第一章 「幽霊嫌いのおとこのこ?」
ちょっと短いですけど続編というかようやく始まりもどきです。
ちなみに星の魔女はしばらく出てきません。ごめんなさい。
しまった……またやってしまった……。
「ちょっともうなにやってんのさ~……。こんなんで働けると思ってるのかい!?」
「ご、ごめんなさい……。」
厨房の雑用係だから、どんなにドジを踏んでも大丈夫だと思ってた。転んでも料理をぶちまけて痛い思いをするだけ……まぁちょっと殴られたりはするとは思ってたけど、まさかこんなミスをするとは……。
「あんたがドジっこなのはもうほかの店から聞いている。バンデから聞いたよ、配膳頼んだら客の目の前でコケて色んな意味で客を真っ赤っかにしたとかね。私はそれもちゃんと聞いて、ドジしやすいのも踏まえて雇っている。だから多少のミスには目をつむろうと思ってたよ。でも……」
ああ、またこうなってしまうのか。また出ていけって言われるんだろうな……。
本当に、死んだほうがましなのかもしれない。いっそ誰かの奴隷にでもなって、魔物との戦闘の肉壁にでも……。
「きいてるかい! おい! きいてんのかい!?」
「すっ、すみませんすみません! もうここからは出ていきますので! ご、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「はぁ~……もう、やっぱり何も聞いてないのね。あんたがまじめにやっているのは見てた。だから失敗……あー失敗っている度合いじゃないけど、してしまったことはしょうがない。あんたの事情だって分かってる。だから今回のことは水に流す。」
「え……?」
「ただし! 二度と同じミスはしないこと! も~……ほんとにこの子生きていけるのかしら……。」
ゆる……された……? だって、ボクは使えない、要らない子で……。
「もう、そんな顔しないの。人間誰しも失敗ぐらいあるんだから……。はぁ……だいたいわかったわ、あなたがどんなこと言われてたか。いいかいこの街はね、そんな、女神さまの寵愛がなかったりすさまじいドジっ子であることぐらいで見捨てる様な町じゃないんだよ。」
だって……だってボクは……クズだゴミだって……ずっと……
「ここでなら、あんたはなんにでもなれる。そうでしょ? だから、ほら……泣かないでおくれ。」
生まれて初めてかけられた温かい言葉に、ようやく……心のダムが決壊した。
「……ぅ、ぅあぁぁあん!!!」
---✧✧✧---
「泣き止んだかい。」
「ご、ごめんなさい……。」
久しぶりに大泣きを、しかもジェランヌおばさんに抱き着いて泣いてしまった……。
は、恥ずかしいぃ……。
「まったくもう……。そんなおまえさんに一つ教えてやる。そうゆうときはな、ごめんなさい、じゃなくて、ありがとうっていうんだ。」
そんなこと、考えたことなかった。そっか、ごめんなさいって言わなくてもいいんだ……。
「あ、ありがとう……」
「そうだ、ありがとう、だ。」
「あ、ありがとう…ございます……」
ちょっと照れ臭いけど……すこし、ボクのなりたいボクに……なれた気がする。
「ふふ、それでいい。ああそうだ、今日はこの後、裏庭で洗濯してもらいたい。あー…暇そうにしてたあいつらに頼んでお前を見てもらおうと思ってたんだが……大丈夫かい? あいつらは馬鹿な男どもだが、誠実ではある……が、うーん……。まぁ怖かったら私が一緒に行くが、どうする?」
ぬぬ……うーん本当はちょっと怖いけど、ジェランヌおばさんに迷惑はかけたくないな……。
まぁ、きっと何とかなる。
「だ、大丈夫、です。」
「……ふふ、そうかい。いいかい、つらいことあったらちゃんと言うんだよ。」
つらいこと……でも、ボクが我慢すれば済むことだから……痛いのもそれ以外も、ボクは慣れてる。
でもここは心配かけたくないからうなずいとこう。ボクが、我慢すればいいだけ。
「……はい!」
「もう……お前さん、迷惑かけたくないから黙っとこう、とか思ってるだろ。」
「……い、いいいぃえぇ…?」
なぜばれた……
「はぁ……いいかい、ここまで来たらもうあんたはうちの子同然よ。だから、ちゃんとわたしのこと頼って頂戴。いいかい、リディ。」
そう言ってジェランヌおばさんは私、いや、ボクを抱きしめた。
はじめて誰かに名前を呼んでもらった気がした。
「でも、こ、こんなボクみたいなゴミを……」
「ゴミじゃない、あんたはゴミなんかじゃないよ……。きっと見つけられるはずさ。おまえさんの輝ける何かが……。」
そうしてしばらくの間、本当の家族という温かさを胸に感じた。
顔がまたぐしゃぐしゃになったボクは、すこしだけ、ボクを肯定できそうな気がした。
ついでに言うとプロットのようなものはあるものの、書ききれるかどうか不明です。
ただ、魔王的なのを倒すとこまでは絶対書ききるつもりでかいてます。
わしがんばる。




