第90話 トラブル+移動=脚力
おっす、あたしリタちゃん・・・じゃなくて、今はティータって名乗ってたね、そういえば。
さて、そんなあたしは今・・・
「いいよ、ティータちゃん!次はそこの岩場も経由してみよう!」
「はいはい、一応急いでるんですから、また今度ー」
はしゃぐ男装のお姫様を背中に背負い、道なき道を駆け抜けている最中だったり。
クエイ公国内にあるシエル王国の施設を接収するとかいう、もろに国際問題なバカ行動を止めるために有力貴族へとクエイ公国王家の書状を届ける配達ミッション。
それも残り一箇所となった道中に、それは起こった。
「ティータちゃん!」
「!!」
突然、あたしの目の前に木が倒れてきたのだ。
このままでは、それにあたしが突っ込んでしまうのは避けられない。
なので・・・
「ふんっ!!」
「わあっ!?」
特に軌道を変えることもなく、シンプルに倒れて来た木をそのまま蹴り飛ばした。
だって、邪魔だったし。
「やったか!?」
「へへっ、派手に仕留めたみたいだなぁ」
なんか、刺客っぽいやつらの声が斜め手前から聞こえるけど、あたしはピンピンしている。
「「ぎゃあああああ!?」」
なので、通り掛けに立ってた普通の木をそいつらに向けて蹴り倒しておいた。
「君、さりげなくえぐいことするね・・・」
「まあ、急いでますし」
なんか、背中の純粋培養がドン引いてる気配がするけど、まあ、これも社会勉強ってことで。
さて、そんなことがあろうと気にせずに爆走していたわけなんだけど、少し進んだ先でまた罠みたいなのが見えて来た。
今度は、落とし穴?
「いや、わっかりやすっ」
安い道具を使っているのか、地面の色が分かりやすく違うし、ただの布な上に草の偽装とかもない。
おまけに、すぐそばに数人で潜んでるのもバレバレなんだけど・・・隠す気あるの、あれ?
正直、相手にするのも馬鹿らしいけど、放っておくとなんとなく面倒そうだから、対処しておくかぁ。
「フラン様、少々、魔力を放出しますので、驚かないでくださいねー」
「うん、わかったよ」
それじゃあ、同行者に注意も促したことですし、やりますか。
やることは簡単。
まず、落とし穴の少し手前に着地するように調整して跳躍をします。
そして、空中で足に魔力を籠めると、着地と同時に地面に全力で放出しながら踏み抜く!!
「「「「うわあああああああああああああ!?」」」」
するとあら不思議!
落とし穴ではなかった場所まで崩れて、ちょっとした崖崩れのようになるではありませんか!!
そんで、あたしは踏み抜いた勢いのまま跳躍してるから、足は止めてないので時間効率も良い・・・素晴らしいやり方だね。
「君ね・・・派手に地形破壊してるけど、一応、ここも我が国の敷地なんだよ?」
「緊急事態につき、そこはご容赦願いまーす」
一瞬、ちょっとやり過ぎたかと思ったけど、そもそもがそちらの馬鹿のやらかしが原因なんだから、これくらいは許容してほしい。
とまあ、既に二か所で罠があったわけなんだけど、当然これだけでは終わらず。
目的地までにもあと数回、罠が仕掛けられてたけど、似たような感じで突破して、あたしはフランチェスカをしっかりと送り届けたのだった。
広い範囲で罠張ってたみたいだけど、その労力、他に使えなかったの・・・?
次回の更新は4月18日(土)午前6時の予定です。




