#11 功労者なのでもっとちやほやして下さい
どうぞー
永禄十二年(1569)十二月三日
「こ、こわ――っ」
朝五つの鐘と共に激突した両軍勢。趨勢は一寸を待たずして決していた。
文句の余地なく菊亭の圧勝であった。とくに菊亭の誇る侍所扶の槍働きは凄まじく、その扶と背を預け合った高虎とのツーマンセル突撃は言語を絶した。
果たして天彦を筆頭とした文官諸太夫たち身内をして、思わず声を失ってしまうほどの苛烈さであった。
与六と高虎は伊予での試練を乗り越え一皮剥けたのだろう。
それは十分に伝わった。普通に考えれば戦国室町。頼もしいに決まっていた。……だが。
「与六」
天彦の感情はひとつも嬉し味に傾かない。
それどころか。
「殿……!」
「っ――、殿」
佐吉と是知がたまらず駆け寄り気遣いを見せるほど、天彦は食らっていた。
零れた落ちた涙が、じっと歯を食いしばって凝視する小さな掌に落ちていく。
涙を包み込むように握り込んだ拳は、明らかに震えていた。まるで自分の揺れる心を映し出す鏡のように。
本心を偽った関係は厭だ。それが我儘でガキっぽいことは百も承知した上で。
でも厭だ。イヤなのだ。そこだけは譲れない。如何に相手が与六であろうとも、である、
あるいは打算で一度譲ったとしよう。するとその打算あるいは妥協は確実に天彦を殺しにくる。その確信があった。流されやすい性格を自覚しているだけに、鉄板で。
そしてその死はデコデコにデコったコロスではなくリアルの確キルとして顕現し、天彦を殺すのだ。メンタル・フィジカルの両面から。故に検討する余地などない愚問である。
それが劣等感に縛られても何とかどうにか顔を上げて生きていける、唯一にして絶対の経験則だから。誰に何と言われようとも。
こうして一生奇麗ごとキャンペーンを張っていたいだけマンに突如として降りかかってきた災害級の災難は初手から随分と厳しい現実を突き付けてきた。
ともかく温く生きていきたい。それが辛く厳しい道であっても。局面が渋いほど笑っていたい。まぢになると勝っても負けた気がするから。
この世のすべては唯一無二。だがレアリティは確かに存在する。それを人が価値と呼ぶ以上は必ず。
そんな選ばれし人はいい。陽の当たる王道を燦然と行ってくれれば。
だが自己肯定感低低系男子である天彦にそんな特別感は一個もない。必要とも思っていない。むろん苦し紛れの強がりとして。
つまりこれは戦国ガチ勢がエンジョイ勢にマウントを取りに仕掛けてきた。という認識でいいのだろうか。
天彦は数舜思案して、
「ふーん。――切ないほどに締め付けてくるやん」
答えは出さず仕舞いで、結局気づけば泣き止んでいて、視線も前に。戦場を凛とした眼差しで見据えていた。
機を見て敏。すると天彦の周囲から一切の雑音が消え失せていく。
周囲に侍る諸太夫が天彦の変化に感づいた兆しであった。
誰もが息を飲んで主君の動向を窺がう中、
「樋口――ッ!」
持ち前のよく通る声が戦場を木霊する。
だが常の声と何かが違った。張りも明瞭さも抑揚も何もかも同じなのに。
質。
違うのは声の質感。
それはきっと本心は誰にも見せずひっそりと胸に仕舞い込む系男子の、人生で初めて吐露した瞬間ではなかっただろうか。
すると戦闘が一瞬にして収まった。
すると名指しで呼ばれた者はもちろん、そうでない者まですべてが振り向き、あろうことか戦場に背を向けてしまっていた。
だが敵勢の反撃は見られない。そういうこと。すでに破戒僧集団の戦意は根こそぎ消失されていて、事実上の掃討戦に移行していたのであった。
この追い打ちでさえ天彦の意向は完全に無視されている。
天彦は常にも増して感情の希薄な双眸でレンタルポニーの腹を蹴った。
そしてか細い声で、
「身共につづくん」
ぽつり、沈痛な言葉を残し戦場に馳せるのだった。
◇
天彦の意図が正しく徹底されていたならば、絶対に無いはずの無数の遺骸が討ち捨てられる戦場は、凄惨の一言に尽きる惨状を露わにする。
だが反面、これが、これこそが天彦のオーダーに応えた与六や高虎や射干党の将兵たちが伊予で見てきた光景かと思うと、……天彦に言葉はない。
言葉がないことが答えとして、鞍上の天彦は自身に膝を屈する六十有余名の青侍衆を一瞥し、……視線を虚空に一旦預けてゆっくりとした動作で空を見上げる。
ただの寒空が広がっていた。どんよりとした。
そして意を決して、あるいは決した風に、
「樋口」
「はっ」
「身共の意向は承知しているとお思いさんやが、違たんか」
「いいえ。はい。某は殿のご存念を理解した上で、敵勢の排除を決断、家来にその旨を命じましてござる」
「なんでや」
「なぜ。異なことを仰せられる。菊亭に仇なす者、須らく掃討することはこの大菊亭家侍所扶を仰せつかりました樋口大膳亮与六兼続の、唯一にして絶対の是にございますれば、一縷の惑いもございませぬぞ」
樋口兼続――ッ!
天彦の激怒の声が戦場に鳴り響いた。
すると面を上げていた家来たちは咄嗟に目を伏せ更に深く首を垂れた。
天彦は気づいた。気づいてしまった。
これが与六だけの考えではないことを。たしかに与六の元々の気性であり性分だったのだろう。それは理解の及ぶ範疇である。
だがそれらは発端にすぎない。与六を突き動かす根っこにあるのは誰かさんの唆し。あるいは脅迫めいた入れ知恵的厳守命令なのだろうと。
実益、なにしてくれとんねん。
うちの与六に何を吹き込んでくれとんねん。
冷めるわぁ、お前。
ちょっとぐらい待っとれよ。好きなんはわかったから。
…………、
………、
……、
「最大戦力送ってるやん。嫌いになってもええさんなん?」
西園寺家の俊英が仕掛けてきた。この戦乱の世に天彦の菊亭家を巻き込もうとあの手この手で策を弄し始めたのだ。巻き込む気を満満ムンムンに隠そうともせずに。
子龍、儂から逃れられると思うとるんか。舐めるなよ、西園寺を。
きっとこんな感情で。
はぁ、じんおわ。天彦はうんざりよりも更に濃いうんざり感に苛まれる。
そもそも論、あいつと親友になったのが運の尽きか。
今更ながら刻を巻き戻したい衝動に駆られてしまう。だがとりま解決すべき問題は目の前にある。
「樋口」
「与六とは呼んでくださいませぬのか」
「甘えるな。この菊亭、反逆者に馴れる心算はないさんや」
「ならば死を御申しつけくださればよろしかろう。甘えているのは果たしていずこにござろうか」
「なにを」
「我樋口与六兼続。反逆者呼ばわりをされて諾々と首を垂れる腹は持ち得ぬ! なれば如何な殿様の言とは申せ、看過できぬと御理解召されい。何、簡単なこと、そうまで忠誠をお疑いなら、一言死ねと申されればよろしいではござらぬか。今この場で堂々と腹を召してご覧に入れる。如何!」
如何、如何、如何、如何――!
もう家の家来こればっかし。
与六の激情に感化されたらしい家来たちが賛同の意を表明し、つぎつぎに切腹の支度を始めてしまう。流行らすな、こんな物騒なもん。
すると遂にやがて漏れなく全員、戦場の徒花となるべくたちまち白の腹帯姿に成り果てて、戦場を切腹の下知を待つだけマン侍だらけにしてしまった。
「阿保やろ、アホやん」
こんな反逆は厭だ。反逆され史上、一番みっともない反逆のされ方ではないだろうか。天彦は再度猛烈に時計の針を巻き戻したい衝動に駆られていた。
はぁ……、しんど。
もはや白旗を上げたのも同然の感情でこの家来どもの行動に菊亭ミームと名付けた天彦は、雨音にさえ怯えていたこれまでとの確かな決別を覚悟した。
キッズのままでいさせてよ、と。
「侍所扶さん。不良僧侶どもの掃討、大儀であった」
「なん、と……」
「二度も申さすな。身共は不良僧侶の掃討を命じたん。扶さん、お役目大儀であった」
「は、はは――っ!」
近場の寺社勢力は石清水八幡宮。近隣の村も宮領としているはずである。
今の天彦は甘彦ではない。素直に感情を揺らしていた揺れ彦でもない。
ただの八つ当たり彦である。それもこれも管理不行き届きの八幡さんが悪い(違う)。
の、感情で天彦は実に冷たく冷ややかな口調で言い放った。
「宮さんに遺体の回収を命じるんや。その際にこう申し付けるん。菊亭当主はかつてないほど立腹であったと。ほなら何を措いても馳せ参じはるやろ。ほら、ぼさっとしてんとお勤めやで」
は、はは――ッ!
青侍たちが迅速に行動に移っていく。
天彦の言葉を書きつけた祐筆の書簡を預かったのは年若きニューフェイス侍であった。
「初仕事やな。気張りや紀之介」
「はっ。ご期待に沿いますよう懸命に務めまする」
「うんうん、そういしい」
「では御前、これにて御免頂戴いたしまする」
こちらも順調に回復の兆しを見せている大谷吉継は揚々と天彦の前を辞していった。
「殿」
「何さん与六、そんな神妙なお顔さんして」
与六はビックリしていた。そう吃驚である。
天彦はどこか勝ち誇ったように薄く嗤いながら、ざまぁと小さくつぶやいた。
「どうせ伊予で入れ知恵されたん」
「あ、いや……」
「ええか与六。実益さんが身共に一杯食わせようなど455年ほど早いんやで」
「よ、455年にござるか」
「そうゆーこと。ふふ、ふふふ」
「はは、あはははは」
おもしろどころは理解されていないはずなのに、与六は腹を抱えるほどの大笑いを演じていた。
きっと彼一流のお芝居である。だから天彦もあわせて殊更愉快気に笑ってみせた。人の目とはそういう性質だから。
こうしてわだかまりは解けた。あるいはそもそもそんな感情は存在しなかったのかもしれないが。いずれにしても……。
天彦は大人の器量(棒)で折れて曲がった。こうしてひとつずつ成長していけばいいんだろの感情で。
果たしてそれが成長か後退か。あるいは単なるノスタルジアなのかはわからない。けれど少なくとも前にだけはしっかりと向いて小さな一歩は踏み出せている、つもり。
「与六」
「はっ」
「あんまし遠くに行かんといてな。身共、頑張って追いかける心算やけど、ほら、歩幅が違うん」
「……殿」
「そや、縄張りを任せてもええさんやろか」
「むろんのこと! この与六に万事お任せあれ。者ども、参るぞ」
応!
与六は意気込むように駆けていった。
「殿」
「ん、どないした佐吉」
「はっ。僭越なれど一言、申したく存じ上げまする」
「おお珍しい。どないさん。何でもおくれ」
「はっ。某は殿のお言葉を忠実に再現いたしまする。しかし侍所扶殿は! いささか専横が過ぎるかと存じまする」
あ、嗚呼……。
天彦は直感した。そして脱力する。それも厭な気の抜け方で。
なぜなら最も危惧していた佐吉の一番よろしくない虫が騒ぎ出したから。
こうなれば今後、佐吉が力を持つと確実に与六を排除しにかかる。もはや性癖なのでこれは一生治らない。ならば。
こんこんと説得していくしかないのだろう。それを愛と呼ぶのなら。
「佐吉。身共はなんと申したん」
「……殺生はならぬと仰せにございまする」
「ちゃうやろ。違う」
「専守防衛というお言葉はそのように解釈しておりましたが違っておりましょうや」
「ちゃうん」
「……ではご教授くださいませ。ですが後付けで侍所扶殿の面目をお立てになられましたが、あれは絶対に殿のご存念にはあらせられませぬ!」
「言葉とは一旦言語化されたらそれがすべてや。身共の感情など無縁となって世に拡散されていく。それは佐吉、お前さんも例外ではないさんよ」
「はっ。確と肝に銘じまする」
「ほんまに?」
「はっ、確と」
不満100の感情で了承されても、不安しかない。
しかも、
「殿!」
「なに!? 是知まで」
「某も此度ばかりは石田に賛同いたしまする! 侍所扶殿の専横、目に余るものがございました!」
「やめて?」
「は……?」
「やめてと申したん」
「は、はぁ」
これ以上ややこいの参戦してややこしくするの。
身共のキャパ超えてるよ? どうするの?
と、
「がはははは、やれ、もっと追い込んだらんかい!」
それまで終始ずっと傍観者に徹していた茶々丸の“がはははは”笑いと、“もっと追い込んだらんかい!”の如何にも波乱含みの煽り文句が鳴り響いて、佐吉と是知は矛を収めた。きっと本能的に。
なにせ茶々丸。そういう意味では公平で平等だから。公正にどつくし公平にしばくのだ。
結果的に天彦は茶々丸に救われた結果に終わり、取り合えず場はお開きとなるのであった。
◇
布告を済ませた庄屋屋敷での午後、
「ぬおぉおおおおおおおおお! な、なぜそこから兵が湧き出るのじゃっ」
「お前、アホやろ」
「何じゃとっ!」
三介は紛うことなくアホだった。アホ可愛いから嫌いにはなれない系の阿呆ではあるけれど阿保には違いないアホである。
今日も今日とて“天彦ぉキャッチボールしようぜー”のノリで天彦の菊亭を訊ねた、未来の現代なら知事クラスの偉大なる侍大将様は、天彦の不在を聞きつけるや公務を放ったらかして、天彦たちのいるここ天王後村にやってきていた。ね、阿呆でしょ。
そして帰れと言ってもどうせ帰りっこないので苦肉の策として兵棋という図上演習でお茶を濁していたのだが。……いや濁りすぎ!
あるいはポンコツすぎた。本当のまぢにヤバいのだ。三介の将としての理解度が。
天彦の持論にバカは治る。だが頭が悪いは治らないというのがあって、その理屈に当て嵌めると三介は重症患者だった。……まんじ。
「なんで籠るん。兵糧攻めは持ってひと月半と言ったよね!」
「初耳じゃぞ」
「氏ねコロス」
「待て! 死なんし殺すな」
「ほな話をちゃんと訊くん」
「聞いておろうが。では突撃か」
「突撃すな!」
「ならば手詰まりではないか。儂は如何すればよいのじゃ」
「そこの前提議論からかいっ!」
僧侶を使っての和睦。あるいは敵のかく乱や援軍の要請。打てる手は多岐にわたる。なのにこのポンコツときたら……もうお終いだよ、織田家。そして天彦の菊亭も。
なぜなら天彦はこれを次代の織田家当主に推す気満々だったんだもの。じんおわです。
このままでは推そうと推すまいとお仕舞いである。
三介が負けると天彦はかなり窮屈な状況に陥ってしまうだろう。何しろ相当に疎まれているから。ご嫡男信忠殿には
「茶筅じーじの感情が伝わるん」
「爺がどうした。呼んでまいるか」
「要らんのん。そんなことよりほら次にお参りさん」
「お、おう。どこからでも掛かってこい。この織田三介、逃げも隠れもせぬぞ。がはははは――」
やっぱお仕舞いだよ。織田家。
逃げも隠れもしろよ。少なくとも兵は伏兵させてくれ。
三介の用兵能力は控えめに言ってまぢで終わっていた。史実で信長公ぶち切れの理由もなるほど納得のお馬鹿を晒して。なのに……、
「のう菊亭、なぜそうも儂を不安視するのじゃ」
「なぜってあんた」
「お前がずっと儂の傍に居れば問題なかろう。儂はずっとその心算であるぞ」
「あ」
お、おう。
なんだろう。イヤなのに厭じゃないこの感情は。もやもやする。
少しだけ食らってきっちり効かされてしまっている天彦は、そうとは認めたくない一心で、
「常に身共がいるとも限らんのん! ほら、ぼさぼさしてんとつづけるんっ」
「お、おう。な、待て、お前そこは河じゃろ!」
「船団急襲の巻!」
「聞いてるかいっ」
「今、申したん」
「ずるいぞ! 儂にも船団くれ」
「ないん」
「親父に強請る」
「強請るな、勝ち取れ」
「ほう。名言であるな」
「感心してんと頭を使うん」
「頭か、いっちゃん苦手じゃの」
「そうやって敵にも泣き言ほざくんか、ぼけ」
「ぼ、呆けじゃと。ほざくか! 掛かってこい」
「それでええさん。いっけぇー!」
「んがっ、それはさすがに酷いじゃろ」
「あ、うん。調子乗り過ぎたん。ごめんね」
「ええぞ。ほらもう一丁来い」
「おう! これどないさん」
「ぬおっ!? そんな自分勝手がありなのか」
「人なんてだいたいが自分勝手としたもんなん。そも集団行動が苦手とか、得意なやつの方が少ないん。それを踏まえて作戦練らな、ね」
「む。哲学の講義の側面もあったのか」
「なんでやねん。構造文化的暴力に曝されてきた身共の積年の恨みの話なん!」
「……!?」
B型じゃい! 血液型占い滅びろっ。
三介の無理解を置き去りに鼻息荒くやる気だけを徹底的に煽るのであった。テレテレの裏返しで。
「……でね。茶筅さん」
「わかっとる。銭じゃろ」
「身も蓋もないさんやけど、そうなん」
「なんじゃ柄にもない。心配いたすな。築城費用の当座二万貫。親父には申し送ってある」
「に……!」
「なんじゃ不足かい」
「まさか、おおきになん! 茶筅大スキ。ぴと、むぎゅ」
「……何のつもりじゃ」
「スキの最大見える化の心算なん」
「さい、おのれ天彦。また何か企んで、……ええじゃろ、つまり感謝の体現じゃな。まあ借りもあるしの。お前、ええ匂いするの」
「うん! 今度もってくるね」
「うむ、貰うたろう」
「いや、買って?」
「おいコラ」
忍び笑いを懸命に堪えたのは菊亭、織田の果たしてどちらの付き人か。
「そや、茶筅。これ飲む?」
「なんじゃ、それは」
「身共の好物なん。薬水?」
「なぜ疑問形なのかは解せぬが寄越せ。ぐびぐび……、な、な、な、なんじゃこれはぁあああああああああ」
お薬です。お気に召したようで何よりです。
「まさしく薬水! あるだけ寄越せ」
「厭なん」
「……ちょっとでいい。分けてくれ」
「それやったらええさんよ」
「うむ。ぐびぐびぐび、ぷはぁ。……う、美味い」
ショウガ入り砂糖炭酸水を薬と言い出したらお仕舞いです。とか。
「コーラうまっ!」
「甲羅と申すのか、この飲料は」
三介のそれは絶対に違うイントネーションだが気にしない。
いずれにしても天彦はちゃんと当主としてのお仕事を果たしていた。ちゃっかりと個人的なお強請りも忘れずに。同時に癒し成分も忘れずに補完して。
極論、人はわかりあえない。頭でわかっていてもいざ事実に直面すると動揺はする。
与六や家来たちと相互理解の齟齬が発生してちょっとしんどかった天彦は、誰か身共を抱きしめてあげろの感情で。その誰かに三介を指名したのだろう。
指名料を支払っているかはかなり怪しいが、しばらくのイチャイチャスキンシップを楽しむのであった。
最後までお読みくださいましてありがとうございます。
今日ばかりはほんとうにありがとうございました。延々とグチグチとひたすら弱音を吐いていただけの回にお付き合いくださいまして、感謝しかございません。病む!
どっか遊びに行こうかと思いますが人が多すぎてゲロ吐きそうやし……、救済策の提案を!
みんなさん、どないしたはるんやろぉ。なんでもいい。シェークスピア戯曲の世界線に紛れ込みたい感情でお届けしました。それではフォロワーの皆さま、またお会いできるその日までごきげんよう。
PSお暇なら感想くださっていいのですよ? きっと泣いて喜ぶと思いますので。