初めてのゲーム
当初、1人で楽しむ為に書いていたのでこの辺の設定回は書くつもりはなかったのですが、そろそろやらないと話が繋がらなくなるので数話我慢頂けると幸いです。
女神の間にて2人の女神が椅子に座ってダラダラしている。
「アリア、退屈だわ。そろそろ、ゲームの口火を切っても良いんじゃないかしら?貴女のお気に入りな
ら、どうせそう簡単に死なないわよ。それに戦力も整ってきたんじゃない?」
女神リヴが机に肘を着いてアンニュイな雰囲気を漂わせながら、アリアに話しかけた。
「それを言うなら貴女の一番の駒なら、その全ての戦力を蹂躙できるのではないかしら。それにウチの戦力って安定性に欠けますしね。」
女神アリアは背筋を伸ばして丁寧に話す。
女神リヴと瓜二つでも雰囲気は対照的だった。
「とはいっても、まだ距離がはなれているんだからまだ本腰入れてゲームは出来ないわよ。でも、こちらも戦力の切り崩しくらいさせてくれても良いのではない?私も10年前みたいに無様に負けたくないわ。それともアリア、攻守交代してしまおうかしら?」
女神リヴは不機嫌そうに女神アリアに不満をぶちまける。
「どちらもイヤと言いたいところですけど、リヴにゲーム台ごとひっくり返すようなマネされても困りますから、今回限り何か手を加えても構いませんよ」
「じゃあ、1人だけ眷族を使うことにするわ。まぁ、こういう切り崩し工作は私の得意とすることかしら。」
女神リヴはニヤリと笑って女神アリアを挑発するような目で見つめるが、
「ウフフフッ‥‥すでに埋伏の毒を送り込まれているのに気づいて居ないと思っているんですか?それは見逃しますが、今回は直接に手の物を送り込むのは無しということでお願いします。」
アリアはニコリと笑ってリヴに釘を刺した。
「わかったわよ。眷族の直接行動もしないわよ。」
そう言ってリヴは姿を消した。
「あーっ、早く始まらないかしら。退屈で死んでしまいそうです。まぁ、退屈凌ぎにリヴのお手並み拝見と行きましょうか?」
そう言いながらアリアは目の前の液晶テレビに下界の様子を映し出した。
画面の中には端正な顔立ちのリーダーが映っていた。
「皆、何か様子がおかしい。すぐに戦闘に入れる体制で頼むよ。」
私はそう言いながら道具に警戒するように促した。
マズイな、おそらく囲まれている。
森の中で見通しが悪いんだが、ベビベビベアーやその他の魔獣が見える。
ここは、近距離攻撃が得意な2人を出すしかないか?
「ヤマト、リョースケ頼むよ。」
私がいつも通り気負わず2人に指示すると、
「わかった。レン、俺に任せとけ」
「ハイハ〜イ」
2人は返事をしながら果敢に前に出て対処してくれた。しかし、、、数が多過ぎる。
ケンタのネットは木が邪魔過ぎて使えないし、カスミもちょっと木を燃やしてしまうかもしれない。
何とか数体を倒したが数が多すぎる。
次第にジリジリと追い込まれていく。
そして、2人が限界に近い。
いつ倒れてもおかしくないくらい全身血だらけだ。
しかし、その時今まで誰も居なかった空間に人が現れた。
あれは?女神?
確か、異世界に最初に来た時に会ったリヴという女神だ。
「女神様、再度お会いできて光栄の至りです。本日はどのような御用向きでしょうか?」
私は片膝をついて首を垂れて女神リヴの言葉を待った。
「いえ、私は女神の使徒です。リヴ様は直接お会いになりません。‥‥ちょっとゆっくり話せませんね。不粋な輩達ですね。エイッ」
使徒が手を振るとあれだけ大勢いた魔獣が全滅した。
「ありがとうございます。そして、お話とは一体どんなことでしょうか?」
「天の啓示を与えます。オツキ村から東へ少し行ったところに祠があります。その祠を破壊して下さい。それで貴方達のスキルはパワーアップしますよ。破壊しないとスキルが使えなくなってしまうかもしれませんね。もぅ、私が伝えることは伝えました。ご苦労様、御機嫌よう。」
そう行って彼女は現れた時と同じように突然いなくなってしまった。
ふぅ、どうしたものか?
まぁ、女神と瓜二つの容姿をしているからにはウソとは考えづらいのだけど。
取り敢えず、ヤマトとリョースケの状態を見て、それに応じて回復薬で対処してから考えても遅くはないか。私のスキルだと、怪我の状況まで読み取れるからこういう時助かるよ。
あれ?‥‥ヤマトとリョースケの怪我の状況が見えない‥‥
迂闊だった。
まさか私のスキルが既に使えなくなっているなんて。人質ならぬ、スキル質か?なんてタチの悪い‥‥
まぁ、落ち込んでは居られないだろう。まずは現状把握だ。『敵を知り己を知れば百戦危うからず』とも言うものな。
尤も、己は知れてもあの使徒を名乗る者のことは何も知ることはできないのだけれども。
頭の中で30発ほど使徒を殴って少し落ち着きを取り戻した後で、今の状況と今後の対策を立てることにした。
「皆、オツキ村の東の祠へ目的地変更だ。」
私は苦々しい想いを噛み締めながら皆に目的地の変更を告げるのだった。




