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隠された傷

 傷を自慢げに見せびらかせば

 違うだれかがひっそりと傷つく

 ひっそりと

 だれもがひっそりと傷ついている

 痛みを隠すのが礼儀であり

 規範でもあり抑圧でもあるから

 そうして夜

 ひとりで傷痕を眺めて

 思いのほか深いことにおどろき

 思いのほか死にたいことにおどろく

 隠された傷は

 いつまでもひっそりと残りつづけるだろう

 なにがそれを治癒しえるのか

 魂をもてあそぶやぶ医者は

 けして信用できない

 魂は医療を必要としているが

 神は医療保険を創り損ねた

 御手は傷痕に触れてくれない

 死は

 傷を無効化するだけで

 癒してはくれない

 それともそうではないのだろうか

 死よりも優しい治癒者は

 この世に望むべくもないのか

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