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『見捨てられた聖女は魔導師として世界を救う』  作者: ダッチショック
見捨てられた聖女は魔導師として世界を救う

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第11話:地底への誘いと謎の少女

1. ヴァルターの足跡を追って

青龍の封印を解除した後、リリアンたちは、王国の宮廷魔導師長ヴァルターの残党が隠れているとされる、東方大陸の未踏領域へと進んでいた。ルシウスの膨大な知識と『知識探索』スキルが、彼らの足跡を追う手がかりとなっていた。


「ヴァルターたちは、古代の知識を独占するため、青龍の力を利用しようとした。彼らは、さらなる古代の魔導具を探し、その力を支配しようとしているはずだわ」リリアンは、魔導船の地図に新たなルートを書き込んだ。


「先生、ルシウスの情報によると、この先には古代の地下都市への入り口があるとのことですが……」ガドが、地図を覗き込みながら言った。「地上からは決して見つからない、次元の歪みに隠されていると」


シエルは、周囲の自然の魔力に耳を傾けた。「感じている。この地の魔力は、地底の奥深くへと繋がっている。そして、そこに、世界の常識を超えた、未知の生命の痕跡がある」


2. 崩落と地底への誘い

リリアンたちが、ルシウスの記憶を頼りに特定の地点にたどり着いたその時だった。


突如、大地が激しく揺れ、巨大な地割れが発生した。魔導船はバランスを崩し、船体は地底深くへと落下していく。


「先生! 地脈が暴走しています! このままでは、船体が持ちません!」ガドが叫んだ。


リリアンは、即座に『次元障壁』を展開し、落下による衝撃を和らげた。しかし、彼らが辿り着いた場所は、想像を絶する光景だった。


そこは、地上とは全く異なる、巨大な鍾乳洞が広がる地底世界だった。洞窟の壁面には、未知の植物が青白い光を放ち、天井からは、巨大な結晶が輝きを放っていた。そして、何よりも目を引いたのは、その空間に無数に存在する、古代の巨大な機械仕掛けだった。


「これは……まさか、伝説の『古代地下都市アガルタ』!?」ルシウスが、驚きに目を見開いた。彼の記憶にも、断片的な情報しかなかった場所だ。


その時、リリアンの前に、一人の少女が現れた。


彼女は、銀色の髪に、まるで闇を閉じ込めたような深い黒い瞳を持ち、全身を特殊な金属の装束で覆っていた。その小柄な身体からは、リリアンも感知したことのない、異質な魔力が発せられていた。


『鑑定』が発動する。


名称:クロエ・アンダーグラウンド 種別:地底人(地下都市の守護者) 固有スキル:地脈共鳴、機械制御 状態:外部からの侵入者に警戒


3. 未知の脅威と地底人の警戒

クロエは、リリアンたちを見るや否や、警戒心を露わにした。


「地上人……。なぜ、貴様らがここにいる。この地底都市は、世界の真実を守るための聖域。侵入者は排除する」


クロエは、手にした槍を構えると、周囲の巨大な古代機械が、一斉に起動を開始した。機械の眼が赤く光り、リリアンたちに照準を合わせる。


「待って! 私たちはヴァルターという男たちを追って来たの。彼らが、古代の知識を悪用しようとしている」リリアンは、冷静に説明しようとした。


しかし、クロエは聞く耳を持たない。「ヴァルター? その名は、この地下都市の結界を破ろうとした愚かな地上人か。貴様らも、その仲間だろう!」


機械が、青白い光線を発射しようとする。


「リリアン! この機械の出力は、魔導船を破壊するレベルです!」ガドが叫んだ。


シエルは、即座に防御結界を展開しようとするが、地底の魔力は地上とは異なるため、安定させるのに時間がかかる。


リリアンは、戦闘を避けるために、一つの行動に出た。


4. 信頼の架け橋

リリアンは、一切の防御もせず、クロエの前に一歩踏み出した。


「私は、あなたたち地底人を傷つけるつもりはない。むしろ、世界の真実を共に探りたい」


そして、リリアンは、無詠唱で『古代魔術:地脈活性化ガイア・エナジャイザー』を発動させた。その魔力は、クロエの持つ『地脈共鳴』スキルと共鳴し、地下都市全体の魔力炉が、より安定して活性化する。


クロエは、その魔術に驚愕した。


「この魔術は……! 私たちの都市の魔力炉を、さらに安定させた……!? 地上人が、私たちの技術を理解しているとでも言うのか!」


リリアンは、地底人の言葉を『古代語翻訳』で理解し、淡々と答えた。


「あなたの都市の機械の設計は、地脈のエネルギーを直接利用する古代魔術の応用よ。私は、その設計思想を理解し、最適化できる」


クロエは、リリアンの言葉と、彼女の魔術がもたらした都市の活性化を前に、槍を下ろした。


「……信じられない。地上人でありながら、地底の真の力を理解している。お前は、ヴァルターとは違う」


クロエは、リリアンたちに警戒を解き、都市の奥へと案内することを申し出た。


「ヴァルターは、この地下都市の奥深く、**『深淵のアーカイブ』**と呼ばれる古代の知識の保管庫を目指している。もし、本当に彼らを追っているのなら、私と共に来るがいい。だが、彼らの目的は、地上を滅ぼし、地底人が支配する世界を築くことだ」


リリアンの瞳に、新たな決意が宿った。


「そう。私の旅は、まだ真の幕開けに過ぎなかったのね」


リリアンたちは、地底都市の守護者クロエを新たな仲間として、さらに深淵の知識が眠る地下世界へと足を踏み入れた。彼らの目の前には、ヴァルターとその黒幕が企む、世界の命運を左右する壮大な陰謀が待ち受けている。

第三章の幕開け、第11話をお読みいただきありがとうございます!


ついに来ました、新キャラ「地底人」クロエ! しかも、いきなり地下都市に落っこちるというスリリングな展開!


クロエちゃん、最初は地上人を敵視してたけど、リリアンちゃんの『地脈活性化』というまたまたチートな古代魔術で、都市の魔力炉を安定させちゃいましたね! これにはクロエもびっくり、一発でリリアンちゃんの実力を認めざるを得ません!


これで、「古代魔導師」「妖精王」「天才魔導具師」「記憶の賢者」「地底人」という、とんでもない最強パーティが完成です!


そして、ヴァルターたちの目的が「地上を滅ぼし、地底人が支配する世界を築くこと」だなんて、物語は一気に壮大なスケールになりましたね! 彼らが狙う「深淵のアーカイブ」には、どんな秘密が隠されているのでしょうか?


リリアンちゃんたちの、地底世界での新たな冒険にご期待ください! 続きもお楽しみに!

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