第十話
「とまぁ、お互いについて聞いたが何か他に聞きたいことはあるか? 俺らのことでもこの世界のことでもいい」
確認するようにライオネットは聞いてきたため翔は聞き返す。
「えーと、じゃあ……、ライオネット達はあの少女をどうするつもりなんだ?」
「どうするとは?」
翔の問いにライオネットは眉を細めた。
「いや、少女はこの世界を壊そうとしててライオネット達はそれを止めようとしているのは分かっているんだけど、どうやって止めるのかとか、止めた後は少女をどうするのかなって思って」
「そういうことか」
言いながらライオネットは腕を組む。
「まずどうやって止めるかだが、聞いたかもしれないが少女が現れる時は必ず一つの街が光の線で包まれる。どの街になるかは大体予測できてるから来そうな街に俺らはいつもバラけて行動し、見つけた奴が対処している。それで最終的には俺がその場所に向かい俺の空間の中に閉じ込める」
翔はその空間の中に閉じ込めていたのを無くした張本人であり、申し訳ないというのが顔に出た。
ライオネットは翔の表情に気づいているものの話をそのまま続けた。
「当たり前だが俺らは少女を殺すつもりはない。できるだけ説得はするつもりだ」
ヒウロが言っていたことと同じようなことをライオネットは言った。
話すにつれてだがライオネットやヒウロが悪人でないことは十分に分かった。二人とも平和を望んでおり、この世界を守ろうとしている。そこに嘘も偽りもない、少女も言っていたように正義の味方のようである。
「けど向こうは本気で世界を壊そうとしているからどうしても戦闘は避けられない。何よりも俺はこの世界を壊されたくはないしな」
「それってこの世界の人達に危害を加えないため?」
「それもあるが、俺らは元の世界に戻りたいと全員が思っているからだ。俺の世界は今は平和かもしれないがまた争いが起きているかもしれないし、他の奴だと戦争中にこっちに送られた奴もいる。だから戻るために壊されるわけにはいかないんだ」
確かに世界を壊されて元の世界に戻れる可能性はほぼ無い。翔と違って他の奴は元の世界でやるべきこと、やり残したことがありそのために元の世界に戻らないといけないのだ。
「まあ正直、アイツに会えば力づくでも戻る方法を聞けるんだがな」
「あいつ?」
「カケルも会っただろ、この世界に来る前に会った奴のことだ。……無理矢理この世界に飛ばしやがって、次会ったら絶対に逃がさねえが」
少しの苛立ちを含みながらライオネットは言った。その様子からライオネットは望まずにこの異世界に来たと分かる。
「っと、少し話が脱線したか。それで他に聞きたいことはないのか?」
「えと、あとはライオネット達は少女が世界を壊す方法を知ってるのか聞きたいんだけど」
「あー、それか。それは分からないのが現状だな。おそらく街が線に包まれるのが関係していると思うんだが、予測の域を出ない」
これも当の本人に聞かなければ分からないということだ。
ひとまずこれで翔の知りたかったことは概ね聞けた。この世界のこと、そしてライオネット達と少女の関係も知ることができた。




