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第三十話 暗中模索

最初に言っておきます!

かーなーり、超展開!

 俺こと吉田よしだ英斗エイトは悲しいことに異世界転生を果たし、何でも屋ヴァンヴォリックに仕返しを果たし、新たな戦いが始まろうとしていたのだった、まる。



 クエストを熟しに熟し、気付けばヴァンヴォリックの本部の修繕費で持っていかれた二千万ルーカスを何とか取り戻せていた。

 サワムラと言えば完全にイフの手伝いと化し、留守番二割、イフの言いなり八割の生活が目の前で繰り広げている。

 俺と言えば、修繕費を取り戻してからはヴァンヴォリックのボス、鬼町きまち兼弘かねひろが新たに雲隠れするために用意された王都ビスタリアから南東に離れた森に建てられた一軒の小屋に通いつめていた。

 そこでヨハン・ラウドとアーノルド改め、アーノルド・ヴィン・ラハールを含めた四人でエミリー・フリッツについての情報を持ち寄り、動向の調査や彼女の能力について、能力の攻略法を話し合っていた。

 動向などについてはやはり裏社会で行き抜いてきただけあり、情報網はとても広く、太く、深いらしく、それなりに情報は集まっていた。

 現状、確定している情報は、王都ビスタリアに身を隠していること、ビスタリアに向かう前にバルバンディスに滞在しており、のちにバルバンディスを完全崩壊させている。

 この二点だけだ。

 能力については、目撃者が数人おり、「影に溶け込むように消えた」という情報と「生き物を命令することで自由に操ることができる」の二つがかなりの数であり、稀に「何かを叫ぶような仕草をすると近くにいた生物が倒れた」というのが混じっていて、おおよその能力はわかるモノばかりだった。

 一応、アーノルドはエミリー・フリッツと交戦したことがあるらしく、影に溶け込む能力については事実だという事が判明したが、残りの命令する能力と叫ぶ能力については見たことが無いという事だった。


 「それにしてもビスタリアにいるっていう情報が一番まずいね」


 情報をとりあえずまとめたアーノルドが言う。

 確かに言う通りだ。

 人が多い場所に火種があるのはさすがにまずい。


 「それに何の目的で王都にいるのでしょうか」


 ヨハンは丁寧な口調で壁に掛けられた王都ビスタリアの位置に赤い筆でバツ印を書いた。

 それを見て鬼町が言う。


 「一応、ヴァンヴォリックの動ける奴を捜索と監視の名目で送った。一先ずの報告が明日の昼頃に届く手筈になっている。なにかあってもなくても、動向から何か読み取れるはずだ」


 それに俺は訊いた。


 「確か、ヨコタシュンスケってやつは転生した奴らを集めて回ってるんだよな。なら、転生者絡みって線は高くないのか?」


 それに対して鬼町は返す。


 「王都は何度かヨコタの話を蹴ってる。潰しの対象にされてもおかしくはねぇんだ」


 それに対し、俺はなるほどという代わりに唸った。

 理由はたくさんある。

 それが大きな問題だった。

 目的が判れば、動向のある程度を予想できる。

 予想できれば、追い払うなり、説得するなり。

 だが、肝心な目的が解らない。

 それに人気の多い場所に現在エミリー・フリッツという台風の目がいる事実が時間の問題という新たな課題を発生させていた。

 どうしようもできない現実に俺たちは頭を押さえ、今回は解散という形で翌日の報告を待つという事でまとまった。



 かなりの道のりを歩き、自宅にたどり着くと、違和感を覚えた。

 やけにものが散乱している。

 イフがサワムラに怒ってモノが散乱するのはよくある事だが、そういう散乱の仕方ではない。

 荒らされたという言い方が最も合う。

 こんな状況初めてだった。

 嫌な予感がし、俺は急いで居間へと向かうと、サワムラがうつぶせで倒れていた。

 サワムラからなのか、彼女の周囲に赤い液体が広がっており、俺は駆け寄った。

 サワムラを仰向けに返すとサワムラの身体に斬撃で出来tら大きな切り傷が一つ。

 そこからは残り一滴も出してやろうというようなじわじわとまだ流れ出る血がある。

 俺はポーチに念のためと入れている回復ポーションを何個か傷口に掛け、傷が塞がったのを確認して、あたりを見回す。

 イフがいない。

 少なくともキッチンや食卓の影に隠れている感じはしない。

 一応、サワムラをその場で寝かせてから確認のために戸棚や部屋を隅々まで探したが、イフの姿が見えなかった。

 いたずらと言う訳でもなく、確実に何かあったらしく、手紙もメッセージに当たるモノは見つけることができなかった。


 「…、…何があったんだ?」


 居間に戻りサワムラの様子を見ながら、戸惑いを呟いた。

 それに目を覚ましたサワムラが血を席と共に吐き出した後に答えた。


 「イフさんが…攫われえました…」


 それに俺はサワムラを抱きかかえるように支えながら、


 「イフが攫われたって…?何があったんだ」


 サワムラに問うと、サワムラは少ない体力を振り絞って、


 「フードの少女にさらわれました。それに、イフさんが操られて、…私を切ったんです」


 サワムラの言ったことに最悪の想定が思い浮かんだ。


 「イフが操られて、サワムラを切ったって…、本当か?」


 その問いにサワムラは頷くと、そのまま体力の限界に達したらしく、彼女は気絶した。

 俺はサワムラの話から、想定が予想へと切り替わった。

 エミリー・フリッツがこの状況に関与しているのではないか、と。

読んでいただきありがとうございます。

では、次回もお楽しみに!

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