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風のような詩集

 窓をすり抜ける風のような

 余白の美しい詩集に出会えた

 まだ冒頭の一篇しか読んでない

 ゆっくりと読んで

 ゆっくりと読み返した

 ページを閉じる

 急いで読むのが惜しい気がしたのだ

 表紙を眺めて

 いま読んだ詩を反芻はんすうする

 すでにしてよき記憶の手触り

 明晰な声

 透明な言葉

 重病快癒後じゅうびょうかいゆごの散歩のように

 ゆっくりと歩こう

 ゆっくりと読もう

 手許てもとに詩集

 言葉の微風

 いつまでも生きられるような悠長な気分で

 ゆっくりと遊ぼう

 ゆっくりと読もう

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