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ぼくのつぶれ

 記憶のなかの死体に

 ぼくは含まれない

 それは夢

 閉じた眼で見たまぼろし


 顔はなかった

 身元不明

 それでもぼくだとわかる

 ぼくの死体のつぶれた顔貌がんぼう

 見下ろすぼくの顔を

 鏡で確認したわけでもない

 悲鳴をあげたわけでもない


 ぼくの死体

 ぼくの夢

 ぼくのつぶれ

 ぼくのむごん


 喋らない死体が喋る声

 陳腐な贅言ぜいげん

 いきるゆめはたのしいか?

 たのしくはないよ

 即答する

 迷いなく


 記憶のなかの死体は

 現実の死体

 ぼくの夢ではなかった

 死体

 顔のある死体

 生きてるときは見たことのなかった

 だらけきった表情の


 ぼくのつぶれ

 どれだけむごたらしくても

 げんじつよりはやさしいつぶれ


 いきてるゆめはたのしいか?

 死がないならね

 すこし迷って

 そう答えた


 顔に空いた穴から

 たまに聞こえる声

 夢が終わるまでは

 つきまとうらしい穴ぼこの声

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