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第1話

ここでは主人公の赤ん坊の日常と説明です

七罪の覇王(セブンシンロード)史上初となるダイブ型VRゲーム。21世紀最もプレイされたと言われる「インフィニット・オンライン」通称ISには、自身のキャラを作り様々な種族が共存している大陸ラグナラクで自由にプレイのできるオンラインフリーモードとプレイヤーが主人公であるハルト・ライオネスとなって、人々を救いながら魔神を倒すストーリーモードが存在する。


ラグナラク大陸に存在する国の1つクライム帝国の最高戦力と呼ばれ国の軍事育成にも深い関わりを持つ最強の武闘派高位貴族、クライスター公爵家に誕生し幼い頃から自分のスキルに振り回された挙句、 何故自分が! と言う劣等感から暗く内気な性格となってしまった小年。そしてとある事件が引き金となり闇の道へと足を踏み入れ、ついには世界を滅ぼす野望を持ち悪童とまでうたわれたのが、リューヤ・カイ・クライスターつまりは俺の転生先だ。


何もしなければ俺も物語と同じ運命をたどるだろうが、そんなことは絶対にさせない。

俺はスキルを使いこなし、強くなって自分の性格が完璧に崩壊された事件に向けて強くなるための準備をすることにした。


のだが俺はまだ幼い赤ん坊であり、自我が芽生えてまだ1ヶ月しか経っていない。これでは何にもできないので、今日もまた平穏な変わらない朝を迎えて俺は赤ちゃんらしからぬ大きな欠伸を1つ行った。1ヶ月も経てば首を座って体も思いのほか動けるようにはなったからこその欠伸である。


この時間帯になるといつもメイドが来るはずなのだが、今日は何故だか遅れていた。

それはそれで好都合だ。俺はチラッと部屋に1つしかない大きな扉を見つめ、メイドがまだ来ないことを確認し発達しきれていない声で呟く、ここが自分の考えた物語と同じ世界ならばこのシステムも存在しているはずだ。


「しゅてぃいたしゅ《ステータス》」


すると胸の辺りから白い光の玉が出現し、俺の目の前まで来るとその形をプレート状に変えた。

この世界にはまあ普通のファンタジー物のように自分の強さなどを知ることのできるステータス機能がある。どうやらこの設定も同じだったのでいよいよ俺が物語の世界へと転生した信憑性が高まった。

物語での裏ボスリューヤ・カイ・クライスターと言うか自分の初期ステータスを思い浮かべながらステータスを確認する。


【名前】 リューヤ・カイ・クライスター 【種族】人間

【LV】 1 【ジョブ】 なし

【HP】 500

【MP】 20000

【STR】 300

【DEX】 1000

【VIT】 150

【AGI】 500

【INT】 5000

【MND】 1000

【LUK】 1000


【スキル】・魔力操作 LV MAX ・身体強化 LV 5


【ユニークスキル】 ・七罪の覇王(セブンシンロード)

・ 精霊の寵愛 ・魔眼 ・魔神化


ふむふむすべて設定通りだ。

七罪の覇王(セブンシンロード)は俺を最も苦しめるユニークスキルで、ユニークスキルの 憤怒・傲慢・暴食・嫉妬・強欲・怠惰・色欲 の7つが合体したスキルなのだ。各々の強力な特殊効果だけを使えるようになり、使いこなせれば複数の効果を合わせて使用することができるのだが、使えば使うほどその使った特殊効果の感情が高まってしまうという非常に困る状態異常付きユニークスキルで、使い勝手に困るものなのだがこれを使いこなせなければ俺は負けてしまう。


どうにかして使いこなせるようにしたいと過去の物語の設定を思い出している時、扉からガチャ!とドアノブを回す音が聞こえたので急いでステータス画面を閉じそして狸寝入りを始めた。

扉が開かれカツカツと2人分の足音が俺に近づいたかと思うと、お腹に手が回され浮遊感を感じて俺は目を覚ますフリをする。


すると満面の笑みを浮かべた美人な金髪の女性が俺の眼に映る。


「おはようございます。リューヤ坊っちゃま」


ここ1ヶ月でお世話になっている屋敷のメイド長であり、見た目が完全に20歳に入ったぐらいにしか見えないが、実際の年齢が今年で30を超えていると言うマイナ・ローズが挨拶をしてきた。

そしてその横でいまだそわそわしている17ぐらいの紅髪で活発そうな少女が赤ん坊の俺と目が合うとどこか緊張した面持ちで喋り始めた。


「わ、私はこの度新しくリューヤ様の専属メイドになりました、ミーナと申します。よ、よろしくお願いします!」


ブンと音が鳴りそうなほどの速さでお辞儀をするミーナに俺は心の中で苦笑し、 これからお世話になるよ という意味も込めて顔に手を伸ばして頬に触れる。

その行動に今まで緊張した雰囲気を出していたミーナだったが、俺の行動が可愛かったのかその顔をニヤつかさせ、マイナから俺を受け取ろうと手を伸ばすのだがマイナは頑なにそれを拒否した。


「ミーナ・・・、貴女はメイドとしては未だ見習いです。いくら坊っちゃまのメイドになったとはいえ、つい先日も食器を割ったばかりでしょう?」

「あ、あれとこれとは話が別だと思います!」


と必死に弁護するミーナだったが断固として受け付けないマイナは首を左右に振る。


「いえ関係あります。坊っちゃまも食器のように落とされては貴女は絶対にクビです。そんな今の状態では貴女に坊っちゃまを任せられませんし抱かせません!!」


ギューと抱きしめられる。

マイナのその豊かすぎる胸に顔を沈められ俺は思わず苦しくなり、そんな光景を見たミーナはその視線を自分の胸へと移動し歯軋りをした。


「これがメイド長の力か!!」


いやただの成長の差だろう。


コントみたいなやり取りをしていると、開いていた扉からフラ〜フラ〜と髪の長い桃色髪の少女が部屋へと入ってきた。

普段整えられた髪はまるで絹のように流れ、可憐な容姿に誰もが振り返る美少女。今年で18と現世ではまだ高校生ほどの年齢なのだが、今は髪がボサボサでどこか疲れ切っている顔をしているこの人こそが、俺の母である マリア・カイ・クライスターだ。

母はこのラグラナク大陸全土を見ても少数しかいない、魔法を極めた者に送られる大賢者の称号を獲得した人物で国直々に伯爵の位をもらった貴族でもある。

そんな母は実は大の研究好きで日々幅広い魔法の研究や実験に明け暮れているが、今のように途中で中断し癒しを求めちょくちょく俺の元へとくるのが最近のお決まりとなっていた。


「お疲れ様です。マリア様」

「お、おつかれ様です!!」


と礼をする2人に頷いた母マリアはマイナから俺を受け取ると(渡したマイナはどこか悲しそうな顔を浮かべた)入ってきた時とは違い、満面の笑みをこぼし俺の顔に頬づりをする。


「本当に可愛いわね!!あ〜癒される〜」


と親バカ発言をしたマリアにつられ2人も笑みを浮かべた。


「研究がはかどらないのですか?」


とマイナが問いかけるとマリアは俺を持ち上げ、少し疲れた顔で答える。


「まあね。古代に使っていた大規模転移魔法の解析をしなきゃいけないんだけどね。今では使われていない技術が使われてるから解析しようにもできないしやってられないわよ。」


どこか投げやりな口調の母見ていても立ってもいられなくった俺は励ますために、小さな手を目一杯伸ばし母へと近づけた。その行動に気づいた母は聖母のような笑みを俺に向ける。


「本当に不思議。リーナとシューヤ(俺の姉と兄)の時は1ヶ月頃は四六時中泣いてたのに、リューヤは本当に泣かないわね。それにまるで言葉を理解しているように見えるわ」

「それはわかります。坊っちゃまは必ず世に名を残す偉人になると確信しております」

「ふふふ。本当に楽しみだわ」


そんな会話をしている母たちを尻目に俺の眠気はピークを超える。


「この子も眠そうだし私はそろそろ戻るわね」

「はいかしこまりました」


と体がベットに降ろされ俺は自然と瞼が閉じて行く、やはり赤ん坊の体ではすぐ眠ってしまうか そんなことを考えながら愛する人たちに見守られ安心して眠りについたのだった。

次の回からはアクションを入れます。

次回精霊との出会い

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