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殺意の矛先

 十代半ばのころ

 人と接するのがあまりにも苦痛なので

 自分には三つの道しか残されていないような気がした

 浮浪者になるか

 犯罪者になるか

 自殺者になるか

 どれも暗澹たる未来であるはずなのに

 そう考えるとなぜだか慰められた

 いまもそのころとあまり変わりはないけれど

 少しだけ違うのは

 そのころの自分は人を殺してみたいという好奇心があったので

 犯罪者になるとは殺人を犯すということだったが

 いまではむしろだれひとり殺されなければいいのにと思うようになった

 当時もそうだったのかもしれないが

 もてあました激情を殺意だと勘違いしていた

 それともやはりあれは殺意だったのだろうか

 いまも殺意のような感情はくすぶっているけれど

 殺したいのは他人ではなくて

 なにか別のもののような気がしている

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