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死を思い出して

 死を思い出して力が抜ける

 死を思い出して力がわいてくる

 どちらもあるような

 気がするな

 なにがふたつを

 分かつのだろう


 いずれ死ぬ

 だれもが死ぬ

 なにをしても

 どうあがいても

 無駄じゃないか

 無意味じゃないか

 いつもそう思う

 いつも無気力になる


 死んだ人

 たしかに生きたという軌跡

 その想い出

 まだ

 消えてはいないということ

 過去のすべてが灰になり

 それでもまだ

 火が

 残っている

 内側の内側の内側に

 いずれ死ぬ自分の死の隣に


 死を、視たい

 拒みたい

 受け入れたい

 ひざまずきたい

 呪いたい

 殺したい

 遠ざけたい

 泣くように笑いたい

 死ぬように生まれたい

 死を思い出して

 力が

 こころが

 気力が

 光が

 死を思い出して

 死の隣に

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