あとがき
この物語を、最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
ここに描いたのは、特別な誰かの物語ではなく、
どこかで、誰かが抱えているかもしれない想いです。
人はきっと、誰しもが
「本当の自分」と「誰かに見せる自分」のあいだで揺れながら、
それでも誰かと繋がろうとして生きているのだと思います。
この作品は、氷野 華という主人公が、AIを使って画像を生成し、
理想の姿や叶えたかった夢を形にしながら、
本当の自分にある秘密を抱えたまま、
「なりたかった自分」や「見たかった世界」を描いていく物語です。
そして、そんな華の姿や想いに触れたもうひとりの主人公「私」が、
誰かを想うこと、誰かに憧れることと向き合いながら、
少しずつ変わっていく姿を描いています。
AIは、使い方ひとつで、
誰かの日常を支えるものにも、
誰かを傷つけてしまうものにもなり得ます。
それでも、その存在をすべて否定してしまうのは、
少しだけ寂しいことのように感じました。
向き合い方次第で、
それはとても心強い味方にもなり得る。
その在り方は、どこか人と人との関わり方にも
通じているように思い、
この物語を書きました。
この物語の中で紡がれた言葉たちが、
ほんの少しでも、あなたの心に残るものになっていたなら、
これ以上嬉しいことはありません。
もし、あなたが立ち止まってしまう夜があったなら。
もし、ひとりだと感じてしまう瞬間があったなら。
この物語のどこかを、
ふと思い出してもらえたら嬉しいです。
そしてそのとき、
あなたの中にも、ちゃんと光があることを、
思い出してもらえますように。
この物語が、あなたにとって
小さな居場所のひとつになれたなら——
心から、幸せに思います。




