満足気に笑う。横から見える画面は蒼のLINEのアイコンだ。トーク画面には蒼がよく使用するスタンプが押されている。
「ん〜、何のお話しようか今から楽しみだなぁ」
「蒼と俺との時間までは奪わないでくださいね。スキンシップは大事にしてる方なんで」
「分かってるよ〜。うーん、蒼ちゃんと百合百合デートに行くのもいいなぁ」
「百合百合……?」
「ふへへ〜」
なんだか彩芽さんの新しすぎる顔を見た気がする。気がするというか、現在進行形で目の前で広げられているのか。
「あ、もう駅だ。本当にいい立地のマンションに住んでるんだね」
「まぁ、両方の親が密かに探しに探しまくってましたから」
「認めてくれる親御さんがいるのはいいね」
楽しそうに笑いながら彩芽さんはひらひらと手を振る。
「ここまででいいよ。ありがとうね、送ってくれて」
「いえ、このくらいしか出来ませんから」
「明日も鏡坂くんはバイトだったっけ?」
「はい、そうですよ」
「そっか。明日は私は休みだから、岩本くんのお世話頑張ってね」
「えぇ……」
ありのままのリアクションを取ると、さらに彩芽さんは笑った。そしてそのまま「じゃあね」と言って駅の中に消えていく。姿が見えなくなるまで見送ってから、俺は家に帰った。
第545話終わりましたね。彩芽さんは蒼と2人で女の子デートがしたいみたいですね。男子とは違い、女の子のお出かけって本当にデートデートしてるので楽しそうですよね。
さてと次回は、11日です。お楽しみに!
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