221/924
身投げ天国
塔から身投げした黒衣の老婆が
落下しながら鳥についばまれている
罪人の化身した猛禽たちが
群れをなして墜落者を削っていく
長い長い地面への旅路で
老婆はついに大地にたどり着けなかった
空中でゆっくりと四散した
黒衣も老婆の肉体も
鳥たちの胃の腑におさまった
だれも地に触れて死ぬことができない
上層に隔離された住人たちは
それでも下界との接触を夢みて
塔の上から身投げする
またひとり
鳥たちについばまれて消えた
年端もいかない少年天使だった
塔から身投げした黒衣の老婆が
落下しながら鳥についばまれている
罪人の化身した猛禽たちが
群れをなして墜落者を削っていく
長い長い地面への旅路で
老婆はついに大地にたどり着けなかった
空中でゆっくりと四散した
黒衣も老婆の肉体も
鳥たちの胃の腑におさまった
だれも地に触れて死ぬことができない
上層に隔離された住人たちは
それでも下界との接触を夢みて
塔の上から身投げする
またひとり
鳥たちについばまれて消えた
年端もいかない少年天使だった
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。