初めてのダンジョン
凛回は、またあけて書きます。
「よーし、行くぞ。」
翌日、朝からダンジョンに向かい。
到着したところで、俺にしては珍しく掛け声をかけた。初めてのダンジョンで俺自身昂ぶっているのかもしれないな。
「はい、シンヤ様、頑張りましょう。」
「あぁ、皆気をつけて無傷で帰ろう。」
「どうしたん?いきなり大声出して。じょうちょふあんていなん?」
「シンヤくん、空回りしまくってるけど、恥ずかしくないの?」
イオリ、エリシス、アヤ、コトハさんの順で返事をしてくれるが、転移組の2人はオレに対する扱いが酷い、、、たぶんアヤは悪気もないんだろうけど。
心が折れて前に進めなくなる前に俺はダンジョンに向けて一歩踏み出した。
ダンジョンの前には受け付けの職員が居る。ポニーテールで快活な印象を受ける職員だ。
「料金は銀貨1枚です。あっ、初めてなんですか?ダンジョンはギルドが管理しているので管理費を頂いているんです。初めての駆け出しの冒険者なら4階まではいって戻ってくるのが通例ですよ。頑張って下さいね。」
元気よく、初めての俺に優しく教えてくれて、ちょっと惚れそうになったよ。
俺なんてコンビニでお釣りを貰う時に女性店員に手を添えられるだけで惚れちゃうからね。勿論告白する勇気なんてないけど、、
「じゃあ、職員さんの邪魔をしないように先に行きましょうか?」
コトハさんが後ろを振り返ったかと思うと先へと促す。
あっ、後ろに並んでる人が居たよ。
周りが見えていない俺と違い常識人だよね、コトハさんは。
そしてとうとう初ダンジョン。
やっと異世界の冒険者って感じがするよ。
あれ?割りと明るい。
そして、蜘蛛の巣も張っていないし、綺麗なものだ。もしかして誰かが掃除してるの?
一つ目の角を曲がったところで、ホーンラビット四体が現れた。
「イオリは今回おやすみね。アヤとコトハさんと俺とエリシスが各々一体ずつで行くぞ。」
あれ?ホーンラビットは何もないところで転んだよ、女子かよ。
俺は駆けていき、転んだホーンラビットに一閃。二閃。よしっ、今回は簡単に倒したぞ。
ちょっと卑怯なような気がするけどな。
しかし、手にしていたチョーヤバイ探検は崩れ落ちていく。なんて環境に悪い剣なんだ。
俺が周りを見回すともう仲間はホーンラビットを倒したようでエリシスとアヤはこっちを見ていた。
コトハさんなんて毛先をイジイジしてたよ、暇だったんだろな?
召喚士のコトハさんの場合はガルムを召喚すると後はやることないもんな。
そして、俺の傍には新しいチョーヤバイ短剣を持ったイオリが俺に短剣を差し出すところだった。
イオリは相変わらず世話好きだよな。
さすが一流の奴隷はお世話も超一流ってことか?
イマイチ一流の奴隷が目指している方向性がわからないんだけどね。
そして、あれから2回ホーンラビットと戦い、アッサリ一階が終了。
地下二階へ降りた。
地下二階もあんまり一階と変わらないな。
結構明るいし、やっぱり割と綺麗なフロアだ。
「ところで、イオリはエクリクシス以外は何か魔法を使えるの?」
もしかして洞窟で有効な魔法もあるかもしれないのでそう尋ねた。
「プロクス、パーゴス、アネモスなら使えるの」
ん?全然わからないな。
「ごめん、イオリ、全然わからないよ。説明してくれない?」
「プロクスは炎の魔法、パーゴスは氷の魔法、アネモスは風の魔法だと思うの。」
そうなのか?よくわからないけど。
よく考えると俺が全く魔法が使えないから魔法に関する知識がないよ。しかし、勇者隊のカスミなんて『ファイアー』しか使ってなかったと思うんだよな。
それに、『プロクス』なんだけど『ファイアー』じゃないんだよな?違いが全くわからないよ。
まぁ、考えてもしょうがないかな?
そんなこと考えていたら目の前に野犬が4匹現れた。
「今回は俺とエリシスでやる」
俺はそう言ってエリシスと前に出る。
実はちょうど通路があんまり広くないところに来ていたので、2人で2匹ずつのノルマで迎え討つので十分だった。
出会い頭に野犬に一撃、、、しようと全力で振り下ろしたら剣の刀身が飛んで行って、狙っていなかったもう一匹の野犬の眉間に直撃。野犬が絶命した。
ふぁ〜、ラッキー、、なのか?
武器が剣の柄しかない状況で一瞬呆然とする俺。
その隙を見逃さず野犬が俺に飛びかかる。
「シンヤ様、剣をどうぞ」
しかし、イオリの方を見ると、チョーヤバイ短剣が俺のキャッチしやすい位置に飛んできた。
さすがイオリ。
俺は手を伸ばしてキャッチ、、、出来ず、短剣はそのまま野犬の額に刺さり、野犬が絶命する。
「あ、あ、あ、ありがと、イオリ」
俺は引き攣った笑顔でイオリに感謝する。
それに応えるようにイオリからも引き攣った笑顔が返ってきたよ。目と目で通じ合えたね‥‥
そんなことしているうちにエリシスが野犬を倒した。
俺はドロップ品のゴールデンファングを拾いながら溜息を吐いた。
おかしいな、俺。リーダーの筈なのにやっぱり足を引っ張ってるような気が、、、
こうなったらブルーラットの肝臓の粉という魔獣呼び寄せアイテムを燃やして、魔獣を呼び寄せまくるか?
そして、1人で鍛錬でもしようかしら?
まぁ、魔獣を呼び寄せすぎて販売中止になったらしいけど。
待てよ?そんなことをする必要がないかも。レンも強くないよな?
リーダーってもしかして指示を出すだけでいいんじゃないのか?
オーケストラの指揮者が楽器をひかないのと
同じ原理なのかも。
気付くと大きなホールのような場所に出てきていて、そこに大勢のゴブリンが現れた。
10体以上は居るか?
「イオリはアネモス、アヤは三体は仕留めてくれ、コトハさんはガルム召喚、エリシスは近くに来たゴブリンを抑えてくれ」
俺がそう叫ぶと。
「アネモス」
イオリが風魔法を使用する。
というか小規模の竜巻が10個現れたかと思うと、竜巻に巻き込まれたゴブリンはズタボロになって絶命していった。
イオリが得意なのはエクリクシスだけじゃなかったの?
まぁ、あっさり倒せたのはゴブリンだからかな?
残っているのは4体か?
「ターゲットオン」
アヤが光弾を3つ発射すると3つともゴブリンの頭を貫き、三体を絶命させる。
後、一体か?
あっ?ガルムが最後のゴブリンに飛びかかっていた。
「お見事、さすがガルムだね。エリシスの出番が無かったよ。」
まぁ、楽だったんだけどね。
しかし、ガルムはゴブリンを倒すとコトハさんの前に行き、伏せのような姿勢で頭を差し出している。そして、コトハさんがその頭を撫でると尻尾を左右にパタパタ振っていた。
ガルムさん、犬ですか?
さっきの凶暴な様子とのギャップに萌えたりはしなかったけど、まぁ、コトハさん可愛いし分からんでもないよ。
そして、よく見るとホールみたいなこの部屋の端に冒険者らしき者が居ることに気付いた。
「ちょっと、そこの人達、何してるのん?」
俺が何かする前にアヤが声をかけていたよ。
「あ〜俺たちは《森の子達》というパーティだ。お姉さん、助けてくれてありがとう。」
あっ?俺たちより少し年下らしい三人組のパーティの剣士らしい男の子がアヤに返事をする。
冒険者って粗野な印象があったけどなかなか礼儀正しいな。まだ若いから冒険者に毒されてないだけかもしれないけど。
「あっ、そう言えば君ら、ケガはない?」
コトハさんが彼らに声をかける。
「あっ、実はうちの魔術士がケガをしているんです。良かったら少し治療薬を売ってもらえないですか?」
よく見ると女の子がお腹を押さえている。
「シンヤクン、イオリちゃん借りていいよね?」
コトハさんはそう言うとイオリの手を握ってそのまま彼らの前に連れて行く。
そして、イオリが治癒魔法を使うと女の子は全快したようで少年も、ケガをしていた少女も驚いていた。
なんか「スゲー」とか聞こえるんだが、、、
「うちのイオリは凄いとはおもうけど、そんなに驚くほどのことか?傷を治しただけだろ?」
俺が思ったことをそのまま口に出したのだが、ちょっと間違いだったかもしれない。
「あの?それ本気で言ってますか?」
少しバカにしたようにも聞こえる口調で少年は言う。
「ごめん、わかりやすく説明してくれないか?ウチで普通の魔法を使えるのはイオリ、この娘だけなんだから他の魔法使いを知らないんだよ」
まぁ、勇者隊の彼女が普通なのかも分からないしな。
「えっ?そんなことってあるんですか?まぁ、助けていただきましたし説明します。
あなたが頭を撫でているそのすごくカワイイ女の子ですけども、さっきの風魔法も異常です。あんなウィンドは見たことがないです。その上、攻撃魔法と治癒魔法の両方を使える人なんて見たことないです。しかも、それだけじゃないですよ、、」
「えっ?まだあるの?ウチのイオリが凄いのは知ってたけど褒めすぎじゃない?」
あまりに話が長いので思わず口を挟んでしまったんだよ。
「、、、治癒魔法も普通はこんなに早く、しかもこんなに効果が高い人は知らないですよ。まぁ、そこの召喚術の人も一流の使い手かと思いますけど、ハッキリ言って異常ですよその娘は」
ん、なんか言い方が気に入らない。
本当に怒ったら大人気ないから怒らないけどね。
「まぁ、ウチの自慢の娘だからな、異常は余計だけど凄いだろ?」
取り敢えず自慢にとどめたのだがその後が予想がついていなかったよ。
「シンヤ様の自慢の奴隷です」
そう、イオリが胸を張って言うから、少年達からものすごく白い眼で見られた。
俺がイオリの弱味を握って奴隷にしたと思われたらしく、誤解を解くために1時間に渡りイオリのノロケ話を聞くハメになってしまったよ、、、
いつの間にかブックマークが3桁いってました。
正直、説明不足で読者様にはちょっと読みにくいと思いますし、ドコが面白いかよくわからないのですがありがたいことですよね。




