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終わりを導く歌声

ー風よ、我が声にのせて届けよ。悪しき者への拒絶と親しき者への言の葉を。



「Lalala...」

とにかく大音量で歌う。

結界を破る勢いで。

ここがどこかはいまいちわからないけど、心配しているであろうお母様たちのところへ届くように。


「リーダー!結界が…!」

次の瞬間にはパリンという乾いた音とともに結界はあとかたもなくなっていた。


しかし、その反動はレシェナにも容赦なく襲いかかる。既に足に力は入らず立っているのがやっと。それでも歌い続けた。

そして、歌は徐々に誘拐犯たちにどんどんダメージを与えていた。

「傷つけたくはなかったが仕方ない!いけっ!!」

3人が攻撃魔法を唱え始めた。


「うっ…」

攻撃は見事に決まり歌は途切れた。




ーごめんね、みんな。

きつく目をつぶった、そのときだった。



バンッ


「水龍よ、我が怒りを糧に悪しき行いをするものへ断罪を!!!」

扉が砕け、水龍が入ってきたと思うと誘拐犯たちは水に濡れた床で気絶していた。


「遅いわよ…お姉ちゃんの結婚相手ってことはあたしのお義兄ちゃんになるんだからもっとしっかりしてもらわなくちゃ…」

そういったレシェナの顔はわずかに笑っていた。

「レシェナ!!!」


そう叫んだのはラシュリだった。

そして、レシェナはその場に崩れ落ちたのだった。




ラシュリの声とともにレシェナが倒れた。

「おいっ、大丈夫か!?」

「魔力の消耗のしずきよ!なんで無茶するのよ!!」

ラシュリは必死に治癒をほどこす。

魔法においてラシュリがレシェナに勝るもの。それがまさに治癒魔法だった。

ラシュリはウィンディア随一の治癒魔法師。今世代に彼女にまさる治癒魔法の使い手はいないだろう。

そして、治癒魔法に大切なものは助けたいという気持ち。

だから、きっと大丈夫。




「ふぅ、よかった…」

あれから、ラシュリの魔法でレシェナは目覚めないものの安心できるところまで回復。

ウィンディア、ウォンティア両国から騎士団が派遣され、誘拐犯も捕まった。そして、やっとウィンディアの城まで戻ってきたのは夜だった。


「サーファスさん、ありがとう。助けに来てくれて嬉しかった。」

ラシュリの部屋。サーファスとラシュリはゆっくりとした時を過ごしていた。

「本当に、無事でよかった。」

ホッとした顔でサーファスは返した。

「レシェナ、やっと覚悟ができたみたいだし…」

ラシュリがホソッとつぶやいた。

その言葉にサーファスは疑問符を浮かべた。


「あのね、私たちの結婚を認めたってことはレシェナがこの国の正式な次期女王になるってことなの。本当は姉である私がなるのが順当だけど適正はなかったから。」

むしろ、レシェナは完璧だけどね、と笑う。


ーなるほどな。

サーファスはあのときの女王の言葉の真意をやっと理解した。けどとにかく…


「あらためて、よろしく。フィアンセさま。」

「こちらこそ、ファインセさま。」

2人はそっと笑いあった。




トントン

「どうぞ。」

ノックをしたのは第一王女つきのメイド。つまりラシュリのメイドだった。

「姫様、レシェナさまがお目覚めになられたようです。」

その連絡にラシュリの顔はぱっと明るくなった。

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