初めての凛回
私は三井 凛、15歳。本来なら花の女子高生を満喫している年頃なんだよね( ; _ ; )
でも、私が1日の大半を過ごすのがこの病室のベッドの上なんだ。
『そんな生活してて悲しくない?』
と聞かれても正直困ってしまう。
私がこんな生活をしているのはもう10年も前からだし、たぶん死ぬまでこうだと思うの。『これが私の人生』って開き直って言ってしまってもいいくらいだし。
あとね、信じられないかもしれないけど、私はこれでも結構なお嬢様なんだよ。
家は名家と呼ばれる家柄みたいだし。
あれ?話し方がお嬢様っぽくないって?
小さい頃はそう言った話し方もしていたらしいんだけど、実際、ズーッと自分の病室《個室》の中にいたら使う機会もないの。
でも、お嬢様っぽいイメージがある『〜ですわ』なんていう話し方の人はお姉様が通っている学校にも滅多にいないらしいんだけど。
でも、裏を返せば最低1人はいるってことだよね?ほんとうに世界は広いね。
私の世界はほとんどこの病院だけで構成されているっていうのに。
私の1日のスケジュールは朝に朝食、検診、診断があって、昼に投与。そこからは従者のエリ(本名は文乃なのにエリって呼んでってしつこいので最近はそう呼んでいる)に勉強を教わって、夕食を食べて、テレビを観て寝る。
毎日その繰り返しなんだぁ。
うん、私に限って言えば曜日とか暦とか全然 必要ないの。だって毎日の行動がほとんど一緒だから。
勉強は私の希望でしているけど、実際、病気が奇跡的に完治したとして、普通に学校生活が出来るとはとても思えないんだけどね。
友達とはなに話せばいいんだろ?
え〜と、男の子の話?
それともファッション?
それとも習いごとの話だったら困るよ、私、全然習いごとしてないし。
お姉様なんて、生け花も日舞も茶道もピアノもバイオリンも、あと乗馬もしてるのに、、、
今の話で気付いた方は私と同類かもしれないね。そう私は恋人どころか友達もいないの。100人とは言わず1人でいいから友達できないかな?エリさんとは30も離れてるしさすがに友達とは言えないよね?
そう、雇用関係と家族を除けば私はぼっち歴10年以上の立派なベテランなんだよ。
窓からは通学中の学生がキャッキャッと騒いでいるのが見える、、なんてことがないように病室の配置にまで気を使ってもらっているのも知ってるし、病室も個室でかなり待遇の良い部屋にしてもらっているのはすごく有り難いのだけど、私はやっぱり外にでたいよ。
一生このままなのかな?
でも、、、しょうがないよね。
そう思いながら四角い窓から空を見上げると、、、、隕石?がこちらに近づいているのが見えた。
ここはどこなの?
ベッドに横になっているということはやっぱり病室なの?
あっ、そう言えば隕石は?
そう思い、空を見上げても、、知らない天井みたい。
どうしよう?どうしよう?
「エリさん。」
私はエリさんを呼んでみたけど代わりに現れたのはすごく美人のお姉さんだったよ。
ヒラヒラしたドレスのようなものを着ていて、それがすごく似合っていて本当に羨ましいよ。私なんて年がら年中パジャマなのに。
それに私の漆黒の髪と違い、アクアブルーの髪がホントに綺麗。
「はじめまして、私は女神アリア。あなたは死にかけたんだけどわかる?」
美女に話しかけられたけど、私は固まってしまう。知らない人に話しかけられたのって、
いつ以来だったかな?
喉になにか詰まっているかのように私の喉からは全く言葉が出てくれなかった。
「あれ?死にかけたショックで心が壊れちゃったのかしら?うーん、取り敢えずベッドごと燃やしてしまおうかしら。」
そう言う美女の手にはいつの間にか火が出ている。
すごいよ、マジックショーなんて初めて見たよ。私は思わず拍手してしまった。
「心、壊れて無いじゃない?もしかして声が出せないのでしょうか?」
アリアさんがそう言うので私は頷いた。
「あなたが、落としたのはこの金のスマホですか?それとも銀のスマホでしょうか?」
アリアさんがそう問いかけるので私は首を左右に振ったよ。
すると、アリアさんがスマホをくれた。
あれ?この人良い人だ。
『はじめまして( ^ω^ )アリアさん。こんな美人でステキな人初めて見たよ。ところで、ここは天国なの?地獄なの?』
ここに来たことはないと思うし、何か現実感のない場所に感じられたからそう尋ねたよ。
もちろん、スマホのメッセージ機能でだよ。
「いえ、ここは女神の間ですよ。あなたは元の世界には戻れませんが一つ特別な力を貰える可能性を手に入れました。何か欲しい能力とかあります?」
「誰より強い身体が欲しいです」
私はこの時ばかりはメッセージ機能を使わずに、思わず叫び出していた。
うん、私はほんとは身体が弱くて何も出来ないことを『しょうがない』なんて言葉で誤魔化すことはできなかったんだ。
「えっ?そんな大きな声がだせたんですね。ですが、それは無理と考えて頂いてもいいかもしれませんね。いえ、実は無理ではないんですけどかなり制約を受けてしまいますよ。薬で例えればよく効くけど副作用があるようなイメージだと思ってください。それでもいいなら願いを叶えますよ」
私は制約の内容を聞く前に、またも声を発していた。
「制約を受けますから強くしてください。」
「わかりました。はいっ、強くなりましたよ。よかったですね。」
アリアが手をかざすとすぐに儀式が終わったようだった。
全然実感がわかなかったんだけど、、ホントに大丈夫なのかな?
私はベッドから起き上がりそのままベッドから出ようと身体に力を込めた。
えっ?
私はベッドの上を飛び上がっていたけど、、、人間の跳躍力じゃないよ。
5メーターくらいは飛び上がっていたんだよ*\(^o^)/*
でも、これ着地したら痛いんじゃないかな?
そう思って着地の衝撃に泣きそうになっていたんだけど、特に痛さを感じなかったの。
「すごいでしょ?なんたって、最強ですから。但し、制約として、誰かがチートとして最強の嫁をご所望の場合はその人の嫁にならないといけないんだけどね。しかも、これは断れませんよ。あっ、今不安そうな顔しました?
心配しなくても、仮にそれを望んだ人がいたとしても手に入る確率は3パーセント以下になってるし、失敗したら死ぬ設定だからそもそも挑戦する人はほとんど居ないはずよ。心配しなくても大丈夫よ。ちなみに手の甲にできた紋様が力の源だから、腕を切られたりなんてしないようにね
っ、次の人が来たみたい。またくるから待っててね。」
女神は一気に説明を話したと思うと何処かへ行ってしまった。
う〜ん、暇なの。
何かよくわからないけど私の身体は強くなったみたい。紋様ってこの左の手の甲にある双剣の紋様だよね?
転移ってもう元の場所に戻れないのかな?
お父様、お母様、お姉様に悲しい思いをさせてしまうのかな?
これからどうなるのかな?
頭の中には?ばかりが思い浮かぶけどそれに答えてくれる人はこの場にはだれもいなかったから不安になってきたよ。
うん、もうちょっと前向きに考えた方がいいよね。
新しい世界で友達100人つくっちゃうとか恋人が出来ることとかあるかもしれないし。
でも、そもそも私って可愛いのかな?
両親やエリさんはことあるごとに可愛いって言ってくれたけど、身内なら可愛いとかほめてくれるのは当たり前だよね。
そんなこと考えてるとアリアさんが戻ってきた。
「‥ごめんなさい、早速、最強の嫁を望んだ人がいて、獲得チャンスも成功してしまったの。あなたはその人の嫁になることが決まってしまいました。」
アリアさんが頭を下げてそう言ったよ。
嘘?
私は生まれて1度も恋をすることもない内に旦那様が出来てしまった。
断ることは出来ないので、私はせめて旦那様が良い人であることを祈ったよ。
そして、とうとうその時が来た。
急に私の居る場所が変わった。
目の前に男の人が居るよ。
同い年くらいかな?
私をジーッと見たと思ったら、アリアさんと仲が良さそうに話している。
そして、アリアさんも満更でもないように見えるよ。
あれ?私の旦那様なんだよね?
アリアさんに謝っていた時の声は低くて結構好きかも。
そして、気がつくと彼が私をまっすぐ見つめて口を開いた。
「はじめまして、シンヤって言います。これからよろしくな。」
言いながら彼は右手を差し出したんだけど、、、どうすれば良いのかな?
とにかく話さなきゃ、話さなきゃ、そうやって急いでバッグからスマホを取り出してメッセージを打つ。
あれ?宛先に『旦那様』って自動で出てきたよ。アリアさんが設定してくれたのかな?
アリアさんの方を見たらウインクしてくれたから、やっぱりそうだったんだね。
なんて打とうかな?
う〜ん、自己紹介と挨拶かな?
『はじめまして、凛っていいます。ふつつかものですけど、これからよろしくね☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆』
うん、これでイイネとかもらえるかな?
どうせなら少しでもよく見られたいよね。
あれ?さっき、もしかして、私と手を繋ごうとして手を差し出してたのかな?
今から手を出したら変な娘と思われるかな?
メッセージにどんな返信してくれるかな?
ドキドキ( ^ω^ )
つづく ( ´ ▽ ` )ノ




