1.激カワトイプードルを拾いました
私の名前は東堂あさひ。
どこにでもいる平凡な中学1年生の女の子。
ある日の学校の帰り道、ゴミ捨て場のそばに蓋が開いたダンボールを見つけた
なんだか気になってしまい、近づいて中を除いてみると、中には子犬がいた。
横になっているが、息はしているみたい。
クリーム色のトイプードルだ。
こんなに可愛い生き物を捨てるだなんて許せない。
捨てたやつを段ボールに詰めて川に流してやりたい。
失礼、本音がただ漏れました。
でも、犬好きな私には信じられない行為だ。
いつからここにいたんだろう。
かなり弱っているように見える。
私が見つめていると、子犬が薄目を開けて弱々しい視線で私を見つめ返してきた。
きゃ、きゃわいい!
親になんて言われるかわからないが、このまま放置して帰るわけにはいかない。
とりあえず連れて帰ることにした。
家に帰ると、姉と廊下で鉢合わせた。
「何その汚い段ボール」
「見てみ
と私が言うと、姉は恐る恐る段ボールを覗き込んだ。
「きゃーかーわーいーいー」
「ちょっと!うるさい!わんこ寝てるでしょ」
「でもお母さんの許可をもらうのは難しいと思うよ。特に今日は機嫌がよろしくないし」
「マジかー」
私はより気合を入れて、キッチンにいる母の元へ向かった。
台所では母が夕食の準備をしていた。
私は母の背後に立った。
「お母様」
と声をかけると
「だめよ」
「いや、まだ何も言ってないんですけど」
「あんたがお母様って呼ぶ時は、無茶なお願いする時って決まってるのよ」
さすが12年も私の母親やってるだけある。
「とりあえずこれ見てみて」
そこでやっと振り返った母は、私が持っているダンボールを見て嫌な顔をした。
「ちょっとーそんな汚いダンボール家の中に持って入らないでよ」
「とりあえず中見て」
母は不快そうにダンボールの中を覗いた。
「うちでは飼えないわよ」
予想していた返事が返ってきた。
しかし、私は見逃さなかった。
犬を見た瞬間、母の口元が一瞬緩んだことを。
本当は姉みたいに「かわいいー」と叫びタ買ったところを、グッド堪えたんだろう。
これは行ける!もう一息だ!
「でもこんなに弱ってるんだよ?このまま外に出したら死んじゃうよ」
しめしめ、すごく困った顔してる。
あと一言、母の背中を押せる言葉は、、、
その時、。
「今夜から大雨降るらしいね」
声の方を振り向くと、姉の姿があった。
その言葉を聞いた母から、お決まりのセリフが飛び出した。
「もー、お母さんはお世話しませんからね」
子供がペットを飼いたがった時の母のセリフベスト1ではないだろうか。
とか言いながら満面の笑顔で犬を抱き上げる母。
これはなんだかんだ可愛がってくれそうだ。
お姉ちゃん、ナイス!
名前は「オリオン」にした。
一晩かけて考えました!
綺麗な名前でしょ☆
それから私は、Google先生や犬を飼っている友人にアドバイスをもらったり、病院で病気がないか診てもらったり弱っている犬への介護など教えてもらい、子犬のお世話に励んだ。
そのかいあって、オリオンは1週間ほどで元気に走り回れるようにまで回復した。
やはり母も可愛くて仕方ないようで、私が学校へ行ってる間、オリオンのお世話をしてくれている。
そんなある日のこと。
いつも通り家でもろもろしながら、犬に関する記事を読んでいた時、
『腹減ったなー』
と言う声が聞こえた。
男性の声だった。
父かな?と思ったが、まだ仕事から帰ってくる時間ではない。
それに父より年上のような声。
そう、ザ・おっさんって感じ。
『飯まだかなー』
また聞こえた。
まさか変質者?泥棒?
そして声は私の背後から聞こえてくる。
私は息を飲み、恐る恐る振り返った。
するとそこには、、、
オリオンがいた。
涎を垂らしながら私を見つめている。
「ん?」
『ん?」
「は?」
『は?』
「『えええええ???』」
「な、な、なんで犬から声が?私の頭がおかしくなった?夢か?夢だよね?」
『お嬢ちゃん、わしの声が聞こえるのか?』
「いやいやいや、聞こえない何も聞こえない」
『聞こえてるみてーだな』
「最近犬の気持ちがわかるようになってきたなーとは思ってたけど、まさか言葉までわかるようになっちゃったの私?てかなんでおっさんの声なの?まだ1歳きてないでしょ」
」
『んー何から説明すっかな。わしも全部は理解してねーけど、どうやらわしは前世の記憶が蘇ってしまったみてーだ』
「みてーだじゃないよ。そんなアニメみたいな話すんなり受け入れられないよ」
『そう言われても、実際起きちまったんだから仕方ねーだろ』
「100歩譲って前世の記憶が蘇ったとして、それっていつ蘇ったの?犬として生まれてきた瞬間?」
『そうだな。通常前世の記憶は消去されるもんだが、何かの不具合で残っちまったようだ。わし前世では50歳で死を迎えたんだが、その時点までの記憶が丸ごとこの犬に受け継がれてしまったてことだ』
「てことは、精神年齢50歳ってこと?」
『まぁそう言うことになるか』
「え、待って待って。もしかして、こないだ私と一緒にお風呂入った時って、、、」
『大丈夫大丈夫、わしロリの裸には興味ねーから』
「いやいやいやいや、そう言う問題じゃないから!え、じゃあ私50歳の見知らぬおっさんと混浴したってこと?無理無理こわいこわい」
信じたくない事実がどんどん明かされていく。
「でもなんでこのタイミングで言葉がわかるようになったんだろう私」
『さぁな、波長があったんじゃねーか?』
「なんで合っちゃったかなぁ、知りたくなかったわー可愛いわんこの中身がおっさんだなんて」
『わしは便利だけどな。とりあえず飯くれ』
なんか腹立つなー。




