Prologue
この世界は、あまりにも広くて、どこまでも続いているはずなのに、不思議と、どこか限りがあるようにも感じてしまう。
人はそれぞれ、自分だけの世界を持っている。
本来それは、かけがえのない、素晴らしいもののはずなのに——
ふとした瞬間に、どうしようもなくちっぽけに思えてしまうことがある。
誰とでも繋がれる時代になった。
簡単に輪を広げられるようになった。
それなのに、どうしてだろう。
満たされるどころか、余計に孤独を感じてしまう夜がある。
だからこそ、人は願ってしまう。
縋るように、祈ってしまう。
それでも同時に、どこかで分かっている。
この世界は、そんなに優しくはないと。
願ったところで、叶わないことの方が多いのだと。
挫けてしまう夜がある。
どうしても、一人では立ち上がれない時がある。
もしも、願いが叶うのなら。
織姫と彦星でもいい。
サンタクロースでもいい。
神様でも、誰でもいい。
「どうか叶えて」と、
自分以外の誰かに手を伸ばしてしまう。
けれど——
大抵の願いは、叶わない。
その現実に絶望して、
人はまた、立ち上がる力を失っていく。
だから、私は決めた。
誰も叶えてくれないのなら。
最初から、自分で作ってしまえばいい。
誰にも叶えられないのなら、
それを叶えられるのは、私だけだ。
私のための、私だけの世界なら——
きっと、それができる。
だから、創る。
私が望んだ世界を。
「私」という存在が、ここにいる証を。




