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『見捨てられた聖女は魔導師として世界を救う』  作者: 沼口ちるの
見捨てられた聖女は魔導師として世界を救う

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第12話:ヴァルター残党の真意と、世界の終焉

1. ヴァルター残党の隠れ家

リリアンたちは、地底人クロエの案内で、古代都市アガルタの奥地を進んでいた。地底の空気は冷たく、どこか金属の匂いがする。


「この先が、ヴァルターの残党が潜んでいる場所だ。彼らは、アガルタの中枢にある『深淵のアーカイブ』の門を開こうとしている」クロエが警告した。


ルシウスが、過去の知識を呼び起こしながら言った。「『深淵のアーカイブ』には、世界の始まりと終わりに関する知識が保管されているはずだ。そして、それを守るための最終防衛システムも」


リリアンは冷静だった。「最終防衛システムを起動させないためには、彼らと戦う前に、真意を確かめる必要があるわ」


一行がたどり着いたのは、巨大な結晶が輝く広間。そこに、数名の魔導師たちが、複雑な魔法陣を前に作業していた。その中心にいたのは、ヴァルターの側近として知られた、老齢の女性魔導師エレナだった。


2. 偽りの聖女と真の目的

リリアンたちが姿を現すと、エレナたちはすぐに戦闘態勢に入った。


「来たか、地上人め! そして、裏切り者の地底人クロエ! 我々の神聖な計画を邪魔する気か!」エレナが叫んだ。


「神聖な計画? 四聖獣の力を利用し、古代の知識を独占し、地上を滅ぼすことが神聖だと?」リリアンが冷たく問い返した。


エレナは、嘲笑した。「地上を滅ぼす? それは、愚かな聖女イザベラと、傲慢なアルベルト王子が流した情報だ! 彼らは、私たちが古代魔術の真実を掴む前に、私たちを悪役として排除したかっただけだ!」


リリアンは目を見開いた。


「では、あなたたちの真の目的は?」


エレナは、杖を静かに下ろした。


「我々は、地上の権力争いには興味がない。我々が知ったのは、この世界には『終焉のエンド・タイム』が迫っているという真実だ。地脈が乱れ、四聖獣が暴走したのは、その前兆に過ぎない」


エレナは、広間の巨大な結晶を指差した。「私たちは、この世界の『理』が崩壊し始めていることを知った。ヴァルター様が本当に求めていたのは、世界を救うための古代の修復術式。それを探すために、私たちは『深淵のアーカイブ』の門を開こうとしている!」


3. リリアンへの問い

エレナは、リリアンの持つ魔力を感知し、鋭い視線を向けた。


「お前は、我々の何倍も純粋な古代魔術を使う。まさか、失われた古代の知識を継ぐ者か。お前こそ、かつて宮廷で無能の烙印を押された、偽りの聖女リリアンだろう」


リリアンは、動じずに頷いた。


「そうよ。無能と追放されたリリアンよ。そして、あなたたちの主張を信じる根拠は何?」


エレナは、リリアンに一枚の古文書を投げた。リリアンはそれを空中で掴み、『古代語翻訳』で瞬時に内容を把握する。そこには、数千年前に古代文明が滅亡寸前となった原因と、現在の地脈の状況が驚くほど酷似しているという記述があった。


「我々は、イザベラの治癒魔術が、単なる対症療法でしかないことを知っていた。必要なのは、世界の根源を修復する古代の修復術式だ。その術式が、アーカイブに眠っている。リリアン、お前は、この崩壊をただ見過ごすのか?」


リリアンは、迷いを覚えた。彼女の復讐心は、すでに世界の危機を救う使命へと昇華されていたが、敵だと思っていた残党もまた、世界を救うことを目的としていた。


4. 共通の目的と新たな仲間

ガドが興奮気味に言った。「先生、この古文書の記述は、朱雀の領域で観測された地脈の異常と完全に一致します!」


ルシウスが続けた。「私の記憶にも、世界が終焉に向かう『最終戦争』の断片的な記述があります。彼らの主張は真実かもしれません」


シエルがリリアンに視線を送る。「リリアン、彼らが目指す目的は、私たちと一致している。彼らの動機が何であれ、今はアーカイブの知識が必要です」


リリアンは、エレナたちに向き直った。


「あなたたちの主張を信じましょう。ただし、あなたたちの目的が真実だとしても、その知識を独占することは許さない。世界を救う術式は、誰か一人のものではないわ」


エレナは、リリアンの冷徹な正しさを認め、杖を下ろした。


「分かった。リリアン。我々は、お前の圧倒的な力と知識が、誰よりもアーカイブの知識を扱うにふさわしいと判断する。我々も、その術式を解読する手伝いをしよう」


ここに、リリアン一行に、「世界の終焉を信じる元敵」という、新たな知恵と技術を持つ仲間が加わった。


リリアンは、ヴァルターの残党という予期せぬ仲間を得て、世界の真実が眠る『深淵のアーカイブ』の門を開く準備を整えた。彼らの旅は、ついに世界の命運を賭けた最終局面に突入する。

第12話、お読みいただきありがとうございます!


まさかの展開! ヴァルターの残党が、実は「世界を救うためのガチ勢」だった説が浮上しました! 彼らが地上を滅ぼすという話は、傲慢王子と偽聖女が自分たちの失態を隠すために流したデマだったんですね!


「ざまぁ」の矛先が、まさかの元味方の王族へと向かうという、最高の皮肉!


これでリリアンちゃんのパーティは、「古代魔導師」「妖精王」「天才魔導具師」「記憶の賢者」「地底人」「元敵の知識人」という、もはやチートてんこ盛りの最強メンバーになりました!


そして、彼らが目指すのは、世界の終焉を食い止めるための『深淵のアーカイブ』! 次話は、アーカイブの門を開き、いよいよ世界の真実がリリアンちゃんの前に姿を現すことになります!


リリアンちゃんの復讐の旅は、いつの間にか「世界を救う」という壮大な使命になってしまいましたね! 続きの展開に、ご期待ください!

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