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雑草モノローグ

 草を見ていた

 雑草だった

 ぼくが名前を

 知らないだけだけど


 緑だった

 上にのびていた

 揺れていた

 震えていた

 空は雑草に

 気づかなかったけど


 わかっているよ

 明日はもう

 この雑草を

 思い出せない

 記憶はとても

 忙しいから

 緑はとても

 ありふれているから


 水が空からくだることを

 雨と呼んでいる事実なんて

 おまえはきっと知らないだろうね

 自分の名前を知らないように

 希望の呼び名も知らないんだ


 でも濡れたときの幸福は

 知っているだろう

 その充実感を

 感じられないはずはないはずだ

 それが愛だから

 古くからある愛だから

 だれの愛かは

 わからないけど


 しおれてつぶれて枯れてたって

 ぼくのせいではないけれど

 だれかのせいではあるかもね

 おまえは緑色

 ぼくは肌色

 おまえは植物色

 ぼくは人間色

 色の違う生物同士は

 お互いを差別するものらしい


 おまえ

 夜は

 どうしてるんだ

 光のなさに

 耐えきれるのか

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