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いつかのどこかの空白に
小さな子どもを見て
百年後には、この子も死んでいるんだな、と
考えるわたしは
半端な病人
百年後には
わたしもとっくに死んでいて
かつて小さな子どもであるわたしを見て
この子も死ぬんだな、と考えただれかがいたとしたら
そのだれかはもっと以前に死んでいる
百年前には
この子は生きていたんだな、と
わたしとわたしではないだれかの視線が
死んだ後も漂っていて
わたしなのかわたしではないだれかなのか
小さな子どもの在りし日の像を
いつかのどこかの空白に結んでいる




