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遠ざかるのを見ながら

 ぼくが近づくと

 事物は遠ざかる

 人であれ物であれ出来事であれ

 なにもかもが遠ざかる

 淡く霞む

 ぼくでさえがぼくから遠ざかるので

 もう慣れてしまった

 なにもかもが遠ざかる

 なににも触れられない

 この疎隔感は所与のものなので

 どうしようという気にもなれない

 ただ何年も何年もすべてが遠ざかるのを見ていると

 結局ぼくは

 生まれなかったのと同じだなって

 なにひとつ触れられないまま

 ぼんやり思う

 とりあえず泡のような言葉を

 風に浮かべてどこかに飛ばしながら

 早く死なないかなって

 口にしてみて笑ってみる

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