騎士王 降臨
巨大メカのコックピットの中に入る。
前世どれほどこの瞬間を想像し、そして待ち侘びたことだろうか。
『待ってください!まさか戦う気ですか!?あなたはタイタンの操縦経験がないでしょう!?』
アンドロイドとは思えないほどの気迫で、コックピットに乗り込む俺の背中に少女が叫ぶ。
「ないけど.....こいつとなら、行けそうな気がする。」
『.......異世界の人は度胸も異次元なんですか...』
なんか聞こえた気がするが気にしないことにして、パイロットシートに座る。
上からセーフティアームが降りて来て、体が固定される。
....これだよこれ...!!この出撃前に淡々と進むシークエンスがたまらない。
次はレバーとかが出てくるはずーー
「なにこれ?」
横から、本来操縦桿があるだろう位置に出てきたのは、パソコンのマウスのような丸く平べったい何かだった。
とりあえず手を置いてみる
ーーと、先ほどの消えた壁と同じ赤い光が、操縦桿(仮)から光り始めた。
装甲がスライドし、コックピットが閉じる。そして内部の壁面が光り始めた。
光はだんだん線を形成し、それがモニターのように、様々なUIを表示している。
表示されている文字がはっきりしてくるのに連れ、俺の心臓も高鳴っていく。
〈パイロットのラジエル供給開始を確認ーー稼働値に到達ーーー尚も上昇ー稼働レベル5相当と認定ーーモーションシステム最終調整ーーオペレート方式:3ーー〉
これまたさっきの機械音が流れるのにつれて、周囲のモニターがはっきりと様々なパラメータを表示していく。
〈機体調整完了ーーパイロットリンク開始ー〉
「—っ!?」
操縦桿に置いた両手に、感じたことのない感触が流れる。
「何か」がこっちからあっちに、そしてあっちからこっちに流れてくるような感触。
「ーー分かるーこの機体の鼓動がーお前の鼓動が分かる.....っ!」
これが「リンク」とやらか....人機一体といったところか。
〈パイロットリンク完了〉
「〈アーサー 起動〉」
機体の中心部が動き始めたのがわかる。機体全体が唸りを上げている。
『......システムが複雑すぎてシステムリンクは構築できませんでしたが、どうにか音声通信だけはできました。』
頭上から、少女の声が聞こえた。
「ありがとう。心強いよ。」
『.....本当に....やるんですか...?』
モニターに少女の不安気な表情が映っている。
「大丈夫だよ。」
もう一度操縦桿をしっかりと握る。
「【戦え】と、アーサーが言っている。」
『........分かりました。私もできる限りサポートします。』
〈アーサー出撃シークエンスに移行ーーランチフォーム:Bー発射までー5 4 3〉
ん?ちょっと待て?「発射」て?
あとなんで倉庫の天井が開いてるのかな?
〈2 1 スラスター点火 アーサー 発進〉
「ぐっ...!」
急激な重力を受け、思わず呻き声を上げる。
再び目を開けると、そこは空中だった。
〈射出成功ーー着陸体制に移行ーランディング〉
ズシャァァァァッッ!!
もう一度強い振動と共に、アーサーが倉庫の外に着地した。
「初出撃が垂直射出かよ.....」
パイロットシートに座り直す。
そして大きく深呼吸。
「よし...それじゃあ、はじめっか!」
俺は、目の前の双頭の大狼、マーナガルムを見据えた。
先日ですねー ナイツ&マジックのアニメを見終わりまして
いやーいいですね 斑鳩はもちろんヴィーヴィルも普通にカッコよくて
書きたい欲が再燃しましたね笑
さてさて、主人公の搭乗回というわけですが、いかかでしたでしょーか
「〜と、〜が言っている」はふと入れてみたくなったのでやってみました。もちろんコックピット内でシャフ度です笑
ではまた(^^)/