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初めてのハァハァ

戦闘シーンがいまいちたったので随分変えました。多少読みやすくなったと思うのですが如何ですかね?

頭上にはダンジョンなのに何故か鳥が旋回している。


その下で俺は振り返りざま、ステータス100倍のスピードでチョーヤバい短剣を振るったがトモヤはそれを剣で受け流し、そのまま蹴りを放とうとする。しかし、俺も彼の軸足を払おうとしたので彼は蹴りを放つ直前に後方へ飛んだ。その為、俺の足払いは空振りに終わった。


「動きは素人くさいくせに速さは前と段違いじゃないか?相当レベルアップしたというところか?しかし、実戦経験が不足しているな。それでは俺を殺すことはできないな」

彼はそう言ってニヤリと笑うと、一瞬下段蹴りのフェイントをいれた。そして、俺の注意が下に向いた隙に踏み込んで剣で俺の胸辺りに横薙ぎの一撃を放つ。

しかし、その一撃に手応えがなかった。


「残像だ」

俺は彼の背後からそう呟くと共に彼の腰辺りに横薙ぎの一撃を放った。

しかし、それに気づいた彼はそのまま前へ進んで剣撃を躱そうとした。


手応えあり、、、だけど浅い。俺がそのまま追撃を行う前に彼はそのまま宮下さんに向かって走り始めた。


マズイ、人質にとるつもりか?

だめだ、彼はステータスより何より状況判断が段違いに早すぎる。





「宮下さん、逃げろ。」

俺が叫んだ時には遅かった。

もう、宮下さんがちょうど彼に捕まってしまうところだった。


「‥‥‥我に従え」

しかし、宮下さんが、何か唱えるとトモヤの動きが直前で止まった。

しかし、止まったのは一瞬で、すぐに動きを取り戻したトモヤが頭上から降ってきた攻撃に剣で応戦する。

「甘いっ、こんな攻撃で俺をうわっ、鳥のフンじゃねぇか?」

しかし、それは飛び散り、トモヤの全身にかかった。


これがあのアリアの理想の男、フンも滴るいいオトコなのか?


トモヤが驚いている隙に俺は宮下さんを、掻っ攫って逃げ出していた。





暫く走ってからから抱き上げていた宮下さんを下ろして尋ねた。


「はぁ、はぁ、はぁ、宮下さんの「ピンクですわ」」

‥‥?なんなんだ?俺の発言中に宮下さんがイキナリ会話をかぶせてきた。

何かの暗喩?暗号?


「どうしたんだ?宮下さん、いきなり訳のわからないこと言って?」


「えっ?だって、、、助けてくれたお礼に下衆なことにパンツの色を聞いてきたんですわよね?私も恩知らずではありませんので答えて差し上げたまでですわ。」

と、耳まで真っ赤になりながら答えた。

思わず、宮下さんの下半身辺りに目線を走らせてしまったよ。


‥‥いや、その前に冷静に考えるとね俺は

『ハァ、ハァ、ハァ、宮下さんの履いているパンツの色、何色?』

って聞いたと思われたんだよね?

宮下さんの体調が万全なら自分で歩いてもらおうと思っただけなんだけど、、、


「宮下さん、ごめん。勘違いしてるようだけどただ息が切れてただけだからね。べ、別に宮下さんのパンツになんてこれっぽっちも興味ないんだからね。」

とりあえず、なるべく感情を込めずに否定した。あんまり必死に否定すると図星突かれて必死になってるみたいだしね。

但し、字面だけ見ると完全にツンデレなんだよな。


「‥‥ごめんなさい。そうよね、私、二回も振られてるしね。ほんと疑ってごめんなさい」

宮下さんはそう言って素直に頭を下げた。


うわぁ、なんか後味が悪い、、、

全部宮下さんが悪いみたいな感じだよ。

ココは泥をかぶってあげるのがいいオトコのやることだよな?

間違っても、誰かのようにフンはかぶりたくないけどね。


「いや、まぁ、これっぽっちも興味ないっていうのは言い過ぎた。宮下さんカワイイし興味はあるよ。でも、好き、、かもしれない人がいるから他の女の子にそんな頼み事なんてしないって。」

うん、さりげないフォローだな。

さすが、シンちゃんカッコイー!


あ〜、それにしても女の子と話すのってやっぱり気をつかう。胃に穴が開きそうだ。


「うん、うん、そうよね。私に魅力がないなんてありえないよね。橋本、好きな人にフられたら私が貰ってあげなくもないわ。」

うん、相変わらずの物言いだけど、機嫌はなおってくれたようだ。


そういえば、宮下さんはさっき仲間に裏切られたところなんだから、少し精神が不安定になっていてもおかしくないよな。気遣いが足りなかったか?


「ところで、このまま進む方がいいと思う?

それともトモヤを迎え撃つ?」


俺が質問すると宮下さんは真剣な顔で応えた。


「そんな質問に意味があるのかしら?絶対勝てないのだから、ここは逃げるしかないと思うわ」

うん、彼女は意外と冷静だった。

一見、俺が圧倒的なステータスで押しているように見えるが攻め切れていないし、人質作戦がなかったとしてもこのままでは負けてしまう気がする。


「きっとトモヤもそう思っただろうな?

なら、こちらから攻めることにするよ」

俺はニヤリと笑ってそう言った。

ここは奇襲しかない。


そして、宮下さんはこの場で待機してもらうことにして俺は再度トモヤと対峙することにした。


L字路で待ち伏せする。

帝国の剣がダッシュして駆け抜ける前に俺はチョーヤバい短剣を振り回した。しかし、剣で防がれた。すごい反射神経だ。


‥‥あっさり奇襲失敗だ、どうする?


それにしても、トモヤは近づくとフン臭いんだが、、、ガマン、ガマン


「ツゥ、奇襲とは中々考えたものだな。さすがに予想外だったが、俺の反応速度を見くびっていたな。

一度止めてしまえばあとはどうという事もない。」

そう言って反撃しようとしたトモヤの右肩に突きを食らわせた。もちろん、ステータスにモノを言わせての一撃だったけど、、、


しかし、無情にもチョーヤバい短剣が砕け散った。

マズイ、、、

トモヤの反撃を俺はバックステップで回避を試みるが、彼はそれ以上の突進力で追いすがってくる。


ステータスの差がだいぶあるんだけど、、、

まぁ、実際は100倍のステータスを使いこなせていないからな、実際はそんなに出ていない感覚はあるけどね。

どちらにしても、トモヤが前に戦った時と段違いに強いんだが、、、、もしかして、あの時はイオリの件があったから手心をくわえてくれたの?


こんな死闘中に彼がちょっと優しい性格だとわかってしまった。けど、余計なことを考えてる暇なんてない。


追いつかれるっ、、、そう感じた時、

俺を完全に捉えたトモヤが地面を強く蹴‥れずに、バナナの皮で滑ってしまった。

なんでこんなとこに落ちてるんだよ?


それでも、転ばずに踏ん張ったトモヤの足の頭上からまた何か降ってくる。

思わず剣が出そうになるがトモヤは冷静に右側に跳躍して避けた。案の定鳥のフンだったからだ。


しかし、今度は着地した足が何故か沈んでしまった、、、、隙を生じぬ三段構え‥っていうより三段不運って感じだけど、、、なんだこれ?

彼は俺と戦っているというより不運と戦っている。


「な、なぜ、こんなところに沼が、、、、沼化モンスターなんて滅多にでないだろうが。しょうがない。‥‥くっ、、、、ふぅ〜なんとか逃れたか、、ってウソだろ?また沼化モンスターか?」

沼に剣を突き立て、それを支えに強引に沼を脱出して後方に下がるトモヤ。

しかし、着地した瞬間焦りが広がった。

なにしろ、着地先も沼だったからだ。

まさかの4段構え???


これは、ただ沼になるだけのモンスターで、数時間もすれば元に戻る魔獣だ。沼の範囲も狭く、複数パーティならまず犠牲になることはない。しかし、よりにもよってソロでの戦闘中に複数の沼の魔獣に出会ってしまった。


トモヤはそのまま沼に沈んで行く。

そして、脚が埋まり切って胴体まで来た時に俺はトモヤに手を差し伸べた。


彼はその手を掴み、五分後には沼から引き上げられた。


「‥俺の負けだ。ここで死ぬつもりが思わずお前の手をとってしまった。それにしても運がない。最後に沼系モンスターが複数でるなんてな。いくら修羅場をくぐり抜けても肝心な時にこれでは、、」

トモヤはどこか悲しそうな笑みを浮かべてそう告げた。

運がないっていうか今の俺が運があり過ぎるんだけどな、、100倍に100倍をかけて、元々の運のステータスの一万倍だ。

その影響で対戦相手が不運になるのか?

なかなか恐ろしい効果だな、、、敵に回したくないわ


「ところで、あのお嬢様はどこにいったの?」

俺が疑問を口にする。


「あ〜、屋敷で新しい奴隷をいたぶっているんじゃないか?俺はお前達を殺す任務が終わったら自由になる予定だったんだが、やはりというか完全に騎士達に俺を始末させる気だったんだろうな」

トモヤは特に表情も変えずにそう言った。



「いやいや、そこまでわかっててなんでさっき俺たちと戦おうと思ったの?」

うん、殺されかけた時点で逃げ出せば後は自由だろ?


「いや、楽しくなってしまってな。スペックでは勝る相手をどんな手を使っても倒す。これほど楽しいことは他にはないな。」

トモヤはそう言って笑った。

なんだこいつ?《オラ、ワクワクしてきたぞ》って感じなのか?

完全に脳筋の発想だ。


「いや、思いっきり人質とろうとしていた気がするんだけど、、、」

俺が呆れたように呟くと彼が反論した。



「そういう方法も含めての戦いだろうが。剣術の試合じゃないんだぞ。本来、戦いにルールなんてないんだからな。周りにあるもの全てを使うのは当たり前だ。お前、そんな考えでよく今まで生きてこれたな」

トモヤは最後には呆れが混じった口調でそう言った。


「あぁ。そこは考え方をあらためないとダメってことなのかな?ところで、俺たちと一緒に来ない?とりあえずイズモンに行く予定なんだよ。」

そう言って手を差し出すと、彼はその手をパンッとはたいてからソッポを向いてこう言った。


「考えてあげなくもないな。」

つ、ツンデレか?


オッさんのツンデレとか誰得なんだろうな?

それはともかく頼もしい仲間が一人加わった。


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