表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
283/917

秋の哺乳類

 どうやら秋が来るようだ

 夏も春もまだ捨てていないのに

 そうやってぼくは

 周回遅れの季節を追いかけている

 涼しい風が吹きはじめても

 ぼくに届くのは

 何年も前に過ぎ去った秋

 子どものころに死んだ秋


 過去がいつでも予感の春なら

 未来は常に閉ざされた冬

 それは昨日のぼくの論理

 明日のぼくは

 秋の哺乳類

 古びた夏空を手箱にしまう


 秋

 転写された季節

 ぼくが西暦何年の季節を生きようが

 葉は色づいて枯れていく

 秋

 ぼくの後ろ向きな憧れ

 喪うことへの全力の拒絶

 黄色い未練

 秋

 不変の静けさ

 迂遠な寂しさ

 無辺の死にたさ

 秋


 きっとたぶん大丈夫だから

 狂わなくても優しくなれるから

 眠れなくても眼は閉じられるから

 恋が消えても忘れないから

 だからもう

 きみは秋の顔をしていいよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ