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母なる夜
カート・ヴォネガットの
『母なる夜』は
ぼくのいちばん好きな小説です
もっとも、いちばん好きな小説は
ぼくにはいくつもあるのですが
この世からいなくなりたい夜には
ことのほか波長が合う小説です
初めて英語で読んだ小説でもあります
といっても、飛田茂雄さんの翻訳と見比べながらですが
死刑台のユーモア、というのは、ヴォネガットのエッセイで知った言葉ですが
まさしくその言葉がぴったりな小説です
もしもあなたがいま
この世からいなくなりたい夜を過ごしているなら
強くおすすめしたい本です
あなたの代わりに
ある登場人物が
あざやかに軽やかに
この世からいなくなってくれます
ある夜に
ある言葉を
あなたに投げかけて




