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静寂に灯る記憶

夜のダルカス森林は静寂に包まれ、施設の灯りもほとんど消えていた。


アリスは第4倉庫の薄暗い空間に一人残り、アーサーの前に座っていた。


解析ツールをアーサーのコックピット内に繋ぎ、モニターを操作する。


『この機体....根本のシステムから従来のタイタンと異なっている.....』


アリスが指をモニターパネル上に走らせる。


『しかしやはりアルヴァン博士の造ったものなのでしょう。生前の癖がいくらか混ざっています。解析はなんとかできそうです....』


--------

《解析ログ》


〔型式番号〕

AAP-01/アーサー(11時間41分前に更新)


〔全長〕

12.1m


〔重量〕

10.3t(本体のみ)


〔装甲〕

ナイトフレーム


〔武装〕

・メイン武装:大剣

アンチナノラジエリウムコーティングを表面に施した大剣/機体から直接ラジエルを注入することでラジエリウム合金を溶解させることが可能

・サブ武装:ラジエル放出装置

両手首ノズルからラジエル粒子を放出、実体化させることでシールドないしはシュナイダーを形成する/再使用には冷却時間が必要


〔付属機構〕

・タクティカルターボ

背面にある主動力源

ラジエル粒子を直接動力に変えるため、燃焼時の炎は発生しない

・サイドブースター

戦闘モード時に解放される

両脚に2門ずつ合計4門

急旋回など細かい動作に対応

・ラジエルアンプリファイア

左肩に格納されているマント式ラジエル増幅器

解放すると周囲一体のラジエルをコントロールする

友軍機の性能を上昇させることも可能


〔ナイトシステム〕

当機体に搭載されているシステム

・ラジエルリンク

接触型インターフェースを介し、パイロットと直接リンクする

パイロットの思考を動作に反映すると同時に機体のモーションパターンをパイロットに送り返す

・【高度セキュリティを検知ーロック解除不可】

--------


『大体こんなものでしょうか...やはりこの機体、普通ではありません。パイロットと直接リンクすれば人間の体がタイタンの動作フィードバックに耐えられるはずありません。これを動かせたユウジは一体...』


ひと作業終え、アリスがモニターを側に置く。


『一部ロックがかかっているのも気がかりですが』


アリスがコックピット内に入り、インターフェースに手を置く。


『システムリンク構築開始』


アリスがラジエルをアーサーに向けて流し込み、日中はできなかったシステム構築を再度計る。


『ーーシステムレベル1ー到達ー2ー3ー4....ロックを確認ー解除を試行ーーー?これは...』


アリスがリンク作業を中断する。


『音声ファイル...?なぜシステムのこんな奥に..?』


ファイルを端末にダウンロードし、再生する。


「---ジー--ジジジ-----この音声が聞こえているということは、こいつが目覚めたということだ。そうなったことをとても嬉しく思うー」


その声にアリスは目を見開いた。


『声紋認識ーー完了ーーーマッチ率97%.....アルヴァン=クローディス!?』


「そしてまたこの音声ファイルは君にしか開けない。君のラジエル波長をキーに設定したからだ。

.......私は君に謝らなければならない。私の勝手のために、君に名も与えず、君が目覚めてから数日で私は去ってしまった...。私は君をーーいや、この話は今するべきではないな。」


『博士.....』


「君のことだから、この機体の解析はもうしたのだろう。こいつは私の造った最後のタイタンだ。

君にも言った通り私は心を宿すタイタンを開発していた。」


音声が一瞬詰まる。


「....残念ながら、そのような完全なモノを造ることはできなかった。だがこいつはそれになりうる存在だ。

ーーーこいつは、『器』だ。こいつ自身の魂とは別に、何かの魂を宿すことでこいつは真に目覚める。ただ.....どうやって魂を宿すかが、私にはわからなかった。だから私は君を造った。魂とは何か、人間とは何かを探すために。しかしそれで私の時間が尽きてしまった。そうしていつの日か代わりにこいつを目覚めさせてくれる人が現れることを祈って、第4倉庫の奥に隠してあったのだ。

勘違いしないでほしい。私は君を造ったことを後悔したことは微塵もない。子を持たなかった私にとって、君はーー実の娘のようであった。」


『ーッ..!!』


アリスは混乱した。体内のラジエル値が不安定になっているのが自分でもわかる。


システム不調...?このタイミングで....?


「これ」は.....何かが溢れ出してきそうな「これ」はなんなんでしょう.....


「さて、そろそろ時間だ。この機体が目覚めたのなら、その目覚めさせた人と一緒に過ごしてほしい。

この機体のシステムに一部ロックがかかっていただろう。

今はまだ見れないが、この機体に乗っていくうちに、解放されるようにしてある。


こいつと、そのパイロットをよろしく頼んだよ。」


『.........』


音声ファイルを再生し終わった後も、アリスはしばらくその場にとどまっていた。



夜が更け、日差しが倉庫の奥に差し込み始めた頃、ようやく少女はゆっくりと立ち上がり、小屋の方へ戻って行った。

こういう機体データベースみたいなのってやっぱかっこいいですよね〜


一番悩んだのは大きさですね

そういう知識全くないので


とりあえずそんなに大きいとアレだからナイツ&マジックよりの、10mちょいぐらいにしました。


ちなみにアーサーのモデルは、今はもうサ終したゲーム「機動都市x」のアーサーだったりします。

だから僕の頭の中でははじめからマントついてるイメージだったんですが「あれこれ伝わらないな」って思って、今話で導入しました。



さてさて、衝撃の真実に驚きを隠せないアリス、夜明けと共に立ち上がる少女のこれからもお楽しみに〜

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