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4.国王がやって来た・・・。

次回の更新は4月29日、金曜日です。


 大神殿で、半裸状態のうら若き乙女達に不本意であるが、きわめて不本意ではあるが、宗教には宗教で対抗するしかない。

 「大精霊ソフィアが召喚せし、調停者の有馬悠として命じます。あなた達は、私のハーレム要員ではありません。服も着てください。頼むから、服を脱がないでください」

 「私達をお見捨てになるのですか?」

涙ぐむ、ミール達大神官や数百名の神官達。

 「私達は、女神にこの身を捧げし、純血の乙女。この身は有馬様に」

 「嬉しいですけど、身体も純血も、私に捧げなくていいですから・・。ちょっと、服を脱がないで」


 有馬が悪いのだが、ソフィアも有馬が手を出せないのを承知の上だ。

 好みの子に手を出してやろうか?

 

 「あらあら、ハーレムを欲しがったくせに、無欲だこと」

 ソフィアの声が、有馬の脳内に響き渡る。

 「消えなさい。悪魔よ。私は惑わされない」

 「神殿の神官達の事、頼みましたよ。あの子達は、真面目な子ですからね」


 「皆さん、はい。校長先生が話をします。注目」

 神官達が、有馬を見つめる。凝視する。

 これほど、たくさんの女性に凝視されたのは、バレンタインデーに好きな男を落とす講座を中学校の時に開催して以来だ。


 「大精霊とは関係なく、この世界の混乱を、整理して解決できるか考えます。考えますから、皆さんは、服を脱がない。ハーレムの話は、問題が解決して、女神フリージアがお戻りになってから、御相談しましょう」


 有馬は、官僚の奥義、「問題の先送り」を発動した。

 

 「つまり、悠様は、調停者として、神殿のために働いてくださるのですね。ウハウハ、ハーレムがなくても・・・」

 

 ミールが目をウルウルさせて、語りかける。

 「あの、ウハウハ、ハーレムという言葉はやめましょうね。神官の皆さんにも、必要があればお力をお借りします。まず、通常業務に戻ってください」

 

 有馬は、ミール達神殿幹部と、今後のことを打ち合わせる。

 「それでしたら、王宮から、使者がやってくると思います。王位の交替が必要ですから、この世界中をまとめる王になりますから、世界中から、使者がやってくるはずです」

 ミールの分析は正しかった。


 ミールの予想通りに、この国の王宮から神殿に使者が訪れた。


 それも、国王本人である。40代ぐらいのイケメンの国王は、有馬に恭しく跪く。

 「調停者、有馬悠様、国王のアルベルト3世でございます。大精霊様のご神託に従い、有馬様に王位をお譲りいたします」

 

 貧乳のフリージア女神像の前で、ミール達ロリ娘大神官に囲まれている有馬に静かにつげる。

 「アルベルト3世陛下、大精霊ソフィア様に、異世界から無理やり拉致された有馬悠と申します。この世界の政治の仕組みを、私はまだ理解していません。元の世界では宰相補佐見習い、宮廷書記官見習い、大法官見習いのような仕事をやっていました。国王陛下、頭をお上げください。私のことは、悠さんか悠殿と呼んで貰えると助かります」

 アルベルト3世が立ち上がると、悠は、両手で王の手を包み込むように握手をする。

 「しかし、有馬様、世界が・・・」

 「あれは、私にこの世界の混乱を収拾させるためのソフィアの脅しです。本当に、世界を滅ぼす気なら、行政官の私を世界の秩序維持のために連れ去りませんよ。ブラフですよ」

 「有馬様、いや悠様。あなたは、女神フリージア様や大精霊ソフィア様の御性格を御存じないかと・・・。この世界は、数度、女神の怒りにふれ、滅ぼされているのです」

 「あの邪神、そんな酷いことをしたんですか?」

 国王は、有馬の暴言に青ざめる。

 神殿に、巨大な雷が落ちる。何度も、ピンポイントで、雷が落ちる。

 神官達は、大パニックになる。国王の護衛達も真っ青になる。

 

 「ソフィア様、笑えない宗教ジョークはやめてくれませんか?」

 「お前は、私が世界を滅ぼしたと思うか?」

 「いえ、古代文明が戦争で自滅した。火山噴火や災害が神の怒りとして伝承された。科学的に説明できることですよね」

 「いや、本当にムカついたから、滅ぼしたかもしれないわよ」

 「地球のギリシアの神々は割とエグイんですよ。ゼウスもヘラも。それでも、国レベルでは、やっていません。まあ、古代隕石の衝突が神のせいなら、別ですが。王や神官を恫喝するのは、やめて貰えませんか?」

 

 「最初に、ガツーンと脅しておかないと、お前の言うことを聞かないわよ」

 「それなら、あなたが転生者を処してくださいよ」

 「女神フリージアの許可がないと、それはできないのよ」

 「処せるものなら、処したいわけですね。ソフィア様の地の性格がわかった気がします」

 「そう、ありがとう」


 「調停者様が、ソフィア様をお鎮めになられた」

 国王には、ソフィアの声は聞こえない。しかし、有馬の声は聞こえる。

 ここは女神が絶対的権威を持つ世界。

 雷パフォーマンスもあり、有馬の一人芝居を疑う者はいない。


 国王が称賛すると、国王の護衛や神官達も追従する。嗚呼、めんどくさい。

 

 だから、宗教は嫌いなんですよ。

 有馬は、呟いた。

4月29日、水曜日更新

 5.異世界のニート保護法・・・

ニートのニートによるニートのための国。異世界は腐りきっていました・・・。


「社蓄やブラック企業と言って、ニホンという国はほとんどの国民が強制労働させられている。真に自由な階級は上級国民とニートだけだと」

 「それは、間違った異世界知識です」

 悠は、宰相に即座に否定する。

 「フリージア教では、ニート保護法があり、日本でニートだったものは国から補助金が支払われ、労働が免除されております」

 悠は頭を抱える。

 「そのニート保護法とやらに、大精霊様は、ブチキレませんでしたか?」

 「その頃はまだ、フリージア様が大精霊様のところにいらっしゃったので、大精霊様は何も仰いませんでした」


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