684/923
時は止まらない
時は止まらないという激烈さ、優しさ、哀しさについて
時は止まらない
砂時計がなくても
感じる消耗
時がない
言葉を生み出す
余地もないほど
時は止まらないという哀しさ、哀しさ、哀しさについて
あの人まだ
生きてたんだ
あの人もう
死んでたんだ
決定的な差異が
砂で埋まる日
時は止まらない
鏡に映った笑顔が風化する
化石の感情が不注意で塵となる
いつもあった希望
すべて取り戻すことができるという願望
義務教育を受ける年齢に差し掛かったとき
すでに傷口が見えていた幻想
時は止まらないというほころび、もつれ、うつむき、いたたまれなさについて
みんな死ぬ
身も蓋もない結論
負けそうだ




