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商人貴族~僻地で始める国家改革~  作者: ふぃん
第4章 ハバロフ招集
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ハバロフ招集エピローグ 都からの帰り

会議と宴会だらけだったハバロフ招集を無事に終え、アーク一行はミカンダへと戻る。帰りは行きと違って時間的にも余裕があるため、町ごとをのんびりと移動しながら帰ることにする。


「まさかカサブランカ姫が副王になるなんて。ルイス様が王になることは分かり切っていたけれど」


やはり話題は新王と副王についてだ。ミネルヴァがまだ信じられないように言う。ちなみにミネルヴァはアークが王宮に出ている間はずっと都で遊んでおり、久しぶりに良い息抜きになったようだ。


「まあ、ウォーデン家にとってはあながち悪いことではないだろう。」


ミネルヴァに適当に相槌を打ちながら、アークが会議の疲れから馬に寄りかかっていると、ユナが近づいてくる。

行きは前乗りしてもらっていたユナだが、帰りは特にやってもらうこともなく、アークたちと一緒に帰るのだ。


「、、、アーク様。」

「ユナか。どうしたんだ?」

「マリー様に何も言わずに帰っていいの?」


ユナはいつもボソボソと話す。そのため周囲はもちろん、話しかけられた本人ですら何を言われたのかわからないことだってある。

にもかかわらず今回は、ユナのくせにはっきりときっぱりと分かるようにハキハキと話してきやがった。


「えええマリーって誰のこと???俺にはよくわからないな~」


アークは必死にとぼけるが、前を進んでいたミネルヴァが振り返る。馬に乗っているから仕方がないが、仰々しく振り返るところが不気味さを出している。


「お兄様、また新しい女ですか?マリー、、?マリーって王女の」


ミネルヴァはそこまで言いかけて自分が言おうとしていることの恐ろしさにようやく気付いたようだ。自分の兄が侯爵家と婚約が決まっている王女様に手を出した。さすがにそんなことが本当にあったとしたらウォーデン家共々無事では済まないし、兄へのヤキモチよりも心配が勝つ。


「いやあさすがに王国の姫様に手を出すはずがないだろう。ミネルヴァは相変わらず俺のことになると思考が過激になるな。あはははは」

「そ、そうですよね。私ったらいつもお兄様に注意されているのに、それでも考えが暴走してしまいます。気を付けないといけませんね。あははははは」


ミネルヴァはアークの棒読み演技に付き合うことにしたようだ。これ以上深く問い詰めてはこなかった。

相手が王女だけあって追及も意外とすんなりと終わったことに安堵しながら、アークはユナに向き直った。ユナはまだアークを責めるように見てくる。


「ユナ、心配するな。これが今生の別れになるなんて全く思っていない。」

「、、、またそうやってご自分に都合がいいように。」


アークはまたマリーに会えると本気で思っていたのだが、ユナの方はアークがまた誤魔化そうとしているように見えたらしい。ぶつぶつと文句を言いながらぷいっと顔を背けてしまった。


「ほう。言うようになったじゃないかユナ。」


さっきから領主をまるで不誠実な男のように非難してくるユナは少し懲らしめなければならない。

アークは隣に並んでいたユナを自分の馬に引き上げて脇腹をくすぐる。


ユナは不測の事態に対しても声をあげて自分の居場所がバレるような失態をしないように、教団から訓練を受けている。しかし、このくすぐり攻撃は耐えられなかったようだ。しばらくユナは真っ赤になって耐えていたが、ユナらしくない可愛い悲鳴を一つ上げた後、アークの馬から飛び降りてにげていってしまった。


しかしユナには悪いが、やはりユナは間違っている。アークとマリーの運命はこれから交錯していくような気がしてならないのだ。


長男のレオと王国との対立、カサブランカとルイスの確執、ルイスの政治手腕。王国は現在過渡期にあり、まだまだ課題は山済みだ。これから激動の時代になることは容易に想像がついた。

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