表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
699/923

これから出会う音楽

 数年前までは

 バッハの魅力を知らなかった

 そのことだけを考えても

 生き延びる価値は

 あるのかもしれない

 これから出会うなにかに

 期待したっていいのかもしれない

 星の数ほどある

 生きたくない理由

 これから出会うであろうおぞましさを

 無視するわけでは

 ないけれど


 処刑寸前のソクラテスが

 フルートでひとつの曲を練習していて

 いまさらなんの役に立つ?

 と訊かれて

 死ぬまでにこの曲を習いたいのだ

 と答えた

 これが実話なのか創作なのかは知らないが

 なんとも味わい深い話だ

 ソクラテスがバッハを聴いたら

 なんと言っただろう


 たとえ瀕死の状態にあっても

 現存在のなかにはいつも

 まだ現実的になっていないなにかがなお残存している

 不断の未完結が存在している

 ハイデガーがそんなことを

 語っているのだとか

 意味はいまだによくわからないが

 死に瀕していても

 音楽がこころを動かす余地は

 まだあるのだろうか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ