初めてのストーカー
なんでもいいので
感想くれると嬉しいです。
ササ村が間近に見えてきた。
家の数からみて100名位の村のようで、やけにこじんまりとしていた。
そして、俺たちが村の入口にさしかかると幼女が駆け寄ってきた。と思ったらそのまま飛び込んで俺の鳩尾に頭突きをかましてきた。
いったぁ〜、メチャクチャ痛いんだけど‥‥
思わず涙目になったけど、取り敢えず我慢した。
幼女にマジギレとかちょっとアレな大人にはなりたくはないしな、、
「シンヤ様大丈夫ですか?と思うの。」
それに、イオリが心配してすぐに回復魔法をかけてくれたので、とくに痛みも尾をひくことはなかった。
何時でもどこでも俺を甘やかしてくれるイオリは相変わらず天使だ。そのうち女神に成長してリヴみたいになったらちょっと泣けてくるけど、、、、
「過保護やなぁ、イオリんは。そんなんツバ付けとけば直ると思うねんけど」
アヤは相変わらずメチャクチャなこと言っていた。
「すみません、旅のお方。本当に大丈夫ですか?」
続いて母親らしき人が青い顔をして駆けてきた。
どうやらモンスターペアレンツではなかったみたいで、俺に深々と頭を下げた。
「大丈夫やで。元気な女の子やなぁ、ほーら‥グルグルグルグル〜」
しかし、なぜか俺のケガの具合をアヤが答えつつ、女の子を抱き抱えてクルクル回っていた。女の子もキャキャ言って喜んでしまっていた。
アヤは相変わらず子供に好かれる体質なんだよな。
うーん、なんとなく釈然としない、、やられ損か?
しかし、母親はどうやら村長の娘だったようで、そのまま村長がお詫びも兼ねて空き家を無償で貸してくれることとなったよ。
お陰で、俺たちはそこで夜を明かすことが出来た。
しかし、四人で一部屋か?
女の子3人と寝るなんてなかなかドキドキのシチュエーションだな。
眠れる自信がないんだけど、、、
そう考えた時に電話が震えた。
表示を見ると《あなたの女神アリア》と表示されていた。
俺は皆んなに散歩に行ってくる旨伝えて素早く外に出ると電話をとった。
「もしもし、あなたの女神アリアです。なんで電話くれなかったんですか?そういえばノリン病の娘は大丈夫でした?」
アリアは相変わらず慈愛に満ちた口調だったが、『なんで電話くれなかったんですか?』あたりは子供のように口を尖らせて拗ねているのが想像つくような口調に変わっていた。
「いや、色々忙しくて。イオリはお陰さまで治ったよ、心配かけてゴメンな。
あともう一つ教えて欲しいんだけど、俺以外の転生者についておしえてくれないか?」
そう言うこともあり、アリアのご機嫌をとりつつ、情報収集に勤しむことにした。
「うーん‥そうですね。ホントはあんまり教えちゃいけないんですけどね、シンヤさんだから特別ですよ。
ここ最近来たのはあなたの学校のクラスメイトと1クラス分と、それより数歳下の女の子1人くらいでしょうか。後、10年くらい前にも転生者が一気にそちらに行きましたね。
あれは確か大学のゼミメンバーだったような。しかし、そっちは現在も生き残っているのは10に満たない数となってしまいました。」
ん?思ったより少ないな。
「ありがとうな、アリア。いつも悪いな。そういえばチートスキルの調子が悪いんだが俺の使い方が悪いのかな?」
「チートスキル?ラックゾーンですか?」
「いやいや、そっちじゃなくてダーツ召喚の方だよ」
あっ、やっぱり女神は後からとったスキルも当然のように把握しているのか?
「えっ?それは最初のダーツで低い確率を引き当てたから貰えた記念スキルなんですけど、、、いわばオマケ的な感じですから。」
「えっ?そうなの?どうも使い勝手が悪いような気がしてたんだけど、そういうことだったのか?」
そう言えばダーツ召喚について、大して説明を受けた記憶がないもんな。
「多用してたんですか?リスクもあるタイプなのであくまでも最終手段だと思ってくださいね。」
「そういうことは最初に言って貰えると嬉しいんだけどなぁ」
いくらなんでも説明不足だろこの女神様は。
知ってれば、全裸でオトコに告白するハメになることもなかった筈なのに‥‥
「あっ、言わなくても伝わるかとおもってました。」(愛の力で。)
何故かアリアの言葉にやたらと力がこもっていた。
「ところで、俺のチートって結局なんなの?」
「凛さんですよ。忘れてましたか?」
あ、そうだったわ。
「あー、そうだよな。しっかし、ちよっと疑問なんだけど凛ってちゃんとした現代の日本人だったんだろ?なんでチートの景品なんかにされてるんだ?」
「それは彼女が歴史上最悪の大量虐殺者で、罪を軽くする代わりにシンヤさんのヨメに‥‥そんな涙目にならないで下さいね、冗談ですから」
チクショー、テレビ電話にしてないのになんでわかるんだ?
それはさておき大体用事はすんだからそろそろ終わりにするか?
「アリア、そろそろねるからまた明日な。おやすみ」
電話を切るときに気になることを思い出した。
そう言えば凛から連絡が来ない‥‥なぜだ?おかしいぞ、嫁なのに。
なにか手掛かりがないだろうか?
手掛かりを求めて、一応メッセージ履歴をチェック‥‥何だこれ???ウソ‥‥だろ?
‥‥俺、こんなメッセージを打ったのか?もしかして俺って二重人格‥‥じゃないよなぁ‥‥ちょっと薄っすら思い出してきたし‥‥
‥‥ヤバイ、、、
既に凛に愛想尽かされちゃった?
とにかくメッセージを送ってなんとか挽回するんだ。俺の隠されたメッセージスキルよ〜、覚醒しろっ!
「拝啓 最近めっきり暖かくなりましたね。
最近炭酸飲料がどうしても飲みたくなって仲間の風魔法で作ってもらおうとおもったけど、どうやら二酸化炭素っていうものが仲間は理解できないみたいで‥‥」
ダメだ、話しが脱線しすぎて本題に入る前に読むのやめられそうだ。
取り敢えず全部消そう。
やはり、最初はオーソドックスにお詫びから入ろう。
「凛、昨日はすまなかった。あの時、地球外生命体による精神汚染がイキナリ始まったから焦ったよ。しかしご心配召されるな、二度とあんなことがないように地球外生命体はキッチリ退治したからな‥‥」
ダメだ。こんな言い訳信じる奴はアリア位しか居ない。
取り敢えずやり直しだ。
「凛、昨日は本当にゴメンな。全く寝てなくて変なテンションでメッセージを書いてしまったよ。俺も今読み返したけど凛が戸惑うのも無理はないと思うわ。書いた本人が一番驚いてるし。
もう普通になって冒険を続けてるけど凛は元気にしてるか?」
うんうん。やっぱり自分の偽らざる本心を書いた方がいいな。送信。
『‥‥ほんものの旦那様だね。そうなんだ?寝てないってどうしたの?悩みごとでもあるの?』
すぐに返信が返って来た。いや、一応前のもホンモノなんだけどな。
「別にそんなことはないよ。ちょっと戦闘が長引いて一晩中戦ってたんだ。それより凛は悩みとかない?」
『スカイツ王国の王子が最近ズッーっとストーキングしてくるの(/ _ ; )』
「えっ?王子は婚姻でも申し込むつもりだったり?」
『うん、求婚されたよ。《ダメ、ムリ、ゴメンなさい》って書いた紙を見せたよ』
結構容赦の無いフリ方だな。
普通は 『私、好きな人がいるの。』とかその辺じゃないのか?
ただし、その答え方だと『もしかして、俺のことか?』と超ポジティブに捉えてしまう猛者も居るからな、要注意だ!
「おっ、紙作戦が成功してるなぁ。あと、他に?どんなこと書いた紙があるんだ?」
『《これ?おいくらですか?》
《宿に泊まりたいんですけど一泊おいくらですか?》
《今日のオススメランチ教えて
*・゜゜・*:.。.*・'(*゜▽゜*)'・・゜゜・*》
《でりしゃ〜す( ^ω^ )》
《おかわりくださ〜い( ´ ▽ ` )ノ》
《子ネコちゃ〜ん、こっちおいでぇ(^_^)》
とかかなぁ?』
‥‥たぶん、ネコにその紙見せても凛の側には寄って来ないとおもうぞ‥‥
いや、それとも若い女の子を『子猫ちゃん』って呼んでるのか?どこのイケメンだよ。
「基本はその紙で会話してるの?」
『そだよ。求婚も何回も断ってるんだけど。全然諦めてくれないの( ; _ ; )』
完全にストーカーだな。
何か手を打たないとエスカレートするかもしれないよな?とはいえ、有効な策が思いつかないな、困った。
「それ?間に誰かに入ってもらったら?とはいえギルドマスターでも権力に負けるかもしれないな。もしくは最強のチカラでおどしちゃうとか?なんてな」
『うんありがと、早速試してみるね( ^ω^ )』
「えっ?ちょっと待って‥冗談だから」
あれ?間に受けちゃった???
結局、それから返事は返ってこなかった。
数日後、凛からメッセージがあった。
『旦那様の言う通りにしたら、他の悩み事もいっぺんに解決したよ。旦那様ってもしかして天才なの?』
って返って来たんだが、凛は一体何をしたんだよ?
怖くて俺はとても聞けなかった。




