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この世界について

『あのー.......』


タイタンの前でずっと固まっていた俺の肩を少女がツンツンしてくる。


「ハッ!?」


それでやっと我にかえる。


「あーごめんごめん。まさかタイタンが巨大メカだとは思わなくってさ!」


『めか......?』


また怪訝な顔をされた。


『ーー2号機は補給をーー哨戒は3号機に引き継ぎますーーー』


目の前のタイタンが動き始め、小屋横の倉庫の一つに入っていく。


倉庫は格納庫のようだ。


「ああ....行っちゃった.....」


未練がましくタイタンが入っていった倉庫を見つめる。


『タイタンはラジエルを動力としていて、定期的に補給が必要なんです』


「そうその【ラジエル】ってのはなんなんだ?あとこの世界のこととかタイタンも....」


『わかりました。この世界について色々、お話ししましょう。』


そう言いながら少女は小屋の中に戻っていき、俺も後に続いた。



小屋の中に入ると、俺たちはリビングのようなところで机を挟んで座った。


「じゃあ早速教えてもらおうかな。」


『はい。まず先ほどもお伝えしたとおり、ここはアダルガント王国の外れに位置するダルカス森林内です。一般には機獣が出没する森として立ち入りは禁止されています。』


「.....おいちょっと待てなんだ機獣ってしかも立ち入り禁止なのか大丈夫なのかよ」


思わず早口でまくし立ててしまった。


『大丈夫です。先ほどのタイタンがパトロールしてますので』


巨大メカが?じゃあ大丈夫か。


『機獣の話はあとにするとして、まずラジエルについて話しましょう。


ラジエルというのは人間が体内に宿しているもう一つの血液のようなもので、古来からそれをエネルギーとして外部に放出することができました。しかし放出量を多くすると体の方が耐えられなくなってしまうものでした。


そこで300年ほど前に、王国のクローディス兄弟が、ラジエルを通すとエネルギーとして放出できる金属【ラジエリウム】の開発に成功しました。


ラジエリウムは柔らかい金属なのですが、さらに2人はラジエリウムを他の金属と混ぜて精錬して出来る、通すラジエル量によって強度が増す【ラジエリウム合金】を開発しました。』


「すごいな、その兄弟は。」


『はい、当時の国王にも大きく表彰され、ラジエルの未来を築いた偉人として、その名を知らぬものはいません。』


「じゃあタイタンもその2人が作ったのか?」


『そのことなんですが.....ラジエリウムを開発してから2人はそれをどう用いるかで意見が分かれてしまって、ついには仲違いしてしまったのです。兄のアルヴァン=クローディスは人のラジエル利用をより効率的に出来るような研究がしたかったのに対し、弟のレオン=クローディスはラジエリウムを生物の体内に組み込む研究を進めるべきと主張しました。


2人は分かれてからそれぞれ研究を進めていたのですが、弟の方が人体を用いた実験をしたということで罪になり、国から追放されてしまいました。


それから、この森から体にラジエリウムを取り込んだ野生動物【機獣】が出るようになりました。王国ではレオンが機獣を生み出していると皆考えています。


機獣に対抗するためアルヴァン博士が、ラジエリウムを用いて戦闘に特化した巨大機器であるタイタンを開発しました。


そしてそれを王国に普及させ、今では日常の道具に加え機獣に対抗する手段として重要な役割を果たしています。』


「なーるほど....」


怪獣に対抗するための巨大メカ.....うん、いいぞ!個人的にはメカvsメカの方が好みだがメカvs怪獣もいい。


『アルヴァン博士はタイタンを普及させたあと、晩年はここで、【心を持つタイタン】の研究をしていました。』


.........へ?

ここ?この小屋で?

俺そんな偉人の家で寝てたの?


っていうか


「ということは君を造ったのも.....」


『はい、アルヴァン博士です』


まじかよ。


『心を持つタイタンの先駆けとして博士はまずより小柄な人型をした機械を造ろうとしました。それの試作品が私です。』


心を持つアンドロイドか...。だからいやに言動が人間っぽかったのか。


『私には心があると言われたのですが....私には【心】がなんなのかよくわかりません。人間の言う【嬉しい】だとか【悲しい】だとかいう【感情】がわからないのです。』


うーん.....そっかぁ


『さて機獣についてでしたね。機獣というのは......』


ビー! ビー! ビー! ビー!


突如、小屋内に警報が鳴り響いた。


「な、なに!?」


『第一警戒区域にランクCの機獣の侵入を確認ーー1号機は哨戒中の3号機と共に迎撃をーー2号機は補給を続けつつ施設を防衛ーー』


.....よくわかんないけどなんかやばそうだ。


『我々もシェルターに避難しましょう』


「分かった!」


俺は少女のあとをつづいて、小屋から出た。

ふぅー、今回は設定紹介回だったので文量が多めです。

こういう世界の設定って事件→説明がいいのか説明→事件の方がいいのか どっちなんでしょうね

まぁ今話で設定全てを公開したわけでもないので、ひとまずここぐらいにしておきます。


さてさて、次話はいよいよモンスター登場です!

大きいんですかねぇ...どうなんですかね(決めてない)


ではでは

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