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背表紙を眺めながら

 自分の本棚に並ぶ

 背表紙を眺めながら

 それぞれの記憶

 言葉の手触りを思い出して

 いま読み返したい本は

 どれだろう

 いまの気分にぴったりの本は

 あるだろうか

 あれこれ迷いながら

 視線をめぐらせ

 記憶をなぞって

 しばらく経ち

 結局どれも

 手に取らない

 そんな時間を

 何度も過ごした

 でもそれも

 無意味なことではなかったのだろう

 アルバムの写真を見て

 旧友の人柄や

 かつての貴重な時間を懐かしむ

 それと同じようなものだ

 かすかに記憶が動いただけでも

 それは読むことの続きなのだから

 背表紙のひとつひとつが

 時間のしおり

 言葉と自分の結節点

 なのだから

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