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プロローグ
「またいつかここにこよう。
それで、また………だから――…」
「だから。…また、会おうな」
大丈夫。
きっとまた僕らは出会える。
だから、その日まで――――…。
「…とするため、xの値は」
暑い日差しの差し込む窓辺。
中学2年生の僕、小坂 京はたった今夏休み補習の真っ最中だ。
視線は窓の外、白チョークを片手に黒板に響く音と先生の淡々と喋る説明だけが、耳に聞こえては通り過ぎるように流れていく。
科目は僕の嫌いな科目兼、苦手科目の数学だ。
(全く。なんで数学なんてこの世にあるんだか…。)
シャープペンシルを机の上に転がして、ため息をつく。
クーラーは入っておらず時折窓から吹き込む風だけが唯一、この教室の暑苦しい温度を少しだけ涼しくして、開いたままでまだまっさらなノートをパラパラとめくって吹き抜ける。
(早く終わらないかな、補習…。)
夏――――…。
うだるような温度が漂うこの季節は、なんだか不可思議な物語に出逢えそうな気する。
後にこの予感が的中することになるとは、このときはまだ知る由もなかった。




